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天魔の書  作者: かのう
2/4

森の中で

奇妙な声が森を木霊する。


「ぉっうっぎゃっ」


はぁ、なんでこうなったんだか・・・。

ため息でもつきたい気分だ。


生まれて数日で森の中。うん、意味わからん。

ちなみに森の中って言っているけど目は既に見えている。何故かは知らない。


ていうか俺は誰なんだ・・・。

そう思った瞬間、自分の頭の中に情報が現れた。


[名前] アズ=ガルシア

[種族] 人間

[年齢] 0

[固有能力(ユニークスキル)] 《反射の魔眼》



《反射の魔眼》・・・魔力を見る「魔力視」、視覚内の万物を任意で反射する「反射」を行使することが可能。



「ぁ?」


なんだこれ・・・。これが自分ってことなのだろうか。

そう思いながらも似たような話が生まれつきの記憶にあることに気づいた。

記憶によると異世界転生ものとか言うらしい。その中ではステータスというものらしかった。まあ身体能力の数値化みたいなことはされていないが・・・


とりあえず魔力なんてものが出てきた時点でここが異世界というのはあながち間違ってないような気がする。もしかしたら地球にも魔力が存在していた可能性はあるが少なくとも一般的では無いだろう。


で、ここを異世界と仮定してだ。まずこの森は安全なのだろうか・・・。

そんなことを考えたのが悪かったのか、近くの茂みから緑色の小さな子供のようなものが現れた。

やがてその醜悪と表現するしかない顔はこちらを向き、その声は嬉色が浮かんでいた。


「ゥキャキャキャ!ウギャッ!」


そして自分を抱えてどこかへ運んでいく。抵抗しようかとも思ったが特にすぐに殺される気はしなかったのと、赤ん坊ではまず無理だろうと考えたため、今抵抗するのはやめておいた。


抱えられること数十分が経ち大きな洞窟にゴブリンと名付けた緑色の子供と自分は入っていく。

恐らくこのゴブリンの住処なのだろう。


それは正しく正解で、ここでは十数匹のゴブリンが寝床にしているみたいだ。


「ウギャギャ!ギャギャ!」


何を言っているのかは分からないが、そう言って自分を洞窟の奥にある部屋に放り投げた。そこには慰みものにされたであろう女性が1人縄で縛られていた。


少しだけ気持ち悪くなったもののそんなに感情が動くことはなく、どうやら自分はそんなに優しい人ではなかったらしい。

とにかく安全な場所(?)を確保したので諸々考えることにする。


まず、生まれた時から持っている本の付いたブレスレットだ。微かに見た母親、父親が付けたのかと思ったがそんな雰囲気はなかったし、何故かは知らないが妙に馴染む。まるで自分の一部のように。


次にこれからどうするかだ。先程安全な場所とは言ったがここでずっと生きてられるとは思えない。食料もないしこの森のことも何も知らない。これはとりあえず保留だな。まあ人間数日ぐらいなら食わずとも生きてられる。とはいえ幼い自分が食べられるものが限られていることに絶望するが・・・。


あとはさっきから人やゴブリンに見える不自然なものだ。これに関しては既に検討が付いている。魔力というものだろう。

多分自分にもあると思う、そう思って調べてみようと思うが、数時間で分かったことは少なかった。


とはいえ分かったこともある。

魔力は動かせる、ということ。動かした魔力を使って少しだけ身体能力を上げられるということ。

それにしても魔力を使えば赤ん坊の自分でも少しの間立てることには驚いたが・・・。あとハイハイだが歩ける。


そしてステータスには魔力操作、魔力感知が増えていたことから魔力という推測が間違っていないことが分かった。



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