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第26話 大聖堂の小さな魔王(後編)

今回で過去編は終わり


2017/5/15 10:00改稿

 ややこしいので教皇の法名設定は削除。

 レオン10世(法名)→マルコス(本名)に統一しました。


2017/5/15 23:45改稿

 めっちゃレオン10世が残ってたので再度修正


 モナド教会の上層部には、フィオリアを毛嫌いする者も多い。

 その筆頭が、第217代教皇マルコスである。


「できそこないの聖女が。いまに引きずり落としてやるからな」

「そう言い続けて何年目かしら? 1年? 2年? いいえ、3年ね。小娘ひとり追放できないのだから、策略家ごっこは諦めなさいな」

「ぶぅ……っ!」


 豚のような呻きをあげるマルコス。

 彼は当時まだ25歳になったばかりで、「史上最も若く、最も肥えた教皇」と呼ばれていた。

 毎日のように暴飲暴食の贅沢三昧を繰り返し、その身体はまるまると太っている。

 うっかり階段から転がり落ちた結果、ゴロゴロゴロ! と聖職者数十名を弾き飛ばし、さらには大聖堂の壁をぶち抜いて外に飛び出した……というダイナミックな逸話の持ち主でもある。痩せろ。


「き、き、キサマ! ワタシは教皇だぞ!」

「そうね、教皇ね。教皇という地位には敬意を払うわ。だから式典でもちゃんと立ててあげる」


 お前自身には何の価値はない。

 言外にそう漂わせ、蔑んだ視線を送るフィオリア。

 ふるる、と怯えたようにマルコスは鼻をひくつかせた。


 この男が教皇になれたのは、高潔な人柄だったからでも、頭脳が明晰だったからでもない。

 実家のマルティアス家は商会を経営しており、その資金力によって教皇の座をもぎ取ったのである。

 

 ちなみにマルコスは、乙女ゲーム『深き眠りのアムネジア』にもサブキャラクターとして登場する。

 ロレンス・マティアスという攻略対象の、腹違いの兄である。


 ロレンスのルートでは、マルコスがアンネローゼに横恋慕しての三角関係となる。

 マルコスと結ばれるエンディングはひとつも存在しないが、それはおそらく美観の問題だろう。

 美女と野獣ならともかく、美女と家畜では絵にならない。


 さてそんなマルコスだが、ハインケルにも罵詈雑言を投げつけることがある。

 

「失敗作のガキめが。ワタシの視界に入るな、目が穢れるだろう」


 だが言葉とは裏腹、その視線は、じろじろとハインケルの幼い身体を舐め回す。

 朱色の頬、白い首、細い手足――。

 マルコスの顔には、ニタニタと粘着質の笑みが浮かんでいた。


「……ふーん」


 これまでのハインケルなら、気持ち悪さのあまり逃げ出していただろう。

 だが彼はフィオリアに出会い、深い薫陶を受けた。


 大人たちを嘲笑(あざわら)うのは、もうおしまいにしよう。

 相手の真理を読み、屈服させ、意のままに翻弄する。

 フィオリアが認めてくれたこの才能で、教会の頂点に挑んでみよう。


「目が穢れるなら、見なけりゃいいよね?」


 ハインケルは微笑んだ。

 だがそれは天使のように柔らかな表情ではない。

 ぞっとするほどに美しく、しかし鋭く冷たい、氷点下の笑みである。


「うっ……」 


 後ろに仰け反るマルコス。

 ハインケルは妖艶な顔つきのまま、1歩、2歩とマルコスに近づいていく。


「教皇サマ、ほんとはボクに構ってほしいんでしょう? 違うの?」

 

 やがて壁際に辿り着く。

 端から見れば奇妙な構図だろう。


 肥満体の大柄な男が、小さな小さな少年に威圧され、壁に張り付いているのだから。


「……こんな子供に怯えて、恥ずかしくないのかな?」


 クスクスと声をあげるハインケル。

 マルコスのほうは、緊張のあまり窒息死しかねない状況に陥っていた。


 ……ちなみにそれを陰で見ていたシスターたちは、美少年と中年! 美少年と中年! と騒いでいた。なおマルコスは中年体型だが25歳である。20代中盤であって人生中盤ではない。


「つまんないの」


 突然のことだった。

 興味をなくしたように嘆息すると、ハインケルは踵を還す。

 それから、マルコスが緊張を解いたところを見計らって――


「じゃあ、また遊ぼうね。教皇サマ?」


 再び、絶対零度の笑みを向けた。

 その視線に射貫かれて、マルコスは腰を抜かす。

 司祭たちが通りかかるまで、自力で立ち上がることはできなかった。

 




 

 * *





 

