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オカルトクラブと翼の少女  作者: 星村直樹
幸子
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安子と洋介2

 北海道花の写真展は、思った以上に盛況で、思った以上にすばらしかった。安子は、紗江子さんのアドバイス通り、洋介を無理して自分から話し掛けないで、自然な流れの中で、二こと、三こと話しているだけだった。安子が、ニコニコしているほど、洋介は、落ち着かない様子だった。展示場は広くて座って休む事も出来るようになっていた。そこで、なかなかの風景を私達は見た。中央の一番奥にラベンダー畑の大きな写真がある。いろいろな色のラベンダーが、縞模様になっていて、おくには、小さなかわいい家が建っていた。安子は、この写真を見ながら、幸子と話している。


「さっちゃんは、ラベンダーの花言葉憶えてる」


「清潔、優美だけど。一番は、期待かな」


「そうよ花言葉は、『貴方を待っている』だから」


「きれい、行って見たい」


「じゃあ、ラベンダーの効能知ってる?」


 幸子は、安子から離れた。


「ハーブティーだって、アロマオイルにだってなるんだろ。ハーブバスにしてもいいよね」


「正解。ふふ、吸引にも使えるって知ってた」


「知ってるよ。安子が教えてくれたんだろ」


「洋介君!・・ごめんなさい」


「なんだ、独り言だったのか」


「写真綺麗ね」

「そうだね」


 二人の会話は、それ以上続かなかったが、幸子の嬉しそうな表情が印象的だった。



「みっちゃん見た?」


「見た。ミカは」


「二人とも元気ですよね。私達はもう、見終わったのに、まだ半分ですよ、あの二人」


「そうじゃなくって、安子の笑顔だよ」


「そうよ、二人共楽しそうじゃない?」


「そうですよ」


「今頃気がついたんでしょ」


「は、はーん。潔がいないから、そっちに気をとられていたな」


「そんなことないです」


「そっか。光色の訓練で、潔に抱きつかれていたもんね。気にしないわけないか」


「ペンダントを外して貰っていただけです。変なこと言わないでください」


 美代子と、麻衣子の冗談を真に受けて、ミカは真っ赤になっている。


「洋介は、そらまめを神聖林のハンカチに包んでいたじゃない。だから、さっちゃんと話せないはずなんだ」


「洋介君偉い。自分から、安子に話し掛けたのよ」


「さっちゃんが近くにいるって知っているからじゃあないですか」


「それでも、二人は、一歩踏み出したじゃない。ミカとは、大違い」


「潔遅いわね。トイレかしら」


「二人とも、からかわないで下さい」


 ミカの小姑をやりすぎたらかわいそうだと、美代子と目で話した。潔は普通にトイレに行っていただけで、私達同様写真を見終わっている。


「なんだあの二人、普通に話しているじゃないか」


「潔さん!」


「そうでもないのよ」


「さっちゃんが居るからじゃない」


「洋介は、緑川の気持ちが分からないんじゃないか。バカだよね」


 この分かったような発言には、カチンと来る。私と美代子は、心の中で呟いた。


 バカは、あんたよ

 コイツ、一回殴りたい


「白川の家の庭で、洋介の本音が聞けたんだ。洋介は、花屋をやりたいんだよ」


「そうだとは、思っていたけど、詳しく聞かせて」


「この話しには、幸子さんも緑川も関係している」


 途中から二人で回りだした、洋介と安子を見ながら私達は、潔の話しを聞いた。洋介に幸子が必要なことは、分かったが、根本的には、安子と花屋をやれば済む事だと思った。


「なんだ、簡単そうじゃない」


「二人で、花屋さんをやればいいんですよね」


「そうかな、洋介君は、二年も口聞いてくれなかったのよ。大きなきっかけが必要よ」


「それって、幸子さんのことだろ。びみょうだな」


「微妙ね」


「うちのお母さんが、秘策があるって言ってたじゃない。私達は、様子見よ」


「紗江子さんは、洋介君と安子の二人で解決しないと、意味ないって言ってたわ」


「このままオレ等と遊んでいても、時間が解決してくれると、思うけど」


 笑顔の安子と微妙に腰が引けている洋介、二人の周りを回ったり、安子にべったりな幸子を見て、時間もそう掛からないかと思った。


 翌日、ハーブティーのお茶会で紗江子さんは、メンバー全員を連れてハーブ園に行くと宣言した。白川のおじさんは、大きな車を持っている。一緒にいた良子さんも行くといい、綾瀬家も全員ハーブ園に行くことになった。ハーブ園は、翌週の日曜に決行される。瀬戸内海は、七夕前に実質の梅雨明けがくる。気象庁の梅雨明け宣言は、相当遅くまでずれ込むが、七夕は、晴れている事が多いのだ。日曜は、七夕を越えている。翌週の日曜は、爽やかに晴れた。

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