人の恋路を邪魔する者は馬に蹴られる?
ノアは、トゥルリー先生にカミングアウトして肩の荷が少し軽くなった気がしていた。
授業後、いつものように図書館で魔術書や魔導書を読んで勉強をしてから、魔導士クラス寮「リ・ジェルス館」に戻って夕食を終えてから浴場でのんびり湯に浸かった。
帝国神聖大学は授業料も全て無料な上に寮費も食費も全て無料。
ノアにとってさらに有難かったのは、寮の中に大浴場かあり、朝晩好きな時間に入れることだった。
地球の現代日本から転移して来たノアにとって、毎日風呂に入れることは非常に嬉しく有難かった。
しかも、ここのお湯は温泉らしく、湯に浸かっていると体の疲れがとれるようだった。
今日も、気持ちよく湯に浸かり自室に戻り、窓を開けて夜空を見上げてみた。
相変わらず、夜空にはふたつの月が輝いている。
そんな夜空を見るたびに、ここは地球では無いんだなと実感させられる。
「もう、地球には戻れないのかなぁ」
と、つぶやきながら夜空を眺めていると、遠くから鳥のようなそれにしては少し大きいような生き物がノアに向かって飛んできた。
「えっ?」
と、その生き物を驚いて見ているとその不思議な鳥のような生き物は、ノアの部屋の窓に止まった。
先程までは、もっと大きかったはずなのにいつの間に、窓辺に止まるのにはちょうど良い大きさになったその生き物は竜だった。
リゲル・ラナに来てからノアも地球には存在しない変わった生き物や、様々な魔物を目にして来た。
しかし、竜なんて伝説の生き物であり、生で出会えるとは思ってもみなかったので、ちょっと驚いて後ずさりしてまった。
でも、その竜は、窓辺にちょこんと座るように止まり、ノアに向かってペコリとお辞儀をした。
そして、ノアに一通の手紙を差し出した。
ノアが恐る恐る竜に近寄って、そっとその手紙を受け取ると竜は、再びペコリと一礼して闇の夜空に飛び立っていた。
竜は、飛び立つと同時に巨大化してバサバサと音を立てて飛び去って行った。
ノアは、その後姿を見つめながらしばらくポケっとしていたが、我に返って手紙の差出人を見た。
それは、ポリアンナからだった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
= 帝国神聖力術士養成大学 =
Holy Mage・White Mageクラス側キャンパス
リリアーナ、アイラ、ポリアンナの三人が談話室に集まっていた。
「ポリーちゃん、最近なかなか会えないね」
「そうなのよ、リリアちゃん。私はHoly Mage《 マギ 》クラスは、優秀な人ばかりで色々なことが出来るのに、私が皆さんと同じくらい出来るのはヒーリング術と剣術くらいしかないから追いつくのが大変なのよ。それに、トロア文字とマジュ文字がごっちゃで、覚え直しているところなの」
そういうポリアンナの言葉を不思議に思ったリリアーナが尋ねた。
「あら、ポリーちゃん達Holy Mageの人は魔導書なんて無くても神聖力で同じくらいの事はできちゃうからマジュ文字なんて知らなくても大丈夫なのではないの?」
白魔術とHoly Mageの神聖力を使った術は力の源が別だが、同じことが出来る。
しかし、その両方の力を合わせることで、最大の効果を得ることが出来るのである。
「リリアちゃん、それはそうなんだけれど、神聖力だけに頼らず白魔術との合わせ技が最強らしいので、頑張れとお祖父さまからも言われちゃってね」
「それは大変ね」
と、アイラとリリアーナが声を合わせて言うと
「それにね…」
