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君と見た花火  作者: 侑子
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第28話

「ごめ~ん!待った?」


駅で5分くらい待った後、

由美子が息を切らせながら走ってきた。


コンクールが終わった後、

打ち上げをしようという話になった。


打ち上げは安いファミレスで夕食を食べたり、

どこかでアイスを食べたりするのが

私たちの中での流行りスタイルだが、

花火大会で打ち上げとは珍しい。


ちなみにこの考えは由美子が言い出したもので、

コンクールの打ち上げと、花火大会での

打ち上げ花火をかけてみたらしい。


私たちがこれから行く花火大会は、

市内では結構な規模の花火大会で、

会場の川沿いにはすごい人が集まる。


何時間も前から電車はだんだんと混んでいき、

1時間前にもなると駅は人でいっぱいになる。


「まったく、あれほど時間には正確にって言ったのに」


由美子はかなり時間にルーズだ。


まあ、そんなことはもうとっくに

嫌と言うほど知っている。


「ごめんごめん。カキ氷おごるからさ」


私たちは道の途中でカキ氷を買って

花火大会の会場に向かった。


会場の入り口についた頃、

最初の打ち上げ花火が上がった。


それからどんどんと花火が上がっていって、

色々な形が空に浮かび上がる。


「綺麗だよね、花火って。

 前にテレビで見たことあるんだけどさ、

 打ち上げ花火って、模様とか手作りらしいね。

 それがすっごい細かい作業らしいの」


由美子の言っているそのテレビと、

前に私が見たことあるテレビが一緒なら

私も見た事がある。


火をつけて、打ち上げて、

光って消えるほんの数秒間のために、

何時間も何時間もかけてつくっている。


なんだか、吹奏楽と同じだな。


私は、前に不思議に思ったことがある。


コンクールでは、10分程度の演奏で

賞を判断されてしまう。


この演奏は上手だとか、下手だとか、

そんな風に決めて審査して楽しいのだろうか。


そして、私たちはほんの10分程度の本番のために、

何十時間、何百時間を費やす。


練習中にどれだけ上手でも、

本番でミスをしたら意味がない。


一度出した音は返ってこない。


決していい所だらけではないのに、

どうして人は音楽を奏で続けるのだろう、と。


「そんなの、決まってるじゃない」

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