「ハインケル、上手くやっているみたいね」


「教皇サマって、意外と押しに弱いんだね。今じゃボクの姿を見ただけで逃げていくんだ」


「苦手意識はなくなったかしら」


「うん。……正直、あの目つきが怖かったんだ。ありがとう、フィオリア」


「構わないわ。それにしても、自信過剰な貴方にも恐ろしいものがあったのね。可愛らしいこと」


 ぽんぽん、とハインケルの頭を撫でるフィオリア。


「……子供扱い、しないでほしいな」


 不満そうに口をとがらせるハインケル。

 とはいえフィオリアの手を払いのけたりはしない。

 彼女の膝に座り、居心地よさそうに揺れている。


「そういえば、ヴィンセントだっけ。トリスタンの王子様。どんなヤツなの?」


「ハインケルが6歳だから……2つ下ね。まだ4歳だけど、難しい本をたくさん読んでるわ」


「ボクも4歳のときには聖典をぜんぶ暗記してたよ」


「賢いのね」


「ふふーん」


 ハインケルは誇らしげに鼻を鳴らす。

 それは「可愛い子供」としての演技ではない。

 素の、少年としての姿だった。


「ところで、さ」


 ふと、声のトーンを落とすハインケル。

 数秒の空白の後、探るように問い掛ける。


「フィオリアとヴィンセントって、どういう関係なの? 公爵令嬢って、王族とそんな気軽に会えるものなの?」


「普通は無理ね。……けれど私は、婚約してるから」


「…………っ」


 ぎり、と。

 ハインケルは歯噛みしていた。

 無意識の動作である。

 胸の中に、焦げ付くような感情が広がっていく。

 苦しい。

 苛立たしい。

 フィオリアは、世界でいちばんはじめに、ほんとうのボクを見つけてくれた。

 誰もがボクの才能ばかりに目を向けるなかで、「ハインケル・ウィンフィールド」という人間と接してくれた。

 特別な女性(ひと)なんだ。

 

 それなのに、遠くに行ってしまうんだろうか。


 気に食わない。

 目の前にいたら、たぶん、掴みかかってる。


 ……いたって平静を装い、ハインケルは話を続けた。


「ヴィンセントと婚約してるの? むこうは4歳だよね? 年、離れすぎだよ。おかしいよ」


「違うわ。私の結婚相手は、第1王子のオズワルドよ」


「……えっ?」


 初めて出てきた名前に、ハインケルは戸惑う。

 

「だから私は、ヴィーの義姉になるわね」


「オズワルドとの結婚式は、いつなの?」


「向こうが20歳になってからで、私のひとつ下だから……7年後ね」


「――わかった」


 こくり、とハインケルは頷く。

 その眼には、かつてないほどの決意と野心が宿っていた。


 7年のうちにモナド教を掌握する。

 マルコスも上層部もみんな操り人形にして、聖女の制度を変えてやる。

 結婚を禁じて、ずっと聖都で暮らすように定めよう。


 そうしたら、ボクはフィオリアを独り占めできるから。


 幼い思いは純粋で、ゆえにこそ加減を知らない。

 

 ハインケル・ウィンフィールドという少年は、この日、決定的な変貌を遂げた。

 悪魔的な美少年から、己が望みのためにすべてを利用する魔王へ。




 それからしばらくして、秋の式典が終わるとフィオリアはフローレンス公爵領へ戻っていった。

 翌年はマルコスの体調不良により、多くの式典が見送られた。


 フィオリアとハインケルが再び顔を合わすのは、2年後。

 フィオリアにとっては16歳の秋。


 彼女のとある行動が、ハインケルのもくろみを打ち崩すことになる。


 




 * *






 きっかけは、ひとつの事件。


 モナド教による免罪符の販売である。


 教皇マルコスとその取り巻きたちは毎晩のように宴を催し、さながら宮廷貴族のような生活を送っていた。

 そのせいで教会の財政はギリギリのところに追い込まれ、もはや破綻寸前。


 だがマルコスという男、商家の生まれだけあってか金儲けの才能はあったらしい。


「これを買えば、死後の裁きは免れる!」

「軽い罪なら免罪符1枚! 重い罪なら免罪符10枚!」

「先祖の罪にも有効! 亡くなった父母に、死後の親孝行を!」


 そんな謳い文句で免罪符を売り出し、相当の儲けを出していた。


「金に困って詐欺に手を出すなんて、ダメ人間の典型じゃない。モナド教もずいぶんと堕ちたものね」


 式典のシーズン。

 聖都ミレニアを訪れたフィオリアは、教会のやりかたを痛烈に批判した。

 陰口ではない。

 教皇マルコスを目の前にして、何ら臆することもなく、堂々と言い放った。


「貴方のようなブタを教皇にしておくよりは、家畜小屋のブタに法衣を着せたほうがずっとマシよ」


 マルコスの就任5周年を祝うセレモニーの真っ最中。

 各国の要人や高位司祭が居並ぶ中での事件である。


 誰も彼もが恐怖に震えていた。

 なぜなら“暴風の女帝”の異名は、すでに大陸全土に轟いている。


 曰く、汚職司祭を殴り倒し、教会の十字架で逆磔(さかさはりつけ)にした。

 曰く、孤児院の子供に手を出そうとした司祭を()()()