と、ポリアンナはちょっとだけ頬を赤らめたように見えた。
「私の少し前に入学したノア君が、もうトロア文字もマジュ文字も習得したと聞いて、子供の頃から学んでたのに恥ずかしいなって思ったの」
と、そんなことを恥ずかしがるポリアンナを可愛いなと思うリリアーナに対して、感の良いアイラは、ははぁ~んと思っていた。
ちらっと人の心の機微に疎いリリアーナは、本当に恥ずかしがっているのだと思って
「私も、トロア文字はマスターしたけれど、マジュ文字はまだ完璧じゃないわ。ポリーちゃん一緒に頑張ろう」
と、言った。
「ありがとうリリアちゃん」
ポリアンナも素直にお礼を言った。
そんなポリアンナを見ていたアイラが言った。
「ポリーちゃん、ノア君と何か約束したの?」
と、恋愛探偵に変身して言った。
「えっ?何にも約束してないよ。どうして?」
と、ちょっとドギマギするポリアンナ。
「あれから、ふたりだけで何を話したの?」
と、アイラの調査が始まった。
「ノア君、Holy Mageクラスに入りたいからって頑張ってお勉強しているんだって。だから、応援するね。とは言ったけど」
と、アイラの追求に動揺を隠しきれないポリアンナ。
「え~、それたけ?」
と、アイラ探偵は含み笑いをしながら言った。
しかし、そこに鈍感なリリアーナの
「Holy Mageクラスになれば、ノア君も毎日会えるようになるね!楽しみだな」
という呑気な言葉で、ポリアンナの動揺もアイラ探偵の追求心も、一旦クールダウン。
空気の読めない女子のこういう一言で一気に場の空気が変わるものである。
「そうよ~、特に他には何も話さなかったよ」
と、リリアーナの一言で助かったというように愛想笑いで答えるポリアンナ。
そこで、親友の恋路を応援したいアイラは一計を案じた。
「ねぇ、ポリーちゃん!みんなでノア君にお手紙書こうよ!」
「お手紙?」
突然のアイラの提案にちょっと驚くポリアンナとリリアーナ。
だいたい女子のグループの中には、自分のことは消極的になりがちでも、他人のことになると俄然積極的になる者がいるものである。
アイラは、まさにこのタイプらしい。
決して、彼女には悪気はなく、勝手にポリアンナとノアが噂に聞く「ツインレイ」というものでは無いかという思い込みで、世話焼き心に火がついただけなのである。
「うん!ポリーちゃんは、この前のお礼を書いて!私とリリアちゃんは、Holy Mageクラスで待ってるから、頑張ってね!って書くわ」
「それは良いね!ポリーちゃん書きましょうよ」
「でも、お手紙を書いてもどうやって届けるの?棘竜便に頼むの?なんか、お祖父さまにバレそうで恥ずかしいわ」
と、相変わらずもじもじしているポリアンナに対してアイラが言った。
「お手紙は、ポリーちゃんのクロエに頼めば良いんじゃない?」
クロエとは、ポリアンナの使徒の竜のことである。
まだ、若い竜でありポリアンナの神聖力が弱いので人間への化身は出来ないが、体のサイズを自由に変えることができる。
「そっか!クロエにお願いすればいいのね」
そして、アイラはポリアンナには聞こえないようにそっと囁いて言った。
「人の恋路を邪魔する者は馬に蹴られる!って言うらしいの。私たちはポリアンナちゃんとノア君を応援しましょうね」
こういう事に鈍感なリリアーナも流石にピンと来て言った。
「ええ、応援しましょう」
そう言いながら、ふとアランの事を思い出していた。
アラン様は相変わらず忙しくしていらして、あれから一度もお目に掛かれていない。
私もアラン様にお手紙を書こうかしら?
