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オカルトクラブと翼の少女  作者: 星村直樹
美代子
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島再び

 再び島に渡ることになった。


 オズチ様に言われていたから、コンもついてくるとばかり思っていたが、しばらくここに残ると言う。幸子に言われて、神聖林の食べ物で滋養を付けることになった。だから、コンと幸子、安子が見送りに来てくれた。


「イチジクは、収穫できたわ。今、種と実を分けているところ」


「真理さんも手伝ってくれたんだよ。ミカちゃん大丈夫」


 翌日、ミカと幸子とコンは、神聖林に入ってトマトを収穫した。今回は、2個収穫できた。持って帰る入れ物がないので、ミカのTシャツになった。このトマトは、美代子と、紗江子へのお土産になる。


「大丈夫です。Tシャツは、2枚あります」


 きゅうりも生っていたが、食べられる潔にあげないで、嫌がっているコンに無理やり食べさせた。コンは、来る8月8日のために滋養を付けないといけない。トマトを収穫した後は、コンの食べ物探しになった。なかったら、ニンジンになる。きゅうりよりも嫌がりそうだ。運良く、サツマイモが見つかって、コンが大喜びした。さつまいもは、オズチ様の好物なので、今度は、オズチ様も呼ぼうと言うことになった。まだ小ぶりなので、コンにいっぱい食べないでと、今度は止める方に回った。なくなると、オズチ様に怒られる。


 私はというと、真理子の手伝いで、岡山の大学まで行っていた。葉子と一緒に、脳波検査の原型みたいな機材を大学で借りた。最近の機材は、パソコンを使うので必要なものは小さい。葉子の父親は、この大学の理事で、学長は、叔父にあたる。葉子は、叔父(学長)に、大学に戻って、学生の世話をしてほしいて言われていた。


 これから大学には、いろいろ協力してもらわないといけない。だから、「今度、今の研究の話をする」と、言って、真理子の論文があるWebの場所を渡して無理やり納得してもらった。私は、大学のキャンパスで、学び舎の空気を一杯吸い込んだ。


 どうも、機材は、これだけでは足りないらしく、真理子は、東京の友達と、連絡を取り合っていて、ここには来れなかった。



 美代子の誕生日プレゼントは、安子に買ってもらった。潔は、洋介。内容は、みんな内緒。みんなが、何を買ったのか知るのは、美代子が誕生日を迎えてからになる。でも、幸子だけは、全部知っているはずだ。


 でも、ちょっときになる。


「さっちゃん、みっちゃんの誕生日プレゼントって、みんなすごいの?」

「内緒、お兄ちゃんと、安子に怒られる」

「ですよ」

 ミカも聞きたくて、聞き耳立てていた。

「ミカも聞きたかったくせに」

「ばれました」

「ざんねん、その場で、みっちゃんに開けてもらわない?」

「いいと思います」


 コンが、ハッハッと言って、しっぽを振っている。


「コン、嫌いでも、なんでも食べるのよ」

「きゅーん、ハッハッ」


 とりあえず、目の前で、回って見せる。「努力する」と、言っているのだろう。


「きゅうりは美味しいんですよー。砂糖をまぶすと、メロンになるんです」


 ミカの、よくわからない説得を聞きながら、コンを撫でた。


 神様のくせに好き嫌いするとは


 でも、なでていると、神様のような気がしない。ちょっと大きいが可愛い。私が、コンの居場所を示したので、安子と、ミカも、コンを撫でる。



「麻依ちゃん、ミカちゃん、出港じゃ」


 いつの間にか、汽船のおじさんに名前を憶えられていた。さっき、海賊戦の話で、波止場のおじさん達と盛り上がっていた。「チームタマか、見たかったのー」と、おじさん達は、残念がる。私達は、急いで汽船に乗った。


ぽー

 汽笛が鳴り出港だ。今度は、ミカもひとりで、汽船に乗れた。最初は、潔に手を引いてもらっていた。


 手を振ってくれる、安子と幸っちゃんに、手を振って応えて客席に落ち着いた。今日からダイビングをする。青海島の海はきれいだ。私たちは、わくわくした。




 白門島の船着き場に、潔が向かえに来てくれた。何やら興奮している。


「綾瀬、木野、お疲れ。大変なことになった」


 ミカは、朱雀のことかと、緊張したが、大体、潔の大変は、的が外れている。


「海から変な音がするんだって。それも、オレたちが島に来てから、何回も聞いたって、テツが言うんだよ」


 それで、私たちを迎えに来たんだ

 私は、あきれた。


「それ、みっちゃんのトランペットじゃない? 怒られるわよ」


「あっ、それなら聞いた」


 がっかりする潔。そんなに立て続けに、オカルト話が、あるわけない。美代子は、トランペットを持って島に渡っていた。練習を休むと、3日分腕が鈍ると、先輩にはっぱをかけられていた。それで、毎朝沖に向かって吹いていた。ちょっと、呪いのような音の時もある。テツは、それを聞いたのだろう。


