第1話
「ねえ、玲奈の好きな人って誰?」
またきた。今流行の恋バナ。
「へへ、内緒だよ~だ」
私はイタズラっぽく笑ってごまかす。
最近、給食の時間になると毎日のように
前の席の大川七海がその話題を持ってくる。
「ねえ、玲奈のことなんだから、
同じクラスの人なんでしょー?」
七海とは仲良くなって間もないのに、
もうそんなことまで見透かされている。
七海と仲良くなったのは、出会ってから
1年が過ぎるか過ぎないかくらいだった。
私は最初、七海のことが苦手で、
七海もまたそうだったらしい。
私は何故だか苦手意識をもたれることが多い。
第一印象は必ずと言っていいほど大人しいといわれる。
人見知りな性格だからだろうか、
自分から話しかける事はできず、
また友達から話しかけられてもうまく話せない。
だから、仲良くなるまでには
かなり時間がかかってしまうのだ。
七海に関してもそうで、
七海には私も苦手意識を持っていた。
女の子らしさを求めて努力している私に対し、
七海はどこまでもボーイッシュを求めていたから。
結局中1で出会って、仲良くなったのは
中1の2月くらいだった。
「ねえ、ウチも教えるからさ~。
お願いだから教えてよ!」
毎日そんなやりとりをしているけれど、
七海の好きな人は噂で知っているから、
結局逃げ切れている。
「や~だよ。
七海の好きな人知ってるし」
そう、七海の言うとおり好きな人は同じクラス。
でも、もう告白してるし、振られてるし。
わざわざ教える必要もないかなってね。




