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一発ネタ短編

So She.So I.

作者: 寝る犬

 つきあってください。と出席番号7番の彼女は言った。

 今更何を言っているのか。とぼくは思った。


 放課後に体育倉庫の裏に来てくださいと言う差出人不明の手紙に呼び出され、ぼくはわざわざこんなところに来ている。

 つまりはもう、この図書委員の彼女から受けた訳のわからない誘いに、ぼくはつきあわされているのだ。


 まぁ宛名の字を見たときから差出人は身長147.5センチの彼女であろうことは想像していた。

 だからこそ興味をひかれてこんなところまで来たのだ。


 好きな映画は「君の名は。」の彼女は、なぜか顔を真っ赤にして目を伏せていた。

 顔から耳にかけての肌のみが赤い。全体が赤く見えていないと言うことは彼女が光速に近いスピードでぼくから遠ざかり、赤方偏移により赤く見えている訳ではないと言うことだ。

 ぼくは念のため少し体をずらし、いつも赤い髪留めでポニーテールにまとめている彼女の姿を横から眺めた。

 横から眺めても彼女の顔は赤いままだ。証明された。赤方偏移ではない。


 ではなぜ今日はいつもとは違うシュシュの彼女は顔が赤いのか。

 これは難しい問題だ。ぼくはどうしてもその理由が思い浮かばず、頭をひねった。


 そんなぼくを上目づかいに見て、かわいらしい彼女は、あの、返事……と言った。

 ぼくは伊藤小夜さんの目を見て、おねがいします、と答えた。


 小夜さんはありがとう、と涙を浮かべ、それを見たぼくは涙腺が崩壊した。

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