第24話
目をつぶって、下を向いたまま、
目を開けることができない。
蓮は、どんな反応をしているだろうか。
調子に乗って、秘密も過去も、
全部喋ってしまった。
けれど、今考えてみたら、
これは蓮には迷惑だっただけかもしれない。
それに、せっかく好きになってくれたのに、
もう嫌になってしまったかもしれない。
ううん、嫌になるよね。
こんな思い話をしたうえ、男性不信で
自傷癖まであるんだもん。
嫌になって当たり前だよね。
気持ち悪いって、思ってるかもしれない。
もう二度と、心配してくれないかも。
からかってさえ、くれなくなるかもしれない。
やっぱり、誰にも言わない方が良かったんだ。
誰かに言ったところで何にも変わらないんだから、
こんな人の気分を害す話、やっぱりするべきじゃなかった。
蓮がどんな反応をしているのか、
気になって、でも怖くて見れない。
「いきなり・・・こんな話して・・・ごめん・・・・・・」
そういった瞬間、右手首に何かが触れる感じがする。
触れた瞬間、ビクッと体が動く。
「あ、ごめん。触られるの、怖かった?」
私が首を振ると、右手首の切り傷の跡に、
優しいぬくもりが触れた。
恐る恐る、そっと目を開けると、
私の右手首の上には、蓮の左手が乗っていた。
「色々、大変だったんだな。
俺、中1のときから同じクラスなのに、
全然分からなかった。
リスカがいい事かっつーと分かんないけどさ、
そうやって今いてくれることが嬉しいよ」
話してもらって何も出来なくて悪いけど、
辛いこと、話してくれてありがとう、と蓮は付け加えた。
そんなこと言われたの、はじめて。
自傷癖のことは、中1の頃数人は知っていた。
そこまで必死で隠してもいなかったから。
でも、みんな口々にやめたほうがいいって言っていて、
傷口が開いたところを見た友達が貧血で倒れたこともあった。
その頃から、必死で隠すようになった。
時計で隠し始めたら、すぐに皆忘れてくれた。
でも、初めてだった。
全てではないけど、受け入れてくれたのは・・・。
「あり・・・・・・がとう・・・」




