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オカルトクラブと翼の少女  作者: 星村直樹
美代子
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朱雀を助ける打ち合わせ

「わかった。それで、いつ、朱雀の所に行く」


「8月8日」


「ピカドンの日を避けたか」


「そうなのかな」

 決めたのは、紗江子さんだ。


「何ですか、ピカドンって」


「原爆よ。8月6日、広島に原爆が落ちた日。町からよく見えたって、お父さんが、おじいちゃんに教えてもらったって言ってた」


「ひいおじいちゃん?(曾祖父)」


 オズチ様との橋渡しをしながらコンを撫でていた幸子が正解を言う。


「そうだけど、決めたのは、白門島の人たちと海賊さんたちのためよ。お盆に、みんな白門島に集まるのね。その時、朱雀が解放されたことを話す様にするって紗江子さんが言うのよ。それで、海賊の首長さんが、朱雀を守れって号令するわ。そうしたら、その後、朱雀は守られるでしょう。海守りの健太郎のこともあるし、海に潜るための練習を私たちもしないといけないし」


 オズチ様は、うんうんと、頷いた。


「ミカは、ここに残るじゃろ」


「えー、どうしてですか。私も潜水の練習をします」


「ポポワの瑞光は、幸子に毒じゃ。当分光色が解けんようになる。運が悪いと強制昇天じゃ。ずさ神社に行くときは、海守りの許しもいるんじゃ。ミカは、家から飛んでいけるように練習しなさい。ええか、名前を授けるときは、幸子に代弁させるな」


「はい」


 オズチ様は、いい機会だと思ったのだろうが、ミカは、そんな長距離を飛んだことがない。潜水より難題だと思った。私も、ミカも、町から青海島まで飛べなくても、石田の家で寝ればいいと思う。でも、大変だ。安子も同じことを考えていた。


