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祝福のエピローグ  作者: アレン
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第21話

仔空『よーし、レッツゴー!だぞ!!柊菜様、しっかり私が守るからな!』


柊菜『おうおう暗裁には頼もしい人材が沢山いて俺も安心だ、ところで仔空、前へ行き過ぎだから俺の後ろにいてくれ、背は任せたというやつだ』


仔空『…!分かりました柊菜様!』



あの後直ぐにチームへと別れ、館内を散策していた。


この館内は3階建てとなっており、柊菜達がいる階層は2階だ、1階は明楽、3階は貴人だ



現在2階へと上がり、いざ探索としていた所だが仔空が1人でどんどん先へと進むため、柊菜の背へと戻した



柊菜『……!』


仔空『柊菜様、私後ろにしたの、正解ですね』




柊菜が何かに反応したと同時に、仔空が冷静に淡々と言葉を述べながらどこからか出した刀をひと振り


柊菜達へと迫ってきていた白い大量の糸を切り落としていた




仔空『柊菜様に危害を加えるやつは、暗裁の敵、…お前、美澪様を拐った奴の一味だな?』



仔空がただ暗闇へと続く長い廊下に向かって威嚇すれば、クスクスと上品な鈴のような笑い声とカツンカツンと靴音が静寂なこの場に響いた



??『あら、思ったよりも暗裁には腕が良い者が居たのね、ただの野蛮者の寄せ集めだと思っていたわ』


仔空『貴様のような犯罪者にはうってつけだな、無駄だと思うが一応言っておくぞ。大人しく投降しろ、そうすれば私はお前を傷つける事は無い』


??『それで大人しく投獄行きになった者は、過去にいたのかしら?』



靴音と声は更に近付いて来ており、いざ姿が見えたと思えば美しく妖艶な妖がクスクスと笑っていた


魅夜『私は魅夜(みや)、よろしくね可愛らしい兵隊さん』



にこっと余裕ある笑みを仔空に向けるが、その挑発にはのらずただジッと仔空は魅夜を見つめていた



仔空『罪人の名前などどうでも良い、お前に相応しい名前は罪人の一つだけ』


魅夜『その罪人とやらに、せいぜい負けない事ね』



その言葉と同時に魅夜の足元から大量の糸束が出てきて一斉に仔空に向かって襲いかかった



仔空『私にそんなもの効かない』



そう言う仔空は刀で糸を切りながら大量の氷で出来た鋭くとがった刃を生み出し魅夜の元へ放った


仔空は柊菜と同じく、雪女だ



天后『僕たちの方、全然来ないねー』


六合『まぁ、殺気が今のところあの子にしか向かってないからだろうねぇ』


騰蛇『……鬱陶しい』



仔空と魅夜による戦闘が繰り広げられる中、攻撃が一切来ない式神と柊菜達はポツーンとその戦いを見守ることしか出来なかった



天后『僕は別にあの子に任せても良いけど、一発は入れたいかな』


六合『ふふっ、賛成』


騰蛇『…じゃ、早く準備して』



同意見だね!と天后は嬉しそうに笑うと柊菜の方へと歩み寄った



天后『ねぇ柊菜、仔空に今から15秒後、柊菜の元へ戻れって言ってね』


柊菜『…は?どういうことだ…っておい!』



何がどういう事だと聞き返したいところだが、そう言うなり騰蛇と六合と共に仔空と魅夜が戦っている廊下の隣にある部屋に入って行ってしまった



柊菜『ああもう…仔空!15秒後、俺の元へ戻れ!!命令だ!』


仔空『かしこまりました、柊菜様』



何が何だか分からないが聞ける相手がいないため、とりあえず大人しく言われた通りの事を仔空に伝えた



魅夜『あら、選手交代?』


仔空『だったとしてもそれをお前に言う義理はない』



その言葉だけを残し、仔空は言われた通り柊菜の元へと戻る



魅夜『私がそれではい分かりましたとでも言うとでも?』




背を見せたな、とニヤリと不敵に笑えばそのまま攻撃をしようとした瞬間



ドガァァァァン!!!!



