第3話
その日の放課後、委員会の集まりで、
もう時計は6時周り、辺りは暗くなっていた。
私が所属する学年代表委員会は、
各クラス男子2名、女子2名の16名からなっている。
学級代表が男女各1名、副学級代表も男女各1名で、
私は副学級代表をやっている。
ちなみに、学級代表は私の好きな人、山内裕太だ。
小学校の頃同じクラスだった裕太とは、
中2のクラス替えで一緒になった時、
かすかな喜びを感じた。
そして、推薦で同じ委員会に決まった時は、
天にも登る気持ちだった。
けれど、そんな喜びもつかの間で、
委員会での男女の協力性も全くなく、
そのうえ女子学級代表が全然仕事をしないため、
それほど楽しいものではなかった。
最近では6時過ぎまで集まることも多く、
部活に出れない日も多くなってきていた。
「あ~あ、すっかり遅くなっちゃった。
部活もまた出れないし、雨は降ってるし、
そのうえ仕事は片付かないし・・・。
もう疲れた~。最悪」
ため息交じりの独り言を言いながら、
私は暗い教室の中で帰りの支度をしていた。
私の所属している吹奏楽部の音も、
もう30分くらい前に途絶えているし、
雨だからグラウンドの部活もやっていない。
なんて静かな空間なんだろう。
そう思っていたとき、ふいに教室のドアが開いた。
「誰!?」
目が悪い私はドアから一番遠い席で
誰が入ってきたのか分からず、ぼやけたシルエットに問う。
「まだ残ってたんだ。俺だよオレ。杉田蓮。
相変わらず目悪いな~」
おそらく部活を終えた蓮が、
いつものようにからかうような口調で言う。
「うるさい。しょーがないじゃん、目悪いんだし。
で、バスケ部の誰かさんは暗い教室に何のよう?
好きな子の机にラブレターでも入れようとしたけど
いざ勇気を出して教室に入ってみれば、
私がいたからしょうがないから暇つぶし?」
「お前はよくそんな妄想話を次から次へと作れるな。
まあ9割作り話だな。最後のはあるかもしれないけど」
最後って、暇つぶしってこと?
蓮のやつ、またからかって遊んでる。
「そういやさ、あの話、どうなんだよ」
蓮がめずらしく真面目な声で言う。
表情が見えないけど、からかっているようではなさそう。
「山内の事さ、まだ好きなの?」
こいつはなんてことを言い出すの!?
こいつのいきなり突拍子もないこと言う癖、
早く治んないもんかなぁ。
「・・・・・・好きだよ。
だって、振られたくらいで嫌いになるような
中途半端な気持ちで好きになったんじゃないもん。
・・・って思うんだけど、そういうの、ウザイ?」
私がそういうと、蓮は子供っぽくニカっと笑った。
「いや、お前らしいんじゃん。
バカ正直っつうか、まっすぐっつうか、
そういう考え、悪くないと思う。
周りの意見じゃなくて、自分のしたいようにすれば?
んじゃ、俺帰るから」
そう言って、蓮は走って教室を出て行った。