 潔は、それでも、気を取り直して、真理子とオズチ様のことを聞きたがった。私は、神聖林の奥にいる神様のことを思い出した。潔は、興奮した話し方をしていたが、推察はいたって的を得ていたように思う。


「そうか、オズチ様が大先輩って言うぐらい立派な神様がいるから、神聖林ができたんだ。地球ってね、何回も地磁気が入れ替わっているんだ。北と、南の磁石が、何回も反転しているってこと。だから、古い四神の方位が、真逆なんだ」


「そうなんだ。最近は、いつ?」


「最近だと、100万年前と500万年前だったかな。人類が誕生したとされているのが、原人でも200万年前ぐらいだし、今の人の形になって20万年ぐらいだろ、記録があるはずないのに、地龍説はあるんだ。不思議だよ」


「へー」

 本当に、どうでもいいことは詳しい。


「オズチ様がね、四神が守るは、黄金に輝く光の巫女だって言ってたわよ。黄龍じゃないみたい」


「私の先祖が、夢巫女だったから、巫女つながりで、言霊を練習して声をかけてほしいそうです」


「言霊! 調べるよ。いいな、綾瀬達。オレも、オズチ様の話を聞きたかったよ」


 いうと思った


 真理子の話も、重要だ。私は、こっちが気になった。


「真理子が、イエスかノーぐらいだけど、さっちゃんと話ができるかもっていってたよ」


「どうやって」


「さっちゃんの脳波を検出できそうだって。できたら、その変化で、感情が分かるでしょう」


「すごいな、仕組みを知りたいよ」


「後で聞いてね。そこからは、もっと大変みたい。さっちゃんの居場所を特定するんだって」


「オレには、早いよ。綾瀬は、どうだい」


「光サイドを私たちは感じているでしょう。それを脳内で、認識できるように変換している。同じことを、機械でやればいいそうよ。やり方は、そうだけど、もっと聞かないと理解できない」


「だよな」


 ここまで、難しい話だと、潔も長考や、シュミュレーションモードに入れず、いつもみたいに黙りこくったりしない。だから、珍しくおしゃべりだ。


「木野の話も聞きたかったんだ。瑞光の話。それに、光色化して、綾瀬を触ったんだろ、なんで、伝播しなかったのかな」


「じつは、塩じいも、ポポワさんが見える人です。わたしは、塩じいの背中に乗っていたのですが、とっても安心していました。塩じいにポポワさんを紹介してもらって、今度は、ポポワさんに乗せてもらったんです。そうしたら、急にポポワさんが、麻依さんの所に行くんです。わたし、嬉しくなって、麻依さんに抱きつきました」


 ミカは、夢の話を忘れる。感情が高ぶったところは、後々まで覚えているので、感情で話す。


 今度は、頭が回転したようだ。潔が、神妙な顔になった。


「ポポワさんに乗ったんだ」


「はい、話もしました」


「瑞光って、綾瀬も浴びたんだろ。平気だった」


「気持ちよかったよ。清々しかった。ミカは、大変。ものすごく光ってた」


「私も気持ちよかったです。ドーンって感じで、空に飛びだしそうでした」


「いいな、木野達。オレも、ポポワさんに会いたかったよ」


 これも、言うと思った


「それで、朱雀の話なんだけど」


「ストーップ。みっちゃんにも話したいのよ」


「ごめん、ごめん。一度、桂木の家に、寄ってほしいそうだよ。今日は汽船で、青海島に行く。その方が、加藤ダイビングスクールも近い。綾瀬たちは、そのまま石田家に泊まるだろ」


「聞いた。沙江子さんは?」


「いるよ。でも、なんだか、いっぱい人がいるんだ。忙しそうだった」


「桂木家に!」


「そうさ。島対抗の海賊戦が近いからじゃないかな。おばさんにいろいろ聞いてた」


 紗江子さんは、昨年引退したが、白門島代表の船長だった。今年は、新しい船長で戦うことになる。


「新しい船長って、誰?」


「桂木の親戚だって、渡辺丈二さん。真珠の事務所にいた里子さんのお兄さんだよ。剣道3段で強いんだけど、それより、もっと強い人が、いっぱいいる。だけど、統率力抜群だって、博司さんが言ってた」


 博司は、桂木のおじいちゃん。潔と仲が良く、よく話している。


「里子さんの、じゃあ知らない人ってわけじゃないよね。応援する」

「わたしもです」

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