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第十一話 魔族の誘惑

俺の目の前で惚けている少女のラウラ。

彼女はどうやら魔族らしい。


「ラウラ、君はもしかして魔族なのか?」


俺の問に対して一瞬驚いた後、俯いていた彼女は飛び上がり距離を取った。


「チッ気づいたか……。そうだよ、黙ってて悪かったなぁ」


口調が変わるラウラ。

俺としては魔族が何なのかまだ分からないが、彼女が俺に対して不都合な事をやろうとしたのは何となく分かる。


「上手く隠していたものだ。我が直前に気付かなければアキリは殺されていたところだぞ」


「クレイ、出て来きたのか?」


「見ての通りだ。そなたに危機感がないから危なっかしくてな」


俺との融合を解除して横に並ぶクレイ。

やれやれと言った表情で話を続けた。 


「こいつが商人をやっているのは事実だろう。話の大筋も嘘じゃない。しかしこいつはたまたま此処にいた訳ではないぞ」


「つまり、どういう事だ?」


「魔族は魔力に敏感なんだ。おいお前、我らの強力な魔力を感じて近付いてきたのだな?」


「ハハハッ、お見通しって訳かよ」


「最近、魔族の間で流行っているんだ。人間の騙し討ちがな」


「騙し討ち?」


「何らかの形で人間に近付き、殺した上で相手の能力を奪うらしいぞ。我も直接見たのは今回が初めてだが、肉体接触による契約魔法の一種を使うのだな……」


「男も女も性欲には弱いからな。うまくちょろまかして能力譲渡の契約をしちまえば後は適当に殺して終わりだよ!ハハハッ!」


「なんだって!?」


「なのに、さっきのとんでもない強さは雑魚のお兄さんじゃなくて、そっちのお姉さんの物っぽいし、実際奪う物も無かったわな」


どうやらラウラは悪い魔族だったみたいだ。

俺は彼女を許せないと思う。

だけど……


「どうするアキリ?」


「そうだな。ここは俺に任せて欲しい」


「お兄さんがウチの相手をするの〜?

キャハハ、強いのはそっちのお姉さんであんたは雑魚だろぉ?ウチの事舐めてんのか!」


「ああ、そうとも。舐めたりないくらいだ。俺の半身を弄んだ罪、お前の体で償ってもらうからな!」


「ハハハッ!来いよ雑魚?」


俺は背中の剣を抜き構えた。

ラウラはどこから出したか短剣を両手に構えている。


「本気でいくぞ……」


自分の出せる最速の踏み込みで距離を詰める。

後ろか前か、ラウラはどう出る?


ラウラは横に飛んだ。

俺はそれを見て踏み込みを静止、冷静に軸足を回転させ相手が正面に来るようにする。


「ウチの攻撃を捌けるかなノロマが〜!」


ラウラの短剣から魔力の斬撃が放たれた。

二つの魔弾を俺は横に薙ぐようにして剣で振り払う。

俺の剣は骸骨の闇種やしゅが使ったような瘴気を纏っていた。


「なっ!?その力……」


「気付かなかったか?お前も戦闘を見ていたんだろう、あの骸骨と俺が戦うのを」


「それが何だってんだよ、何でお前が魔物の力を使ってんだ!?」


「俺はあいつに腹を貫かれて一度瀕死になっている。その時に残った瘴気の残滓を偶然、俺は模倣出来たみたいなんだ」


「恐らく魔装形態になった影響であるな。そなたの体に付着した瘴気を取り除く時に構成要素を解明し、己が物としたのであろう。狙っても難しい物を手に入れられたのは僥倖だぞ」


