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君と見た花火  作者: 侑子
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第26話

それから数時間寝た後、

恋愛と書かれたカッターに追いかけられる

変な夢を見て目が覚めてしまった。


時計を見ると夜1時を過ぎた頃で、

もう一度寝ようと思っても眠気がしない。


仕方なく、ベランダに出て

星空でも眺めようと思った。


星空を眺めるのは好き。


懸命に輝き続ける星はすごく綺麗。


それに、吸い込まれそうに広い宇宙を見ると、

今の自分と言う存在はかなり小さく感じて、

人生の半分も生きてないうちの

一時的な悩みなんて、すごく小さく感じるから。


だから、辛いことがあったときは、

いつも星空を見上げるの。


星空を見上げていると、いつも涙が流れて、

でもすっきりとした気分になるから。


その時、手に持っていたケータイが震える。


一瞬、裕太だったらどうしようと思ったが、

画面には七海の電話番号が表示されていた。


《もしかして寝てた?いきなりごめんね。

 どうしても心配になってさ》


ケータイ越しに聞こえてくる、

聞きなれたメッゾソプラノの七海の声。


七海には、蓮と話したことを全て話した。


私の秘密2つを除いて、だけれど。


七海は安心した様子で、

無理をしないでね、と言って電話を切った。


親友の七海でも、やっぱり秘密はいえない。


あんなに心配してくれているのに、ごめんね。


「また1人で泣いてる。

 1人で泣くなって言っただろ」


隣の部屋から蓮が出てきた。


「さっき言うの忘れてたんだけど、

 付き合うことについて秘密があるから

 無理って前に言ってたよな。

 俺は、別になんとも思わない。

 正直、まあ驚いた事は驚いたけど、

 もっと深刻な感じの想像してたし。

 ま、振られたんだから関係ないか」


どうしてこの人は、ここまでしてくれるんだろう。


秘密を嫌な顔ひとつせず聞いてくれただけで、

もう十分すぎるほどのことをしてくれたのに、

受け入れて、こんな私でもいいって言ってくれて。


それに、1人で泣くことを怒られたのも、

蓮がはじめてのこと。


「なんで・・・そこまでしてくれるの?

 秘密聞いて、嫌にならなかったの・・・?」


わからないよ。


だって、蓮が好きなのは、秘密を知る前の私で、

絶対秘密を知ったあとの私なんか、

付き合ってて疲れるの分かりきってるじゃん。


「その答えは、お前の中にもあるんじゃねーの?

 ”振られたくらいじゃ嫌いにならない”。

 お前が前に、自分で言った言葉じゃん。

 それに、恋愛っつーのはさ、

 相手の欠点をどのくらい治せるかじゃなくて、

 どのくらい許せるか、受け入れられるか、だろ」


何かの本で読んだことがある、その言葉。


確か、恋愛関係の名言集みたいなもの。


今、確実に私の中の蓮に対する気持ちが、

変化していっているのを感じる。


からかいあう悪友から、

何かに変わっていっている気配を感じた。

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