そんな事を思うリリアーナであった。
リリアーナも淡い恋い心を抱く乙女なのである。
しかし、相手は皇帝一族の帝国の最公権力者のひとりで、しかも235歳。
リゲル・ラナの伯爵令嬢のポリアンナと異星人の平民ノアの間にある溝よりも、深い深い溝があるのである。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
こうして、その翌日ノアの元に三人のお嬢様方からのお手紙が届いた。
リリアーナとアイラからは、先日のレイマーシャロル地区のマルシェの案内をしてくれた事に対するお礼と、White Mageクラスで待っているので、お勉強頑張って下さい、という励ましの内容の手紙。
ポリアンナからは、先日のレイマーシャロル地区でのしつこいピートから救ってくれたこと、マルシェの案内をしてくれて楽しかったこと、帰りに馬で送って貰ったことへのお礼が書かれていた。
そして、ノアの胸に刺さったポリアンナの手紙の一文は
「初めて会ったのに、なぜか昔から知っていたような気がした」だった。
なぜなら、ノアも全く同じことを思ったからだ。
しかし、彼女は知らないが、俺はこの星の人間じゃない。
以前どこかで会っているどころか本来なら正真正銘、住む世界の違う者同士なのだから。
そして、自分は彼女に近づいては行けない。
今は、会いたい気持ちを押し殺すのが彼女への誠意だと思った。
もし、この気持ちが恋ならば、ノアにとっては初恋になる。
恋とは、なんて苦しいのだろうか。
ノアは、そんな気持ちも頭から叩き出して、今はとにかく能力を身に付けて黒魔術師やBlack Mageに対抗できる力を身に付けなければと思っていた。
さて、ノアから驚きの情報を聞き込んだトゥルリーは、急ぎアランに連絡をとった。
もちろん、この情報を一刻も早くアランの耳に入れておかねばと思ったからだ。
そして、宮殿に登城してアレクサンドル皇帝に報告した。
皇帝は、その報告に驚いてはいたが、予期していた部分もあったのか慌てずに言った。
「トゥルリー大佐。ご苦労であった。貴重な情報をいち早く伝えてくれて感謝する。それで、そなたのことだ、親友のアランにも連絡はしたのだろう?」
「はい陛下。アランにも報告致しました」
アレクサンドル皇帝は、うんうんと頷いて言った。
「この件に関しては、アランに動いて貰わねばならなくなりそうだ」
「そなたもアランの力になって貰えるか?」
トゥルリーは、間を置かずに即座に答えた。
「もちろんです」
すると、皇帝は腕組みをして目を閉じてしばらく黙っていた。
何かを少し迷っているようにも思えた。
そして、静かに目を開くと、トゥルリーの目を見つめて言った。
「これはアラン本人には告げてはおらんのだが…」
「アランには帝国の未来を左右するような事態が降りかかる」
「それは何をどうしても避けることは出来ない。だが、アランなら必ず成し遂げてくれる…と、私は信じている」
「だから、そなたもアランの力になってやってく欲しい」
帝国の危機を何度も予知し、救って来たアレクサンドル皇帝の言葉には重みがあった。
アランは皇帝の甥でもある。
身内に危険が迫っているのなら事前に知らせて守りたいと思うものだ。
なのに、なぜアラン本人に警告しないのだろう?