 曰く、ただの水をポーションと偽って販売した司祭を釜茹でにした。


 ひとたび悪と見れば徹底的に叩き潰す、嵐のような聖女。

 そのエピソードはいくらか誇張されているものの、おおむね事実である。


 免罪符商法によって人々の生活はかなり圧迫されており、フィオリアとしては見逃せるものではない。

 マルコスに《神罰の杖》が落とされるのも時間の問題だろう――。


 高位司祭たちはすでにマルコスを見捨て、次の教皇選へと考えを巡らせていた。

 おおマルコスよ死んでしまうとは情けない。今度の教皇はもっとうまくやってくれるでしょう。……なんとも冷たい話である。


「ブ、ブ、ブ、ブヒィ?」


 マルコスは怯えるあまり、媚びた笑みとともにブタのものまねをした。

 場の空気を和ませるための、一世一代のジョークだったのかもしれない。


 当然ながら、逆効果だった。


「……分かったわ。貴方、死にたいのね」


 フィオリアは右手にリンゴを掲げる。

 ただの果物ではない。

 リンゴは、モナド教において「智慧の果実」として深い意味を持つ。

 教皇は聖女からリンゴを授けられ、それをかじることによって教皇としての資格を得る。

 毎年のセレモニーでは、フィオリアがマルコスにリンゴを渡すことになっていた、が――


 ぐしゃり。

 

 リンゴは握り潰された。

 他ならぬ『聖女』フィオリアによって。


「塵ひとつ残さず天に還してあげる。免罪符のストックは十分かしら? 神様に許してもらえるといいわね」


 彼女は本気で《神罰の杖》を落とすつもりだったのだろうか?

 それとも、ただの恫喝だったのだろうか?

 答えは分からない。

 なぜなら、


「――ちょっと待とうよ、聖女さま」


 ひとりの少年が、フィオリアの前へと歩み出た。


「教皇サマはともかく、建物に罪はないよね。《神罰の杖》を落とせば、せっかくの大聖堂が壊れちゃうよ?」


 セレモニーは聖都ミレニアの中心部、モナク大聖堂で執り行われていた。

 高いアーチ状の天井は美しい宗教画によって彩られ、芸術的・歴史的価値は計り知れぬほど。

 空を舞う天使たちは繊細なタッチで描かれ、その姿は見惚れてしまうほどに美しい。


 少年……ハインケル・ウィンフィールドは、天使すら霞むほどの美少年へと成長を遂げていた。

 もし彼のように見目麗しい死神がいれば、男女の別なく、魂を差し出してしまうに違いない。

 

 儀礼用の白い法衣が、小柄で均整の取れた身体を包んでいる。

 背中には青色のマント。これは神学アカデミーの主席を示すものである。

 ハインケルは2年の間、その天才ぶりをあますところなく発揮した。

 初等どころか高等神学校を飛び級で卒業し、アカデミーでも多くの論文を発表している。


「……建物に罪はない。貴方の言うことは間違ってないわ、ハインケル」


 再会を懐かしむように頷くフィオリア。


「けれど、免罪符は民の生活を圧迫している。私は聖女として、マルコスのやりかたを認めることはできない」


「じゃあ、どうするの?」


「聖女としての特権を使わせてもらうわ」

 

 フィオリアの言葉で、大聖堂が静まり返った。

 要人たちも司祭たちも、驚きのあまり、互いに顔を見合わせる。

 

 モナド教での聖女は、神に愛された特別な存在である。

 人々を癒し、闇を払い、地上に光をもたらす使命を負っている。

 それを果たすためにいくつかの特権を与えられており……その中のひとつに、教皇の弾劾権があった。


「私の破門と引き換えに、現教皇マルコスの退任を要求するわ。

 ……もし却下するのであれば、ここに神の裁き(神罰の杖)が落ちると知りなさい」


  

 



 教皇マルコスは、ほどなくして退位となった。

 在位期間は5年と少し。

 モナド教の歴史を振り返っても、トップクラスの短さである。


 他方、フィオリアは破門……とならなかった。

 どうやら裏でさまざまな政治的思惑が働いたらしく、


「フィオリア・ディ・フローレンスは癒しの力を持たぬゆえ……」


 という理由で聖女認定を剥奪されるにとどまる。


 ただ、この一件でフィオリアは「真の聖女」としての名声を高めている。

 もしも彼女が破門になっていれば、人々はモナド教上層部に対して激しく反発していただろう。

 あるいは新たな派閥……フィオリア派が生まれ、改革の嵐が巻き起こっていたかもしれない。


 その意味においてモナド教は、紙一重で命拾いをした、といえる。


 


