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柱時計は時を刻む

作者: 丑詩聡成

古ぼけた柱時計が一つ

誰も時間なんて見ていない

それぞれの針も止まっていて

誰も直しもしない

剥がれ落ちていく

ゼンマイも壊れてしまい

振り子の部分も固まったまま

時だけが過ぎていく


(そうなのかこのまま朽ちて、消えていくのか。)


倉庫の暗い暗い闇の中

ただ時だけが過ぎていく


(誰か来たようだ。車の音か。)


ドドドドドーーーーーと

大きな音が鳴っている

崩れていく屋根 

埃と落ちていく破片が降りかかる


(もう駄目か、私はもういなくなるな。)


倉庫を見に来た解体業者がこの柱時計に気が付きました

もう、捨ててようかとトラックに積み込もうとしたとき

時計の針は動き出し、12時のボーンという音が鳴り響きました


そして、時計はポロポロと砕けて朽ちていき

消えてしまいました


新しいお家が立てられました

新しい家族がきて

家の中に入ると買ってもいないのに

柱時計が備えつけてあるのです


「あれ、こんな時計あったっけ?」

「この家見たときはなかったよ、

変ね、不動産屋さんおまけしてくれたのかしら。」


大切にされて、長い時間 時を刻み

ボーンという音が鳴り響いた。






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