そう思いながらトゥルリーが皇帝に尋ねた。
「もちろんです陛下。私の心は帝国とアランと共にあります。それは陛下の予知なのですか?」
トゥルリーの質問に皇帝は答えて言った。
「そうだ。もう、随分前に予知をした」
「この事をアランに知らせるべきかさんざん迷った」
「そして、これを本人に告げることはアランにとって迷いの原因になると思い私は口を閉ざしていたのだ」
「未来は、今の行動次第で変えられるものの方が多い。しかし今回はそうでは無い」
「世界の流れに逆らうことは出ないのだ」
アレクサンドル皇帝の話を聞きながら、アランが自分とシオン、マリアに自分の迷いを打ち明けて来た時のことを思い出していた
あの時のアランの耳に、この陛下の予知が入っていたとしたら、どんなに彼の迷いが大きくなっていたことだろと思った。
そして、皇帝の判断は正しいと思った。
この皇帝の発言に戸惑いながらもトゥルリーは、自分の役目を確かめるように尋ねた。
「恐れながら陛下」
「アラン本人にも言えないようなことを、なぜ私のような者に打ち明けて下さるのですか?」
皇帝は少し間を置いてから思い切ったように言った。
「それは、お前がアランの信頼する友であり、家臣でもあるのはもちろんだが…、」
「アランの運命にトゥルリー・アンソニー・イエローバレー大佐」
「そなたも大きく関わることになるからだ」
トゥルリーは、その皇帝の言葉に驚きもせず答えた。
「それは私の望むところです。アランと、この帝国に私の魂を捧げます」
「それがこの国のHoly Mageとして生まれた意義と心得ております」
皇帝は、トゥルリー大佐の決意を有難く受け止めたて言った。
「アランとこの帝国を頼んだぞ、トゥルリー大佐!」
「御意!!」
トゥルリーは、軍人でありながらも今は帝国神聖力術士養成大学の教師として働いている。
しかし、いよいよ自分も帝国軍の騎士としての役割が与えられる未来があると聞き武者震をした。
彼のHoly Mageの魂は、より重い役割を与えられれば与えられるほど燃えるのであった。
その頃アランは、ウィリアム皇太子と手分けして、各地の港を見て回っていた。
Black Mageとその一味の帝国への入国を阻止すべく、帝国に入国する船と人の監視を強化させた。
また、運搬船を狙う海賊も増えているとのことなので、海賊出没の多い海域への監視船の巡回を増やし、近くの港に軍艦を配備した。
陸路での入国に関しては、主要な街道だけでなく街へ繋がる道の要所に関を置いた。
そんな中、アランの元にウィリアム皇太子の使徒のローガンが「すぐに宮廷へ戻るように」との伝言を届けに来た。
ウィリアム皇太子の使徒のローガンを直接よこす時は、急を要する時だと知っていたので、取り急ぎ帝都のルデ・トロア宮殿へ戻った。
宮殿に戻ると、皇太子の執務室には一足先に宮殿に戻っていたウィリアム皇太子とトゥルリー大佐が待っていた。
「アラン公爵閣下、お疲れ様です」
トゥルリーは、にこやかな笑顔でアランを迎えた。
皇帝に呼び戻され一足早く宮殿に戻っていたウィリアムも
「アラン、急に呼び戻してすまない。まぁ座って休んでくれ」
と、アランの疲れを気遣った。
確かに、ローガンから伝言を聞いて休まず宮廷へ戻って来たアランだったが、少しの疲れも見せなかった。
トゥルリーとウィリアムもアランと同じHoly Mageではあるが、アランは彼らよりも遥かに優れた神聖力を持っていた。
「いや、大丈夫です。早速お話を致しましょう」
と、アランは休むことなく話を聞こうとした。
1000年もの寿命があるHoly Mageなのだから、そうせっかちになる必要も無いと思うが、時の流れは待ってくれないのである。
一瞬一瞬が瞬きしている間に過去になってしまう。
その時の流れに乗っても事件は起きてしまうので、ゆっくりしていると好機を逃してしまう。
それは、寿命が短かろうと長かろうと等しく、チャンスの女神は前髪しか無いのである。
トゥルリーはノアから話を聞いてすぐ軍の最高司令官であるアランと、アレクサンドル皇帝に報告をした。
トゥルリーからの報告を受けた皇帝は、すぐに息子のウィリアム皇太子の呼び戻し今後の対応を話し合った結果、やはり、これは軍の最高司令官であるアランに任せるべきだろうと言うことになった。
