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偽りの聖婚  作者: 凪子
一、邂逅
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「仕方ありませんね」


少女の繰り出した拳は見事、男の顎にクリーンヒットした。


完全に油断していた男は、攻撃をもろに食らってのけぞった。


顎のあたりを押さえて呻き声をあげる。


「見たところ、十分お元気なようですね。私はこれで失礼いたします」


「て、て、て、」


「手がどうかしたのですか?」


「てめえ!!なめた真似しやがって、このアマ!」


本性を見せた男が、少女の長い黒髪を束にして掴み、引っ張った。


不穏な空気を感じた群衆がざわめく。


だが男は、「見てんじゃねえよ!」と一喝する。


怯えたような視線がいくつもこちらを向いてくる。


少女は冷静だった。


「痛いじゃありませんか。離してください」


「うるせえ!下手に出てりゃつけあがりやがって、来い!」


「お断りします」


髪を持ったまま引きずられ、ぶつりぶつりと毛が抜ける。


少女は顔をしかめた。


仕方なく、男の股間めがけて蹴りを入れようとした時、


「やめろ」


低い声と共に、男は地面に押さえつけられていた。


じたばたと暴れるが、関節技を極められて完全に制圧されている。


上に乗っている少年は、冷徹なまなざしで言った。


「こんな日に狼藉(ろうぜき)を行うとは、いい度胸してるなお前。儀式の妨害行為及び巫女姫様への叛意(はんい)とみなし、牢にぶちこむぞ?」

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