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君と見た花火  作者: 侑子
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第12話

「ただいま、七海」


ジュースを飲んで少しした後、

やっぱり楽しんでいる気分にはなれなくて、

1人で部屋に戻ることにした。


部屋に戻ると七海はしたいほうだい。


お菓子は食べ散らかし、

洋服もそこらじゅうに散らばっていて、

綺麗だったはずの部屋がそれはもうひどい状態。


「あ、ごめんごめん。

 今すぐ片付けるから許して!」


いつもならだらしない七海を叱って

片付けさせるのが私の役目だけど、今はそんな気分じゃない。


「ねえ、正直に気持ちを伝えて傷つけるのと、

 傷つけないように嘘つくの。

 された方はどっちのが辛いんだろうね」


様子がおかしい理由を七海に問われた私は、

意味の分からない質問をする。


「あ・・・え?どっちだろうね・・・え?」


わけのわからない七海は混乱して言葉に詰まる。


私は加奈の恋を応援したいだけだったのに、

振る言葉のアドバイスをするなんて・・・。


「私ちょっと外の風に当たってくる」


もう就寝時間を過ぎるよ、という七海の忠告を背に、

私はロビーのベランダへ走っていった。


私って、ホントに友達がい無いなあ・・・。


でも、私ってどっちを選べばよかったんだろう。


好きな人に好きになってもらえない辛さは、

身をもってこれ以上ない程知っている。


でも、だからと言って嘘をつかれてまで好きって言われても、

本当の気持ちが分かったときに傷つくのは加奈。


「あれ?玲奈ちゃん。こんな所でどうしたの?

 っていうか、泣いてるの・・・?」


後ろから加奈特有のほんわかした声が聞こえて、

私は急いで涙を手でぬぐった。


「あたし、振られちゃった。女に興味ないからって・・・。

 でも、後悔はしてない。告白した勇気はホンモノだし。

 それに、きっとすぐ新しい恋、見つかるから。

 協力してくれて、ありがとうね」


そう言って作り笑いを浮かべながら

部屋に戻っていった加奈とすれ違いに、

ある女の子が怖い顔をしながら近寄ってきた。


「あたし、あんたなんか大嫌いよっ」


歩み寄ってきたその子は、同じクラスの西岡彩子。


彩子とは仲良くなった覚えはないけれど、

嫌われるような思いをした覚えもない。


彩子はその一言だけ言うと、

部屋に向かって颯爽と階段を登っていった。


「あ、鈴木・・・今の気にしなくていいから!

 ・・・ってか、何?お前泣いてんの?」


彩子の来たほうから走ってきたのは蓮だった。


本当に意味の分からない順番で来る。


最初に来た加奈には感謝をされて、

次に来た彩子には嫌いと宣言されて、

最後に来た蓮にはなんか慰められて・・・。


でも、とりあえず泣いてるなんていったら、

迷惑をかけるし困らせてしまう。


「あたしが泣いてるわけないじゃん。

 じゃ、おやすみ。あんたも早く寝なよ」

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