と廊下にかなりの衝撃と大音量の破壊音らしきものが響き渡り、柊菜は何だと警戒し仔空は柊菜の前に立ち守りの体勢に入った




よくよく見れば騰蛇と天后と六合が入った部屋の壁一面が破壊され、破壊された壁の瓦礫に魅夜は埋もれていた



六合『老朽化が進んでいるだけあって、脆かったねぇ。早く出ないと危ないかも』


騰蛇『…その場合は力ずくでも美澪を助けて逃げる』


天后『どうどう柊菜〜!敵に攻撃届いたー?』



やっと敵に一発お見舞いできたか、とこちらに歩いて来ながら少し満足気にしているのは式神の3人だ


中から壁一面を素手で破壊したのか、3人の手は血が滲んでいた


仮にも老朽化しているとはいえ壁はコンクリートで出来ているんだぞ、と柊菜は少しばかり目を見張った



魅夜『……ぅ”…』




何が起こったのか把握があまり出来ないまま、魅夜はとりあえず立ち上がらなければと瓦礫から這いずり出て来た




六合『俗に言うクリティカルヒット、というやつだね。駄目だよ君、そんな大怪我しているのだから大人しくしなくては』



流石は平和を司り好む六合、優しい声色で床に這いつくばる魅夜の前に六合は行き屈んでは魅夜の両手をギュッと握った



魅夜『…ッあ……あ、……あ”あ”あ”あ”あ”!!』




ゴギッと骨と骨が外れ砕けるような鈍い音と共に魅夜が悲鳴とは呼べない、断末魔の叫びをあげた



六合『僕達が怒ってないとでも思ったのかな』



先程の優しい表情と声色とは違い、汚泥を見る目と怒りが滲み出ている声で魅夜の事を見つめていた



天后『もー!六合ったら!女の子の手は優しく握らなきゃダメでしょ!』



ドーンッと六合の隣に座り六合から魅夜の手を取るが、発言と行動が合わず相変わらず天后もギュッと握ったままだ


魅夜はもう声もあげられないのか、ただただ嗚咽と涙をひたすら流し助けを求めるように仔空を見つめていたが仔空はぷいっ!と可愛らしくそっぽを向いた



天后『うちの六合がごめんね〜、まぁ本気で謝ってはないんだけどさ〜』



ギュッと握っていた手から今度は慈しむように優しくし、そっと指の腹で魅夜の爪を撫でた



天后『君、爪の色を赤にしたら良いと思う!きっと似合うよ!ね、騰蛇!』


騰蛇『…いやオシャレに関しては知識ないから知らないんだけど……』



そんなもの自分が知るわけないだろ、とげんなりした顔をした騰蛇をほっとき天后は「僕ってば名案〜!」と1人できゃっきゃっしながらカリッと魅夜の爪に己の指をひっかけた



天后『ね、どうせもう手の感覚なんてないでしょ?じゃあ別に良いよね?ね?』



きっと今より可愛くなると思うんだ、と魅夜に詰め寄りながら天后は問いかける



魅夜『…ゃ………嫌だ……も、やだぁ………』



恐怖が上回ったのか、もう降参だと首を力なく振っているが天后はキョトンとした顔を浮かべていた



天后『何言ってるの君、美澪拐ったんでしょ?これくらい耐えられなきゃ駄目だよ〜!』


六合『いちいち確認なんかしないで、とっとと剥いでしまえば良いのに』


騰蛇『自分の時は助けてくださいなんて、虫が良すぎる』



まどろっこしいなぁ、とやれやれとしながら騰蛇と六合は立ち上がり魅夜の腹を蹴り飛ばしそのまま抵抗する力なく簡単に瓦礫の方へと飛んでいった



そこにはとても慈悲と呼べる感情も行動もなく、ただただ敵の命を弄んでいるだけの光景が広がっていた



六合『所詮肉の塊、主達に仇なす者は全て殲滅する。それが僕達十二天将、戦闘兵器として生み出された物』



止めないなら本気で命取っちゃうよ、と柊菜の方を見つめ六合は問いかけた



一応命は取るなと聞いている為、それには大人しく従うが命さえあれば何しても良いと勝手に都合の良い解釈もしている


だが当たり前だ、大切な主が拐われたのだ


それだけ式神達は怒り狂っていたのだ、よく青龍がここまで我慢していたものだとは六合はしみじみ思う、感情の成長なのだろう



柊菜『もうやめろ、そんな者でも一応民なのだ、お前達の怒りは最もでありその意見は尊重し妖界の一角を担う者として此度の不始末は謝罪しよう、…お前達の慈悲の心でもう止めてくれないか、…肉体的な罰は…そいつには充分だろう……?』



きっと治りはしても、魅夜はもう今後前とは同じように手は動かせないだろう


瓦礫の山で力なくしくしくと痛みで魅夜は泣き続けていた



六合『……麗仁には、柊菜の命令をなるべく聞くよう受けているからね。まぁ罰は…良いだろう、引くよ騰蛇、天后』


天后『んー?分かった』


騰蛇『…分かった』



これくらいで勘弁してあげる、と大人しく式神達は身を引いた



柊菜『仔空』


仔空『かしこまりました、柊菜様』



術を使い氷の小さな小鳥を生み出せば仔空は窓へと近付き開けるとそこから鳥を羽ばたかせた



仔空『五分ほどお待ちいただけると』


柊菜『わかった、待とう』



そして仔空の言う通りに五分経てば隊員達が駆け付け、魅夜を回収していった


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