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君と見た花火  作者: 侑子
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第18話

夢を見ていた。


過去に起きた出来事の夢。


中2になって、クラス替えのときからの、

裕太に関する記憶の夢。


ぶつかりそうになっただとか、

委員会のときに隣の席だったとか、

本当に小さなことで喜んでた日々。


一言喋るだけで1日幸せだった。


メールなんか来た日には、

もう天にも登る気持ちだった。


そんな、些細なことで喜んでた、

何もかもが幸せだった日々。


もう、あの頃には戻れない。


関係も、私の気持ちも。


楽しかった日々が、終わりを告げた日。


恋がこんなに辛いなんて、知らなかった。


小学生の頃の初恋は、

両思いではなかったけれど、楽しかった。


相手はかなりモテていて、ライバルも多くて、

私なんかじゃ絶対につりあわない人だったけど、

それでも、毎日が楽しかった。


結局行く中学が別れてしまって、

告白できずに終わった恋だったけど、

ときどき夢に出てきてくれていた。


辛くて辛くて崖っぷちのとき、

君はいつだって夢に出てきて励ましてくれる。


「鈴木。ほら、元気出せよ」


そう言って笑う、初恋の君。


夢の中で君は、いつもそうやって励ましてくれる。


ごめんね、いつまでたっても君から卒業できなくて。


今度の恋は君がいなくても大丈夫って

そう思ってたんだけど、やっぱりダメだね。


お守り代わりにしている、君と交換したペン。


まだ、お世話になりそうだよ。


ずっと筆箱の中に入れてあるんだ。


辛くなったとき、そのペンを握ると、

不思議と勇気や力がわいてくる。


恋だけに限らず、何でも万能のお守り。


この恋で、君の事は忘れられるって思ってたのに。


ごめんね、やっぱり力、借りないとダメみたい。


「大丈夫。まわりを良く見渡せば、

 きっとお前を大切に思ってくれる人がいるよ」


そう言って光の中に消えていった君の姿。


どこかで聞いた事がある、その言葉。


そうか、買ってる雑誌の、星座占い。


今月の射手座の運勢の欄に書いてあった。


私を大切に思ってくれる人・・・。


「お前ならもう大丈夫。

 さあ、目を覚ましてごらん」


明るく、果てしなく続く白い世界で、

君の声が響き渡っていく。


ありがとう。


そろそろ、目を覚まさなくちゃ・・・。

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