トゥルリーからの連絡を受けていたアランにも、ウィリアム皇太子の呼び出し内容にある程度予想がついていた。
「アラン、いつもいつも君に負担ばかり背負わせてすまない。トゥルリーからの連絡で、君もだいだいの事は把握していると思うが、アランと私で情報と認識を一致させておきたい。そのうえで対策を講ぜねばと急ぎ来て貰った」
と、ウィリウム殿下も一時でも早く手を打つべき事態であるという認識だった。
「はい。これは殿下の予知にも繋がることですし、我々が知りたかった情報が全て含まれてますからね。殿下から予知された事を伺った日から今日まで私がして来た事も、ここに繋がっていたようです」
と、アランも皇太子の気持ちはよく理解していた。
「しかも、我々の対策は後手に回っていたようですし、ここからは巻き返して行かなければなりません」
と、アランが忌々しそうに言うと
「そうなんだ。我々が陸路だけでなく海からの侵入に警戒しなければと対策を講じだした頃には既にBlack Mageや黒魔術師達が、帝国に侵入して来ていたらしい」
ウィリアム皇太子も悔しそうに言った。
「そのノアという生徒もパドラルから船で帝都に来たとの話だが…」
と、アランがトゥルリーの方を見た。
「そうなんです。御前会議で港と海の監視強化が決まる一年前、既に船で帝都に来ていたとのことです」
と、トゥルリーが答えると、アランと皇太子は声を揃えて言った。
「そんなに前だったか!」
「ノアという少年は、地球という異星からこの星のパドラルに転移して来たというのだな?私の予知は、その事だったのだろうか?しかも『時の扉』は、パドラルで開いたということだな?」
と、アレクサンドルは自分の予知が誤ったのでは無いかと不安になっていた。
するとアランが
「いえ殿下、殿下の予知はこれからの事なのかもしれません」
と、言った。
アランの言葉に続いてトゥルリーが付け加えるように言った。
「ノアによると、彼がこの星に現れたのは、去年の初めの頃らしいです。殿下の予知は、その一年後のことだと閣下から伺っております」
「そうか、なぜ私も皇帝陛下もその時点で予知できなかったのだろうか?」
と、ウィリアム皇太子は、少し落ち込んでいた。
すると皇太子の従兄でもあるアランが言った。
「きっと、パドラルに開いた『時の扉』も、その少年がこの星への転移も、スチュアートリア帝国にとっての脅威では無かったからでしょう」
と、ウィリウムの肩に手を置いて軽くポンポンと慰めるように肩を叩いた。
そして、続けてアランが言った。
「殿下の予知は、きっと帝国の脅威になることだったのだと思います。その鍵はノアという少年が握っているように思います」
そして、トゥルリー大佐に向かって言った。
「トゥルリー、私を彼に会わせてくれないか?」
「ああ、俺も彼に直接会って話して欲しいと思って彼にもそう話してある。しかも、彼もお前に会うのを楽しみにしている」
トゥルリー大佐は、もちろんその準備はできているとばかりに答えた。
「以前、私は彼に会ったことがあるのかな?」
アランは、記憶を辿ってみたが心当たりはなかった。
「以前、レイマーシャロル地区で倒れた馬車の中の女性の怪我の痛みを癒したことはなかったか?」
「ああ、そんなことがあったかもしれない」
「その時に、たまたま通りかかった彼が見ていたらしい」
アランは、その時の記憶を引き出してた。
「そうか、馬車の中だから誰も見ていないかった思ったが、見られていたのか」
「馬上から見ていたらしい。まぁ、別にそれくらい見られても、お前なら問題ないからな。それ、きっかけで白魔術を身に付けたいと思って、帝国神聖大学を受験したそうだ」
ふたりの話を聞いていたウィリアム皇太子が、何かに気づいたように言った。
「アランとその少年は出会うべくして出会っているのかもしれない。そして、君たちがこの帝国の未来を左右するのだと思う。彼は、その為にこの星に現れたのかもしれない」
「それは、殿下の予知の補足ですか?」
と、アランが笑顔で尋ねた。
「かもしれん。是非、私の予知の真相を確かめて来てくれ、アラン」
「わかりました。取り急ぎすぐにでも彼に会わせてくれないか?トゥルリー」
皇太子の願いに応えるべくアランは、トゥルリーにノアと会う機会を作るように頼んだ。
こうして、ついにノアは憧れのアラン・クレオ・ハイデルベルト・レッドリオン公爵と会うこととなった。