  

 

 

 



  

 それから数ヶ月が過ぎたころ――

 フィオリアのもとを、ハインケルが訪ねてきた。


「フィオリア、キミ、ほんとうに無茶苦茶だよね」


「何のことかしら?」


「『教皇になりたくない?』なんて唆したのはそっちだろう? なのに、どうしてモナド教そのものを壊そうとするのさ」


「理由は2つあるわ」


 長い金髪をかきあげるフィオリア。

 その口元は、静かな笑みを湛えている。


「ひとつは、貴方がこの2年で予想以上に化けたから。私が全力を出すべき相手になったからよ」


「ふーん」


 ハインケルの返事はどこかそっけなく……ただ、僅かに頬は微笑を浮かべていた。


「ヴィンセントはどうなの? ボクと同じレベルなわけ?」


「あの子はじきに化ける。あとはきっかけ次第ね。楽しみだわ」


「そっか。ボクの方が先なんだ。……ふふっ」


「嬉しそうね」


「……別に、そんなことないけど。それで、もうひとつの理由は?」


「今回の免罪符もそうだけど、モナド教会はもう限界よ。長く続いた組織はどうあがいても腐敗する。生まれ変わるべきと感じたの」


「その点はボクも同じ意見だよ。でも、フィオリアのやりかたは極端すぎるんじゃないかな」


「かもしれないわね。教会を外から変えようとする私、内から変えようとする貴方。……綱引きの結果、悪くない結果に落ち着いたと思うけれど」


 

 フィオリアは破門にならず、聖女の称号を失うに留まった。

 モナド教は崩壊せず、しかし、マルコスとその取り巻きは処罰を受けた。


 実のところこの結果は、背後でフィオリアとハインケルの策謀がぶつかりあった産物である。

 

「いずれにせよ、モナド教そのものは残ってる。……この勝負、僕の勝ちだよね」

「あちこちでモナド教に疑問を持つ司祭が増えたわ。いずれ革命が起こるでしょう。……この勝負、私の勝ちね」


 両者ともに一歩も譲らない。

 勝者は己だと、何の疑いもなく信じていた。


 やがて、ふっ、とハインケルは表情を崩した。


「ねえ、フィオリア。ボクはいい遊び相手になれたかな?」


「そうね。悪くなかったわ」


「次は、絶対に負けを認めさせるよ。……そのための準備も進めてる。楽しみにしててよ」


「教えてはくれないの?」


「実は、黒き森への遠征が決まったんだ。このごろ魔物が増えてきてるし、モナド教も威信を取り戻さないといけないしね。ボクの先遣隊に加わることにした」


「貴方はどちらかというと、後方で指示を出すタイプと思うけれど」


「今のままじゃ実績が足りないからね。教会のトップには立てない」


 それから、とても小さな声で呟いた。「それに、いずれトリスタン王国ともやりあうことになるだろうし」


「何か言ったかしら」


「気のせいじゃないかな?」


 肩をすくめるハインケル。


「じゃあ、また。次に会うのは3年後くらいかな。……今度はボクが勝つよ」

「いいえ、私よ」


 お互いに不敵な笑みを浮かべて別れる。



 それからほどなくして、モナド教は聖戦(レコンキスタ)を宣言。

 聖十字軍との名を与えられた騎士たちは、史上13回目となる黒き森への遠征に向かった。


 そして年が明けた次の春――フィオリアが昏睡状態になったのと時を同じくして――魔物の大発生(スタンピード)が起こる。

 これによって聖十字軍は壊滅的な打撃を受け、撤退を余儀なくされる。

 なお、その戦いにおいてハインケルは行方不明となった。


 味方を逃がすために囮を引き受けたとも、彼の才能を妬んだ聖騎士(パラディン)に謀殺されたとも、東方出身の暗殺者に討たれたとも言われている。



 

 

 




 それから20年後。


 ――我が逆襲の刃を受けよ。その命でもって罪を贖え。


 血のように赤いインクで記された脅迫状が、ハインケルの死に関わった者たちの元へと届けられる。


 その中のひとり、マルコス・マティアスは弟のロレンスに相談した。……自分は教皇位を退いたあと、ハインケルを逆恨みし、東方の暗殺者をやとった。その報復がくるかもしれない、と。

 ロレンスは「自業自得じゃねえの?」と答えたあと、ため息とともに手紙を書く。

 彼は15歳のころ「教皇の弟」ということで特別にトリスタン王国の貴族学校に通っており、フィオリアとも同級生だった。そのツテもあり、彼女を頼ることにしたのだ。





というわけで現代に繋がります。

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