異聞編 其の一
異聞編は今のところ本編とは関係ない形で書いています。本編よりも刺激があるように差別化出来ればいいなと考えています。
主人公ってのは主人公として最初から産まれるのだろうか?
「ここってもしかして迷宮ってやつなのか」
僕の名前は早坂雪音。
多分僕は物語でしか見たことない状況に陥っている。
つまり異世界転移をしたっぽい。
「って、何で僕、裸なんだぁ〜!」
飛び跳ねるように立ち上がった僕は思わず手で前を隠す。こんなとこ他の人に見つかったら恥ずかしくて生きていけないよ。
硬い地べたに寝てたから何か体があちこち痛いし、寝起きでカチコチだし……
「やっほー、何してるの?」
びくっ!嘘でしょ、誰かいるんだけど……
ていうか女子の声なんだけど、ビクッビクッ……
女子の顔が気になった僕は勇気を出して声がする方に振り返る。
そこにいたのは夏制服を着た艷やかな黒髪の美少女だった。
うわっ!めっちゃかわいい…、同じクラスの増田さんだ!
「おっす〜!ねぇ早坂君なんで裸なの?、もしかして裸になりたいくらい暑かったとかw」
「いや、暑いとかじゃなくて……」
「冗談だよ〜w、暑いからって服脱いじゃうなんて変態じゃん」
いや、恥ずかしさからか体全身が熱い。もう最悪だよ。
何でよりによって早坂さんに裸を見られるんだ。
「ていうか、どーした。さっきからもじもじしちゃって可愛いw」
「いや、これは……しょうがないだろ」
「まさか服無いの?あたしので良ければ貸したげよっか?」
「えぇっ!」
いきなりそんな事言われたらビックリするじゃないか。
「んじゃ、ちょっと待っててね……」
ワイシャツのボタンを外し始める増田さん。
取り敢えず様子を見てみるか、僕がお願いした訳じゃないし……
ていうかめっちゃ巨乳なんだけど!?いったい何カップなんだろう?
ワイシャツを脱いだ増田さんの柄物のブラジャーが目に入る。
えぇ……でっかぁ。
女子の下着なんて初めて見たし、こんな巨乳なのとかやばすぎるよ。
「へへーん、あたしのでかいっしよ」
「……ハァ……そう、だね」
「ねぇ、女の子のおっぱい見るの初めて?」
はにかみながらスカートに手を掛ける暮井さん……。
前屈みになったから胸が左右に揺れてる。
ウッ!ハァハァ……。
「ねぇ早坂君、見過ぎ〜。目が血走ってんじゃんw」
「ご、ごめんなさい」
クソッ、うざいから目を反らしとくか。
「すぐ謝るし、情けな〜w」
何だこいつ、馬鹿にしやがって。このクソ女が!どうせこんな奴何も考えてないんだ。馬鹿な彼氏とエッチするしか頭にないくせに。
「い、いいって別に服なんて……そういうの彼氏が怒るんじゃない?」
「えっ彼氏?わたし彼氏いないよ。ていうか出来た事ないしw」
「えぇ、そうは見えないな?」
え、マジ?めっちゃ性格良いじゃん!
やっべ何か興奮してきた。
彼氏いない+僕に優しい異性+下着姿を見せる=僕の彼女になりたい?
答えでちゃったよ!やっべマジかw
「まぁ嘘だけど、わたし彼氏いるしw」
「そうだよね、あはは……」
何だこいつマジで性格悪いな、上げてから落とすなよ。
「ねぇ、嫉妬した?大丈夫だよ〜早坂君。わたし彼氏は本当にいないから」
「ど、どっちだよぉw」
僕をからかいやがって、変な女だなぁw
「よし、取り敢えず脱いだけど、早坂君、わたしが下着姿だからってジロジロ見ちゃ駄目だよ!」
「分かってるよw」
しっかりと目に焼き付けてやるからな。
「ってアレ!?」
増田さんが……
「誰もいないんだけど……」
この迷宮一本道だから居なくなったらおかしいよね?
「増田さーん、どこいったのー?」
声が迷宮内に響くだけで物音一つしない。
増田さんはどこにもいない。
僕はここに一人きり。
その事実の羅列が僕を一気に恐怖へ落とした。
「僕、やばくね。ここどこなの?」
まだ増田さんがどこかにいるかもしれない前も後ろも同じような道どっちに進めばいいかも分からない。
こんな場所で裸で気が狂いそうだ。
誰か助けて……
「おやおや、大丈夫ですか?」
「誰っ!?」
顔を上げるとそこには、おかっぱ頭の女性がいた。いや、大人びて見えるけど同い年くらいか……
何かグレーのレオタードみたいな服着てるし髪も灰色だし変な人だ。
ただ、赤く光る目がどこか人間離れしていると思う。
初めて感じる根源的な恐怖だった。
「あなたは誰ですか?増田さん……というか僕の他に女の子を知りませんか?」
「増田はもういません。」
無機質な話し方をする女性。もしかしてこいつが増田さんを!
「あなた、いや、お前が増田さんを殺したのか!?」
「違います。増田は最初からここにいません。旦那様が見たのは迷宮が見せた幻です」
「幻!?それに僕の事をなんで旦那様って呼ぶんだよ?」
「これは失礼、自己紹介が遅れました。自分は迷宮の番人メイウと申します。この度は貴方様を自分の御使いする方と見初めましたので、旦那様と呼ばせて貰ってます」
「迷宮の番人、なんなのそれは?」
「この迷宮の統括者ってところでございますね……取り敢えずこの迷宮で一番強い存在と言えばお分かり下さいますか?」
「じゃあ、その統括者が僕に何のようだ。いきなり旦那様なんて言われても訳分かんないよ!」
「分からなくて結構です。直接身体で理解してもらいますので」
そういって彼女は僕を突き飛ばしてきた。
倒れた僕に馬乗りになる。
目の前でレオタードみたいな服を自分で破く番人メイウ。
彼女の揺れる乳房を見て僕は完全に固くなってしまった。
「準備万端みたいですね、では始めさせてもらいます」
全身を走る激しい快感。僕はその気持ちよさに身を委ねる事にした。
「ハァハァハァハァハァ……」
「とっても元気でよろしい事ですね。桁をとばして11回。よく励まれました」
「これで契約は相成りました。旦那様どうぞ存分にこのメイウをお使い下さい」
契約ってなに?
まぁなんでもいいか、気持ち良かったしそれどころじゃない。
あ〜あ僕これからどうなるのかな?
僕が再び目を覚めたとき、そこには怪物みたいに強くなった僕がいた。
《この度は【クレイモア戦記】を読んでいただき誠に有難うございます。
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