「大変」

「そうですよ」ミカのは、自分のこと。


「じゃあ、夜中に、ずさ神社に行かないといけないんですね」

 安子は、私たちのことを心配した。


「当たり前じゃ。ポポワは、夜、浮上する。8月8日か、声を掛けとく」

 そうだったと、ミカが気付く。


「やっぱり、青海島で寝ます」

 ミカも大変さが分かった。


「そうなんか、言霊を飛ばせるように鍛えようと思うたのに」


 なんだかミカは、すごいことを言われていたが、私達は、まだ12才だ。急ぐことは、ない。


「オズチ様、私達、まだ、12才です」


「そうじゃった。すまん、すまん。よし、コン、麻依子たちが、白門島に行くときは、ついて行くんじゃぞ」


「コン」

 コンは、嬉しそうにしっぽを振った。


「幸子、悪いが、今回は、町に残れ」


「そうする。真理子さんを手伝うんだー」


「真理子か、わしも気になることがある。ちょっと調べてもらうか」


 オズチ様は、体が大きい割には、腰が軽い。もう少し慣れてから、紹介したい。


「ごめんなさい。真理子さんは、まだこっちの世界になれていないの。もう少し待って」


 オズチ様は、お構いなしに話しだした。


「神聖林の奥に巨大な光があるんじゃ。わしゃあ、相当古い先輩がいると思うとる」


「鍾乳洞にですか」


「もっと奥かの。もしかしたら、それより地底かもしれん。あそこには、わしにもわからん、厚い壁がある。もし先輩がいるなら、声をかけてもらいたい」


 それで、言霊なんだ。


「そんな、オズチ様がだめなら、私なんか無理です」


「それがじゃ、言い伝えがあっての、『四神が守るは、光の巫女』 どうじゃ、ミカも翼巫女の血筋じゃ、いいところまで行くと思うんじゃ」


 ここに潔がいたら、「黄金の龍でしょう」と、突っ込んで、いただろう。しかし、オズチ様の話だ。後で潔に話そうと心にとめた。だけど、ミカの件は、私が、だめ出しした。


「鍾乳洞は、当分入らないつもり」

「美代子さんのお母さんに止められているんです。子供だけじゃあ危ないって」

「紗江子さんじゃったか、そう、じゃろうの。だから真理子じゃろ」

「まだ、龍の鬚の話もしていないの」

「分かった、急げんのじゃな」


 ミカが、潔の話を思い出した。


「地下の光って地龍のことですか」

「違うな。幸子、ちょっとわしを触って、ビジョンを見てくれ」

「うん」


 オズチ様が、幸子の色である紫御殿の花の色、緋色に光り、幸子のオーラに同調した。


「地下にいる人なんだよね。オズチ様のは、空のイメージだよ」

「ぶふぉ、そうじゃ。変じゃろ」


 私も潔の話を思い出した。


「変じゃないわ。昔の四神は、東西南北が、逆だったんだって。だとすると、北は、鳥よ」


「わしゃあ、あんまり古い話は知らんでの。ミミに聞いてみるか」

「えっとね。ミミ様は、フクロウの精霊様。とっても、物知りよ」

 オズチ様との橋渡しをしている幸子が、オズチ様のボヤキを解説する。


「ミミさんにも会いたいな」

「朱雀を徳利から、追い出したら褒美じゃ。紹介するぞ、昔の翼巫女とも友達じゃった」

「本当ですか、話を聞きたいです」

「光翼族仲間が増えるの」


 オズチ様と付き合っていると、どんどん、精霊友達が増えそう。



 この後も、オズチ様と、いろいろ話した。安子と幸子は、真理子への協力は、とても重要だと認識した。


 私たちは、イチジクを収穫したら、光サイドの桃を収穫する予定だったが、もう少し遅くても大丈夫なので、朱雀に集中することになった。


 安子と幸子と話して、イチジクを任せることになった。結構大変で、神聖林の腐葉土の採取もしなくてはいけない。なんせ、イチジクを種から育てるのだ。水で、種を分け、プランターで苗まで育て、鉢植えする。そこで、神聖林に植え替えるのだが、これを全部、光サイドの土や水で行う。触れて見える、幸子が育てるしかない。かといって、良い器がないので、幸子が持てない現実の器を使用することになる。洋介と安子の助けがないと、運べないし育てられない。幸子たちには、真理子の手伝いもある。そんなわけで、幸子たちは、安子の親戚の子が帰っても忙しいことになった。それでも、海賊戦だけは見に来てくれると約束してくれた。


 私は、安子と。ミカは、幸子と手を取り合って励ましあった。


「朱雀をよみがえらせてね。実態が、あるんでしょう。絶対友達になる」


 安子にとっては、初めて実感のある精霊になる。


「頑張る。・・ごめんね、イチジク大変そうだね」


「大丈夫よ。洋介もいるわ」


「海賊戦は見に来てくれるんでしょう」

「みっちゃんの応援に行く」

「うん、一応控えだけど、潔もね」

「船を漕げるの?」

「ダメみたい。だけど、操船や連絡係なのよ。たぶん来年からレギュラーよ」

「洋介に言っとくね」



 幸子とミカは、オズチ様に突っ込んだ話をされていた。


「ミミさまなんだけど、光色の先生みたいだよ」

「さっちゃんは、会ったことあるんですか」

「一回、ここに遊びに来てくれたんだ。とっても大きなフクロウだけど、優しいんだー」「私も会いたいです。ご先祖様の話を聞きたいです」 


 オズチ様が、横から、その前に朱雀だと、ミカに発破をかけた。


「ミカ、ポポワの瑞光を浴びてから朱雀に命名しなさい。言霊とは、魂の叫びじゃ。朱雀の心に届けと願うんじゃぞ」


「わかりました」


 幸子は、ミカの手を取った。


「ミカなら大丈夫だよ。根拠はないけど」

「根拠があるって言ってください」

「いいの、幸子は、ミカを信じているもん」

「はい、がんばります」


「幸子、ミカの代わりに、言霊を覚えなさい」

「えー」

「ぶふぉ、ミカに教えたらいいじゃろ」

「わかった」

「がんばって!」

「ミカもね」

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