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偽りの聖婚  作者: 凪子
一、邂逅
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翡翠(ひすい)様は病に伏せってらっしゃって、顔を見せることもできないのですってね。お気の毒なこと」


翡翠姫は先代の巫女姫である。


聡明で賢く、よく理を知り、先見の明に優れた明主だった。


ここ半年ほど、体調不良ということで公の場に姿を見せることはなかったが――。


「新しい巫女姫が現れたんで、ほっとして気が抜けたんじゃねえの?」


「そうでしょうか」


「あの人は十五年近く巫女姫をしてるんだ。疲れが出たんだろうよ」


「ですけど、神器の勾玉を渡して後継するという儀式には、翡翠様が必要なんじゃありません?」


「あんなの、ただのお飾りだろ?必要ねえよ」


「またそんな事を言って。罰が当たりますよ」


九曜は金持ちのくせにしっかりと値切って、てきぱきと淡雪の買い物を済ませていく。


荷物を持って、迷いのない足取りで屋台の間を歩く。


どうしてか、淡雪は切ないような、やるせないような気分に襲われた。


立ち止まると、彼は必ず気づいて振り向く。そして、首をかしげ、


「どうした?」


淡雪の側へ駆け戻ってきてくれるのだ。


そうやって何度でも、引っ張ってでも光のある方へ、正しい道のりへと導いてくれる。


「……何でもありません」


いつでも――いつまでも。






















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