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君と見た花火  作者: 侑子
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第13話

宿泊学習2日目は山登り。


中2にもなってなんでわざわざ、と

口々に文句を言っていたが、結局みんな楽しんでいた。


私も、昨日のことが気になってはいたけれど

それなりに楽しめていた。


そして長かった登山が終わり、

夕食と入浴のあとはいよいよ肝だめしとなった。


2日目の夜の肝だめしは最後まで意見が割れていた。


一番楽しみにしている人が多く、

一番嫌がっている人も多いイベント。


私は怖い話なんかも大好きだから前者の方。


ルールは男女ペアで片方だけが懐中電灯を持つ。


2人で歩いていって、先生のチェックを受けながら進んでいく。


途中、落ちたら大怪我をするほどの大きな穴があったり、

心霊スポットがあったりして、結構本格的だ。


そして事前に決めてあった男女ペアは、

七海は中澤と、加奈は晃と、そして私は蓮とだ。


懐中電灯は蓮が持つことになった。


「あ~あ・・・なんで皆は好きな人とで幸せそうなのに

 あたしはこんなオバカとなのかな~」


幸せそうな七海に向かって文句を言ってみる。


「いーじゃんいーじゃん。新しい恋、探すんでしょ?」


七海は中澤と手なんか繋ぎながら

イタズラっぽく笑って、順番が来たからと行ってしまった。


七海たちの次が私たちで、出発は5分ごと。


「言っておくけど、あたしめっちゃ方向音痴だから。

 あたしの言う方向って大体間違ってるから、

 信じない方がいいよ。

 あと、怖がりだから置いていかないでね」


私がそう言ったちょうどその時、先生が出発の合図をした。


けれど思った以上に道は暗く、

街灯なんかひとつもない真っ暗な世界。


おまけに脅かしてくる先生たちは

みんな気合が入っていて本格的。


いつもは怪談大好きキャラで通していた私だけど、

あまりの恐怖に泣いてしまった。


「ほら、もう泣くなよ。

 こんな中学の肝だめしくらいで」


あまりの怖さに腰が抜けた私に、

蓮は少し戸惑ったように手を差し伸べた。


私がなに?と聞くと、早くつかまれと蓮は言った。


「あり・・・がと」


涙を拭きながら、差し出された手に

そっと触れると、蓮は手を引っ張って私を立ち上がらせた。


その手は意外に大きくて、暖かかった。


それに、今気がついたことだったけど、

懐中電灯はずっと私の足元を照らしている。


出発する前は、わざと私の目に懐中電灯を向けて

「目くらませ!!」とか言ってふざけてたのに。


意外と、頼りになるところあるんだな。


小さく、声にならないくらいの声でつぶやいてみた。


「ん?なんか言った?」


「ん~ん、なんでもない。

 もうすぐホテルだよ」


そう言ってごまかした私の頭の中にふとよぎった考え。


もし蓮に恋していたら、辛い思いしなくてよかったのかも。


蓮や中澤みたいな人なら、

私の秘密を知ってもちゃんと受け止めてくれるんじゃないかな。


その時、裕太を好きになったことを、

心の底から後悔した。

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