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君と見た花火  作者: 侑子
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第21話

私が告白して振られたという噂は、

1週間もしないうちに学年のほとんどが知っていた。


振られてから気まずい気持ちはあったものの、

出来るだけそんな雰囲気を出さないようにした。


この間、蓮にいった言葉。


振られたくらいで嫌いになるような、

簡単な気持ちで好きになったわけじゃない。


これが、一晩考えて出した結論だった。


好きな人と両思いになれないなんて、

初めてのことじゃないんだから。


相手の迷惑にならない程度に、

好きって気持ちを貫けばいいって思った。


委員会では、出来るだけ負担をかけないように、

裏の仕事をさりげなく終わらせておいたり、

働かない女子の学級代表を裏から手を回して

ちゃんと働くように言ったりもした。


裏からって言っても、イジメとかじゃないけど。


出来るだけ何もなかったかのように、

明るく話しかけたりもした。


でも、その頃から、友達に忠告されることが増えた。


あいつは本当にやめておいた方がいい。


女好きで、うまく利用されているだけ。


そう言ってくる人がだんだんと増えてきた。


私が全部面倒な仕事を片付けているし、

頼みを断ることがないから利用しているだけだ、と。


でも、そんな事はない、と言い続けた。


友達が心配してくれるのは嬉しいけど、

そんな事はないって信じていたいから。


ところがそのうち、だんだんと友達の言ってることが

否定できないようになってきた。


委員会の集まりのときは、メモは女子に任せておいて

よく机に突っ伏して昼寝をしている。


そして何より、月1のペースで来る、

女子のメアド交換のメール。


女子のメアドで持っている人の名前を聞いて、

自分の持っていない人と交換するために、

相手の女子と連絡を取ってもらう、という方法だ。


気がつくのが遅かったり、面倒で無視をしていると

何度も気づいたか確認のメールが来る。


そして、最後の最後に今日のメール。


恋しているのが辛くて辛くて、

いっそのこと蓮に変えようとも思った。


でも、やっぱり好きな気持ちが少し残ってて、

もうなにがなんだか分からなくなっていた。


コンクールが近いし、そんな揺らいだ感情は

すぐ簡単に音に現れてしまう。


だから、コンクールが終わるまでは、

何かに恋焦がれることなくいようと思ってた。


ひたすら音楽に集中し続けて、

恋なんて不安定で危ない感情は封印していたのに。


もう、好きなのかどうかも分からない。


それが、今の私の精一杯の言葉でもあり、

自分を守るための言葉でもあった。

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