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痴漢から助けた美少女が推しのアイドルだった。 ~俺だけこっそり彼女と同棲生活を始めました~  作者: 高月夢叶
2章 男の娘VTuberなんだけどアイドル活動を始めました~男だとバレたら即炎上~
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56話 将来の夢と家族会議

夏休みが終わり、二学期に入って一週間が過ぎた。

 この時期になると二学年の全クラスで、進路を決定しないといけなり、進路希望を

再度取られ、親と生徒と教師で三者面談をしなくてはいけない。

 真城のクラスでも、進路希望の最終決定を決めるべく進路希望用紙が配られた。

 今回は親のサインも必要となり最終的には親を交えても面談が待っているので生半可な気持ちでは決められない。

真城の進路希望は、このようなものだった。


 第一希望:アークメディア専門学校。第二希望:アイドル。第三希望:VTuber

となっていた。ひと昔前は小中学生に将来なりたい職業は?と問うとYouTubeが一位という結果になっていたのをテレビのニュースで見たことがある。

現在はVTuberが普及してきている大VTuber時代。

まさか自分も進路希望で書くことになろうとは思わなかった。

今では年間VTuberがデビューする数は鰻登りに増えていって、真城自身も男の娘キャラの個人Vとして細々と活動している。現在、これを本業にしようだなんて考えてはいないが、ワンチャン小遣い稼ぎ程度にはなればいいと思っていた。

お金を稼ぐことが目的でなくて、自分が思う『カワイイ』を発信できたらと考えている。

担任の立花先生は、「夢がありまくりだな!」と驚いていた。

 「それほどでもー」と少し照れてしまう。


「でもな、椎名。考えが甘いぞ。大人の意見を言わせて貰うと、学生の頃に抱く夢は大人になってから叶えられる人は、ほんの一握りしかいないんだぞ」と大人の正論を言ってくる。


「だけど、立花先生!」と反論せずにはいられず真城は声を荒らげる。

「だけどもヘチマもない!いいか椎名。何があるか分からない将来に備えて、堅実な進路を選んだ方が賢い生き方だぞ!」


それが、正しい進路の選び方ということは理解している。だけど、分かっていても、足掻いてしまう。


「お言葉を返すようですが先生!学生が夢を見ないでいつ見るんですか?!今でしょ!」

つい、想いがこみ上げて、熱弁する真城をポカンと呆けて見つめる先生はなにかに気付かされたように真城の肩に手をポンと置く。

「お前、教師の方が向いているんじゃないか?」と言うのだった。


***

学校が終わり、今日、立花先生と話した進路希望を両親にも打ち明けなければならないのが憂鬱で仕方がない。でも、これは乗り越えなければならない問題だった。

夕食のとき。両親が揃ったこのタイミングで真城は思い切って口を開いた。

「進路のことを先生と話し合う三者面談があるんだけど、母さんか父さんのどちらか出席してくれない」


「真城、あなた卒業後の進路は決まっているの?」


「そ、それは...」

今年の春に進路希望を聞かれたときは、正直卒業後の進路なんて、まるで決まっていなくて


流されるままに就職かな程度にしか考えていなかった。VTuberは趣味で普段の仕事の気分転換に続けていければいいと思っていた。『放課後シスターズ』のスカウトを受けるまでは。


 今では、アイドル活動をしながらVTuberとしても活動していくか普通に就職するべきかで揺れに揺れて迷っていた。

 「この前も話したけど、今からアイドルを始めて、卒業後もアイドル活動がしたいんだ。」

「でも、アイドルなんかで食べていけるの?」


「そうだね。アイドル業界が薄給なのは分かっている。だから、VTuberと兼業でやっていくつもり」


「そんなことできるの?!」母さんは自分の見知らぬ異質な進路を聞くような不安が顔に滲んでいた。


「ボク、それなりに有名なライバーだから心配ないよ。あとアイドル卒業後は、VTuberの仕事を本腰入れてやっていきたい!」と真城は熱弁する。


「真城、本当にアイドルになるつもり?!それにアイドルを卒業したらVなんちゃらになるって、まさか一生やるわけじゃないわよね?満足したら、ちゃんと働いてくれるのよね?!」


「え、それは...」

母さんの不安も分かる自分でも何言っているんだと思う。だけど、ボクはもう夢を見てしまった。


 これは多分、夢を叶えるまで付き纏う呪縛となることだろう。


「最初から夢を否定するのは可哀想だからこの前は肯定したけど、母さんは反対よ」


「そう、だったんだ...」

勝手にアイドルになることを認めてもらえたと思っていた。でも、母さんは、高校を卒業したら

大学に進学するか就職して欲しいのが本音なんだ。それが正常な親の願いだとはよく分かっている。

だからボクの気持ちは固まった。半端なんてできない、それなら本気でアイドルをやるだけだ! 

