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君と見た花火  作者: 侑子
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第27話

それから数日間、何もなく過ごしていった。


どんどんハードになっていく練習も、

私情に音が揺れることもなく過ぎていった。


ただ、気持ちが変わっているのは、分かった。


部活のために登校しているとき、

裕太の姿を見つけても前のようにときめかない。


でも、登校中に蓮と会うと、

今日一日頑張れるような明るい気持ちになった。


これが、楽しかったときの恋の気持ちだったんだろうか。


振られた後しばらくして、

まだあきらめていなかった頃は違った。


裕太の姿を見るたびに、悲しい気持ちが湧き上がった。


勿論、嬉しい気持ちがなかったわけではない。


でも、7割から8割は悲しい気持ち。


また、今日も喋れないのだろうか。


勇気を出して喋りかけても、

そっけない返事しか返してくれないのだろうか。


恋する乙女の勇気と行動力はすごいって、

よく言われることだし、友達を見てて分かる。


私だって、どこにこんな勇気があったのかってくらい、

頑張って勇気出して毎日を過ごしてるのに、

何も変わらないんだろうか。


そう思って、悲しくなる気持ちが大きかった。


でも、それと対照的な蓮への気持ちが、

もしかしたら忘れていた恋する気持ちなのかもしれない。


でも、誰かに言うのはしばらく止めておこう。


裕太のことを好きじゃないって言っておきながら、

まだそうやって考えているうちは、

きっと思いを断ち切れていない。


そんな中途半端な気持ちだと、

蓮にも失礼になってしまうから。


私が裕太への思いを完全に断ち切れたら。


秘密というリスクを1人で背負いながらも、

誰かと恋人関係になる覚悟が出来たら。


そして、その時に蓮への感情が、

他の誰かへの感情と違うものだったなら。


その時に、ちゃんと蓮に言おう。


それが明日なのか、1週間後か、半年後なのか、

卒業式の日なのかは分からないけれど。


そしてその時、私の大切な人が蓮なのか、

蓮がまだ私を好きでいてくれるのかは分からないけれど。


でも、今私に出来る事は、

蓮へのありったけの感謝を伝えること。


それから、裕太への片思いで学んだ

数多くの辛かった出来事を、

蓮に同じ事をしないように気をつけること。


そう考えれば、裕太への片思いで

ずっと傷つき続けていた私の気持ちも、

ずっと1人で流し続けていた涙も、

無駄なものではないって思えるから。


大切なのは、傷ついた過去ではなくて、

その過去を今にどう生かしていくか。


最初の楽しかった気持ちも、

振られた後の辛くて仕方がなかった気持ちも、

ずっと励ましてくれて嬉しかった気持ちも、

全部覚えておいて、今にどう生かすか。


そして、未来にどう生かすかが大切って。


そう、思うから・・・。

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