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才能に愛されし者  作者: きんめ
第二章 魔法学院編
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襲撃者

 あの展開は流石にない、とのご意見を数多く頂きましたので、内容を変更させていただきました。

 ご意見を下さった方々、ありがとうございます。


 このように皆様の声を聞かせていただけると、私としても皆様が読みたいと思えるような作品を作っていける気がします。

 未熟な身ですが、お付き合い頂ければ幸いです。

 魔法学院に到着した俺とアミーは、豪華な装飾の施された応接室に通されていた。


 部屋の中にはさぞかし有名な人物が描いたであろう絵画などが飾ってある。

 ……っていうか、この絵画描いたの母様じゃないか?

 筆のタッチの感じが似ている気がする。

 また今度、マリリエルに聞いてみよう。



「失礼します」



 その声とともに、一人の女性が部屋に入ってくる。

 手にはお盆を持っており、その上には飲み物がある。


 

「ご苦労様」



 俺はそう声をかけ、女性から飲み物を受け取る。

 女性は慣れた手つきで俺に飲み物を渡す。


 だがアミーは、そんな女性の所作が気に入らなかったようだ。

 俺の後ろで、「そこは手渡しではなく……」などのダメ出しをしている。


 

「一つ聞いていいか?」



 女性が退室しようとしたところで、俺は声をかけた。

 謝罪をしたいと言ってきた当の本人、二キムはまだ来ていないのか聞こうと思ったのだ。

 

 そもそも、あちらから謝罪をしたいという連絡を寄越したのにもかかわらず俺達の方が早く来ているなんておかしな話である。

 アイツは自分のことを国王とでも思い込んでいるのだろうか?



「……まだ本部に到着したという情報は入っていませんね」



 とのことだ。

 俺達はかれこれ一時間以上この応接室で待っている。

 下手をしたら、最初から謝罪をする気なんてなかったのかもしれない。



「そうか。ありがとう」



 礼を言うと、女性は軽く微笑み部屋を出ていった。

 俺は、二キムがここに来る可能性は低いと思っている。

 


「アミー。来ると思うか?」


「来ないと思います」



 即答だった。

 どうやらアミーも俺と同じことを考えているようだ。



「じゃあ、帰るか」



 俺とアミーは飲み物を飲み干し、応接室を後にした。





 ◆◇◆





 すっかり日が落ち、辺りが暗くなってきた頃。

 俺とアミーは人通りの少なくなった道を歩いていた。



「結局、あの男は何がしたかったんでしょうね」



 俺に腕を絡ませているアミーがぽつりと漏らす。

 あれから本部の入り口で少し待ったのだが、それでも二キムは来なかったのだ。



「さあな」



 全く見当がつかないが、もしかしたら嫌がらせのつもりだったのかもしれない。

 本当にそうだったとしたら、救いようがない奴である。



「―――ッ」



 俺はふいに足を止めた。

 アミーも俺につられて足を止める。



「どうしたのですか?」


「――囲まれている」



 数は……六人か。

 気配の殺し方が上手い。

 

 アミーは俺の言葉を聞き、絡ませていた腕を(ほど)いた。

 こんなことをしている場合ではないと気づいたのだろう。



「アミーは自分を守ることに専念してくれ」


「――はい」



 俺達は相手に気づいていることを悟られないように夜道を歩く。


 しばらく歩いていると、前方から酔っ払っている男が歩いてきた。

 フラフラと歩いているように見えるが――あれは酔っ払いじゃない。

 “裏の人間”だ

 

 俺達は酔っ払いを避けるように歩く。

 だが酔っ払いも俺達の傍へと寄ってきた。


 距離がだんだん縮まってくる。

 俺達は酔っ払いとすれ違い――



「―――シッ」



 突如、酔っ払いを装っている男が襲い掛かってきた。

 その手には、切れ味の良さそうな小型のナイフが握られている。


 それを皮切りにして、周囲に潜んでいた残りの五人も同時に襲い掛かってきた。

 


 俺は瞬時に『限界突破』を発動させ、目の前に迫っている小型のナイフを弾く。

 


「なッ――!?」



 酔っ払いを装っていた男が驚愕の声を上げる。

 まさか、今の一撃を止められるとは思っていなかったのだろう。


 流れるような動作で、俺は驚愕している男の腹に蹴りを入れる。

 肋骨が折れる感触が伝わってきたが、そんなものはお構いなしだ。


 

 残りの五人の動きが止まっているように感じられる。

 『限界突破』で底上げされた俺の身体能力は、あのリーラと互角だ。



 黒装束の男の一人が、アミーに近づいている。

 先ずはアイツから始末しよう。


 俺は手を前に突き出し、風魔法を纏わせた刃を出現させる。

 


『風刃』



 風を纏った刃が、男の両手首を切断する。


 身構えていたアミーは一瞬動揺し、男の両手首を切断したのが俺の『風刃』だとわかると、安堵の息を吐いた。


 それから残りの四人を制圧するのに、さして時間はかからなかった。

 お読みいただき、ありがとうございます。

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