第10話
その後私たちは食堂へ向かい、
いつもと同じ席順で夕食をとった。
夜の洋服は自由と言うことで、
ほとんどの生徒が私服や自分のジャージ。
なんだか新鮮な印象だった。
まあ、私は荷物が多くなって大変だからと
黒がベースのシンプルなジャージしか
持ってきていなかったけれど。
「ねえ、玲奈ちゃん。
夕食終わった後の自由時間、暇?
暇だったら一緒に体育館見に行こうよ」
そう言って声をかけてきたのは、
同じクラスの峯川加奈。
加奈はバスケ部の川口晃が好きという噂がある。
そして、夕食後の自由時間、
体育館の半分でバスケ部が自主練習をしていて、
邪魔をしないならもう半分を使ったり、
自由に見学をしたりすることもできる。
多分、見学が目当てだ。
「私ね、さっき手紙渡したの。
でも、まだ返事貰ってなくて・・・
考えてみたら、バスケ部って普段見れないじゃん?
だから、お願い!なんなら七海ちゃんも!!」
私は別に仕事はないからOKしたが、
七海はゆっくり寝ると言ってパスした。
多分、七海の言ってた告白する女子の1人が
加奈で間違いないと思う。
「ありがとう!
じゃあ、食べ終わったら一緒に行こうね」
加奈は楽しそうに自分の席へ帰っていった。
「なに、練習見にくんの?」
隣の席でもう半分以上食べ終わっている蓮が言った。
そういや蓮もバスケ部だった。
多分、今の会話を聞かれていたはずだから、
隠しても仕方ないよね。
それに、バスケ部情報網とやらもあるみたいだし。
「ふ~ん。ま、関係ないけど。
飛んできたボールにぶつかるなよ」
またからかわれた。
まあ、運動神経が絶望的な私だから、
あんまり早いと避けきれないけど。
バスケくらいだったらギリギリ避けられるでしょ。
「体育館の外、寒いらしいから
なんかジャージの中に着て来いよ。
さっきも雨で濡れてたみたいだし、
こんなところで風邪ひかれたら
班長のオレが迷惑するんだっつーの」
どこがどう班長に迷惑なのかは分からないけど・・・。
あいにく雨にぬれるのはなれてるから、
そんな小さいことで風邪ひいたりなんかしない。
「ああ、そうですか。
なんとかは風邪ひかないってね」
「蓮のバカ!!」
心配、してくれてたのかな。
まあ、単純に遊ばれた気もするけど。
加奈の恋が、上手くいきますように。