「俺にもなくとなくだが出せるって感じがしたんだよ。俺の極小の魔力量だと少ししか使えないがラウラ相手なら不足はないぜ!」


始めに感じたのは瘴気のイメージだった。体を蝕む事もなく俺と共存している感覚……

それが俺の魔力で形成されているのを知ったとき自分にも瘴気が使えると確信を得た。

これは俺のスキルだ。


魔力温存の為に剣に纏わせた瘴気を解く。

これを当てれば一撃でラウラは倒れるだろう。


「今のは闇種やしゅ三段階目、暴走状態の瘴気を模倣した物だ。出力は足りていないが威力は抜群だろう、君は俺に勝てるか?」


「ふっざけんな!舐めた力使いやがって、どうせ虚仮威しだろ。今からそれを証明してやる!」


ラウラが上着を脱ぎ、チューブトップ的な物を胸に付けているのが見える。

上着で分かりづらかったが彼女も巨乳だった。唐突な不意打ちに俺の半身が全開状態に2.5秒で到達する。

スーパーカーも顔負けの加速力だ。

性癖に刺さり過ぎるラウラの体型は戦闘状態であっても俺を発情させた。


「それが作戦か!?この期に及んでお色気だよりとはたかが知れるな!」


「ちげーよ!あんたが買ってに興奮しているだけだろクソ変態!」


しかし、俺の半身を見たときラウラも動揺していたのを見逃さなかった。

彼女も間違いなく発情している。

だから俺は提案をした。


「ラウラ、今なら遅くない!君、俺のペットになれ」


「はぁ!?何いってんの、雑魚の癖に勘違いすんな!」


「君さっきよりも、今の攻撃的な性格の方がエロくて可愛いんだよね。俺、君が欲しいんだわ!」


「舐めんな、じゃあ何でペットなんだよ!」


「俺の嫁はクレイだから君はペットで我慢してくれ。これ以上譲歩出来ない!」


「おい、アキリ。我はいつからそなたの嫁になったのだ」


「あぁ、もう死ねよ!あんた今すぐ殺すかんな!」


「来るなら来い!俺もう我慢できねぇよ!」


ラウラが消える……目に見えない程の加速だ。

俺が出来る手はただ一つ最大出力で全身から瘴気を出しつつ後退。相手の攻撃の威力を最大まで落とす。

殺気の籠もった意思が後ろから届く。

背後を取られている!まずいバックステップで下がっている体勢だと上手く捌けない。

はぁ、使いたくないけど仕方ないからアレ使うか……


俺は剣を持ってない左手を後ろに回す。その手から瘴気の波動を打ち出した。


「がぁっ!」


ラウラが吹き飛び倒れる音がする。死んでないといいけど……


「無事かラウラ?」


俺は倒れ込むラウラに近付く。


「かぁっかぁっは……クソ野郎、卑怯だぞ……」


涙目で腹を抑えた彼女に最後の一撃を加える。

剣先をラウラの肌に当てた。


「俺はこんな事も出来るんだよ……吸収開始」


「まさかそなたまで魔力を吸収出来るようになっていたのか?」


「クレイもか?俺達は魔装した影響で二人共魔力吸収が出来るようになったみたいだな」


「生かしておきたいなら少しは残しておけ。魔族は魔力が無いと死ぬぞ?」


「了解だクレイ、助かる」


「クソッ!この糞がぁー!」


ラウラが弱々しく叫ぶ。

その後、気絶した彼女を見て俺の半身も自然と落ち着いていた。

今は安らかに眠れ。起きたときには君をペットにしてみせる。




《この度は【クレイモア戦記】を読んでいただき誠に有難うございます。


続きを読みたいと思われましたら評価やブックマークをして頂けると大変ありがたいです。


また、ご感想やご意見なども気兼ねなくお書き下さい。


作品の質を向上出来るよう努めて参ります


投稿時間は出来るだけ安定させたいと思っています。


応えられるかは分かりませんが、ご希望の時間などがございましたら感想ぺージ等に書いて頂ければ参考にさせていただきます。


現状では朝の5時〜6時が良いのかなと判断しております。


連日更新の時間が予定より大幅におくれてしまい大変申し訳ございません。


作者の実力不足によるものですので反省し努力して参りたいと思います》



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