「お兄ちゃん、アイドルになるの?」

「うん、やっぱり気持ち悪いか?!」

「ううん、お兄ちゃん可愛いしいいと思う。ただ、男だとバレてまた炎上しないかが心配かな」


「それなー。ボクもそれが気がかりだな」

以前配信の切り忘れでITUBEのチャンネルが炎上した。これが実際にアイドル活動の途中でメディアに正体がバレたら即、スキャンダルとなることだろう。それだけはなんとしても避けたい。

「父さんはどう思う?アイドルは反対?」


「そうだな、賛成もできないし反対もできないかな。自ら不安定な道に進むのはどうかと思うが、止めてもやるんだろう?」

「まあね。ダメな息子で、ごめんなさい」

「だけど、譲れない夢があるんだろう?それならやってみなさい。ダメだったらそのときに次を探したらいいんだ」と父さんは優しく背中を押してくれた。

 すると自分の夢を認めてもらえたことで心が救われてあたたかな気持ちになった。

 母さんに夢を反対され、父さんにも応援してもらえなかったら、今後のアイドル活動で、気持ちよく夢を追うことが出来なくなっていたことだろう。


 いつの日か、母さんにも自分の夢を認めて貰いたい。そう思うのだった。


***

同時刻、佐藤宅にて未来たんと夕食を食べていたところ未来たんが箸を起き、佐藤に何か言いたそうにしてくる。

 「どうした?未来たん」

「この前の公演の日に、椎名さんが『放課後シスターズ』に加入してくれて良かったですね」と安堵の表情を見せる。

「そうだな、本当に良かったよ。俺の目に狂いはなかった」

「でも、佐藤さん、推し変したら許しませんからね」と未来たんはヤンデレオーラ全開で言う。

 「大丈夫。いくら可愛いアイドルが俺の前に現れても未来たん以上の推しはいないから!」

そんなに可愛いことを言われ想われている俺が推し変するわけがないだろう。

「推し活人生未来たん一筋だから」心に誓た言葉を未来たんに告げると

「もう、佐藤さんたらっ!」と未来たんは頬に両手を添えて、顔から湯気が出るくらい頬を火照らせる。

二人の間に甘々なムードが」流れている最中、インターホンが鳴る。

「おじゃましまーす!佐藤さん、唐揚げ作り過ぎてしまったのでお裾分けにきましたー」

「さくらか、ほんといいタイミングで来たな」

「すいません。お邪魔でしたか?」とさくらは未来たんが顔を真っ赤にしているの様子を見て言う。

「まあな、でも丁度良かった。こっちに座ってくれ」

「邪魔なのか邪魔じゃないのか、どっちなんばい!」

「いいから、座ってくれ。二人に大事な話があるんだ」


「大事な話?確か、佐藤さんは未来さんと付き合っている。まさか!うちにも交際を申し込むつもりたい?!」とさくらが同様していると、隣から空気が凍てつくようなオーラを感じる。

「佐藤さん?推し変しないといいましたよね?!宣言から一分足らずでもう二股ですか!?」

「いや、違う。ちがうから誤解なんだ未来たん!さくらちゃん、変なことを言うなよ!」

未来たんからあらぬ誤解を受けて、二股クソ野郎に思われているこの状況はまさに修羅場だ。


いいか、『放課後シスターズ』も遂に5人体勢のグループアイドルになった」

「そうですね。それがなにか?」

あれ?まだ、怒ってらっしゃるー!?

「なに当たり前なことを言っているのですか?」

ここからだ本題だ。そこで、『放課後シスターズ』の今後の目標を発表する!」

「なんですか?!佐藤さん一応、聞きますが」

「早く言うばい!」

「『放課後シスターズ』はアイドルフェスへの出場を目指す!!」


「「アイドルっぽい目標キター!!」」と未来たんとさくらは歓喜に湧くのだった。


               

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