表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あべこべ世界へようこそ!  作者: みぃーや・きゃっと
7/7

*7*


   *7*

 気がつくと、二人は道端に倒れこんでいた。ゆっくり起き上がって辺りを見渡す。そこは最初にウサギと出会った並木道の前だった。立ち上がりながら、春美が言った。


「元の世界に戻ってきたのかな?」

「わからない。何か確かめるものないかな」


 陽介がきょろきょろとしていると


「あれ? 陽介くん?」

「優莉ちゃん!」


 セーラー服姿の女子中学生ーー優莉(ゆうり)が横断歩道を渡ってやってきた。肩から中学のスクールバッグをさげた、ポニーテールの優莉は、学校帰りのようだった。


「久しぶりー今帰り? あ、春美ちゃんも!」

「ひ、久しぶり、優莉ちゃん」

「春美ちゃん、大丈夫。ここは僕たちの世界だよ」


 陽介が春美の耳元で囁いた。春美はどうして分かるのと聞いた。


「だって、優莉ちゃんは僕らの名前を言ったんだよ」

「あっ」

「何二人でこそこそ話してるの~」

「何でもないよ~春美ちゃん行こ!」


 陽介は春美の手を握って走りだした。そんな二人にニヤニヤしながら、優莉は二人の後を追う。

 走っている途中、春美は陽介に言った。


「ありがとう」

「ん? 何が?」

「なんでもないよー」


 こうして、二人の連休前の冒険は幕を閉じた。二人が行ったあべこべ世界は何だったのか、夢だったのか、現実だったのか。

 それ以来、二人はウサギに会うことも、あべこべ世界に行くこともなかった。


*おしまい*

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