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君と見た花火  作者: 侑子
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第14話

全てのペアが肝だめしを終えたあと、

広場に集合して小規模な花火大会が行われた。


肝試しのペア順に丸く円になって、

その真ん中で先生が火をつけていく。


周りからは歓声が上がる。


近所の花火大会の規模には負けるけれど、

中学の宿泊学習にしては結構贅沢。


そうだ、さっきの肝だめしのときの

お礼、まだ言ってなかったんだった。


「ねぇ、さっきはありがとう、ね」


隣で花火を見ている蓮に、

聞こえるか聞こえないかくらいの声でささやく。


蓮はこっちを向いて、笑ってピースをした。


初めて、誰かの前でちゃんと泣いた。


誰かの前で泣くのは、少し恥ずかしいけど、

すごくすっきりした気分になった。


あの時、先生たちに驚いて、怖くて流した涙だったけど、

今まで辛かったことも、少しだけ一緒に流れた気がした。


「人前で泣くのって結構すっきりするだろ?

 プライド高いのは知ってるけど、

 たまには思いっきり泣いてみろよ」


そうなのかもしれないね。


その時、また少し涙が流れたけれど、

もう隠したりしようとは思わなかった。


みんな花火に夢中だったから、

気がついている人もいなかったのだけれど。


最後に一番大きな花火が上がったとき、

歓声の中で蓮の口から出たのは、告白の言葉だった。


「ありがとう・・・でも、ごめんなさい。

 私は付き合えないの。私にはね・・・」


私の言葉をさえぎって、蓮は秘密があるんだろ、と言った。


なんで知っているのかと思いながらも、私はうなずいた。


「秘密を全て受け止めるなんてカッコイイ事、俺には言えない。

 でも、誰にも言ってなくて辛いんだったら、話せよ。

 解決は出来ないけど、 話を聞く事はできるから」


いきなりの告白はかなりびっくりしたけど、

蓮のその優しさは、心に染み込んだ。


そして、思った。


もう、裕太の事は好きではないんだと。


そして、一番辛いときに隣にいてくれたのが

蓮だったことを、きっと私はずっと忘れない。

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