第15話
「お~おかえり玲奈~」
一足早く部屋に帰っていた七海が、
相変わらずぐうたらとした態度で出迎える。
さっきのこと、七海に相談してみようかな。
・・・でも、やっぱり七海に迷惑がかかるから、
やっぱり言わない方がいいのかもしれない。
「ん、玲奈どした?さては、告られたね。
大丈夫、隠さなくても全部知ってるよ。
あたし蓮とは幼馴染だから、全部聞いてるから」
蓮と七海が幼馴染!?
ってことは、七海の家に泊まりにいった時、
夜話し声が聞こえたのは蓮だったんだ。
そう言われてみれば、あの声は蓮だったかもしれない。
「ま、どうするかは玲奈次第だけどさ。
その秘密とやら、話してみれば?
それから、彩子が嫌いって言ったのは、
蓮に好きな人がいるって振られたからだよ」
そうだったんだ。
それなら、よっぽど付き合えない。
好きな人には他の好きな人がいて、
その人と付き合うなんて絶対に辛いはずだもん。
「そうだね。でもそれは・・・」
七海の声を妨げるように、ドアのノックの音がする。
返事をしないうちにドアが開いて、
そこに立っていたのはジャージ姿の彩子だった。
「いきなり失礼。
私、昨日言った通りあんたが嫌い。
でも、杉田君に辛い思いをさせないなら、
認めてあげてもいいわ。
それだけだから。じゃっ」
それだけ言うと、彩子は大きな音を立てて
ドアを閉めるとどこかへ行ってしまった。
そういえば、彩子もプライドが高いんだった。
おまけに、ツンデレ。
でも、ちゃんと好きな人の幸せを願える、
きっと根はいい子。
「あたしもね、彩子と同じだよ。
あたしは別に山内裕太のこと、最初は嫌いではなかったよ。
でも、大切な玲奈を苦しめてる今は、
あいつのこと大嫌いなの。
だから玲奈、本当の幸せを見極めなさい」
なんだか、結婚前の母親の言葉みたい。
いつもは私が姉的存在なのにね。
私の幸せは、どこにあるんだろう。
蓮のところにあるのかは、分からないけど、
これだけは分かる気がする。
このまま、裕太を好きでいても、
私は辛い思いばかりで、きっと報われない。
イチかバチか、賭けて見よう。
私の秘密を全て蓮に話して、
蓮はどんな反応を取ってくれるのか・・・。




