第34話
「・・・ごめん」
やっぱりね。
そうだと思っていたよ。
やっぱり今回も、言い損だったわけだ。
「大丈夫、安心して。
メールのときは分からないって言ったけど
今はもう好きじゃないと、思うから」
私、声震えてないよね?
ああ、もう何がなんだか分からない。
今すぐ泣いて、全部流しちゃいたいよ。
でも、今のできっぱり諦めがついたかも。
こんな恋愛、聞いたことないよ。
付き合ってる恋人同士なら、
嫌いになったことを伝えるかもしれないけど、
付き合っても居なくて、振られてるのに
好きじゃなくなったなんて伝える恋愛。
色んな恋愛小説や恋愛漫画読んでるけど、
今までこんなの見たことないや。
「なんで好きじゃなくなったの?」
ねえ、もういいでしょ?
どうして全部言わせようとするの?
私だって、そんなことわかんないよ。
付き合ってたわけじゃないんだから、
振った女がいつどんな理由で自分を嫌いになっても、
関係ないことじゃないの?
なんで好きになったことを伝えて、
好きじゃなくなったことまで伝えなきゃいけないの?
「わかんない・・・よ・・・。
でも、私・・・言い損って、嫌いだから・・・」
それだけは、ハッキリしていること。
多分、裕太の表情を見ると、意味分かってない。
まあ、仕方ないか。
どんな理由で言わせてたのか、私も知らないし。
もう、嫌なんだ。
いい加減、この恋に終止符つけなきゃって思ってた。
私は、それまでの表情とは正反対の、
満面の笑みを作って、立ち上がって裕太に言った。
「今まで、ありがとう。
めっちゃ迷惑かけちゃってごめんね。
もう迷惑かけないから。じゃあ・・・」
そのまま廊下へ走って出て行った。
ねえ、もう、いいよね?
私、十分頑張ったもん。
・・・でも、今日でちゃんと終わりにするから、
最後にこの恋、ちゃんと心に刻む時間を下さい。




