EP2-1 大分(オオブン)レンジ 人形遣い
アキコさん次の角を右、いでさんそこに二百円入れて・・・みんな僕のいう子をを聞いてくれる。けど本当にこれでいいのだろうか?僕の名前は大分レンジ。普通・・・ってよりは少々貧しい高校生さ。そりゃ餓え死ぬようなことはないけど金ないから学校卒業したら就職だね。
ところがある日僕はあることに気がついた。僕には他人を自分が望んだ通りにコントロールするメタの力があるということを。まあきっかけは町中で美人さんを見かけたときに胸元を見たいと思ったってわけさ。まあその時は驚いたけどね。
それから僕はこの力のことを誰にも言わずに隠しつつ精度を高めるための練習をしたんだ。そして今は半径10m以内なら同時に5人ぐらいを操ることができるみたいだ。けどね、こんな素晴らしい力を持っているにもかかわらず大したことはやってないんだよね。
じゃあ、僕はこの力で何をやっているかだって?食べ物やちょっとしたお小遣いを得ることさ。見ず知らずの人の頭を乗っ取ってからその人に何か食べ物を買わせてそれをどこか人目につかないところに置かせてから記憶を消すといった作業さ。僕は餓え死んだりするようなことはないけどいつものように腹が減っているんだ。
それにデカい犯罪やっちゃったら世間にバレちゃうだろ?だから僕はちょっとだけ得をするだけにしよう。僕はその辺の犯罪者と違って頭がいい。
なんてことを考えながら先ほど手に入れたハンバーガーをかじりながら有頂天になっていた。だが、今日自分がただの小さくて愚かな子供でしかなかったことに気づかされるのであった。
『オレ・・・いやっオレたちは知っているよお前の力を』
「えっ?」
『オレは今お前の頭の中に直接思念を送っている。念じれば直接会話ができる。』
『本当ですか?オレに何のようですか?』
『警察はお前のことを狙っている。その前にお前を「エディアカラの園」にスカウトしたい。』
『「エディアカラの園」ってあのテロ組織の?その前にあんたは誰だよ。』
『オレはクロマティークロマだ。今日はこの辺で帰る。明日時間あるか?そのときに姿を見せよう。』
『同じ時間なら。』(来なきゃ殺されそうだな。テロ組織だし。)
『よしそうしよう。お前に力に期待しよう。それと「これ」でオレたちのことを予習しておいてくれ。ついでに一回再生したらデータ消えるからな。』
『「これ」って何ですか?おーい。』
はっ気づいたら僕の手の中にマイクロチップが・・・スマホ通して読めってことか?ゾワ・・・もしかして僕はさっきまで頭を乗っ取られていたのか?もしかしたらクロマティーって人はずっと近くにいたのか?もしかしたらまだ近くにいて・・・そもそも今僕が見ているものは現実なのか?
とりあえず僕は家に帰ってからマイクロチップをスマホに入れて映像を見る。メタや弱き人間の開放か・・・僕は思うんだ。メタが差別を受けるのはテロ行為に手を染めるメタがいるからじゃないかって。
次の日ボクは約束の場所に約束の時間に行く。するとそこには革ジャンにサングラス姿の男が立っていた。彼か?
『そのとおり。俺だ。どうだ?そこの店でドーナツでも食いながら話すとしよう。』
ドーナツ・・・ゴクリ
『じゃあ行くか。ここからは口で話そう。肝心的なところはテレパシーでな。』「それとこれからは俺のことは先輩と呼んでくれ。」
「あっハイ。」
ボクひゃヨダレをふきつつクロマティーについていく。店内にてボクは彼から世の中がどんなに腐っていて、またボクにどんな力が宿っていてどう使えばいいかを。確かに世の中はおかしい、格差が日々大きくなる一方大企業にかかる税金が減り消費税がまた来年増える。やっぱり戦うべきか?いやっ相手に飲まれちゃいかん場合によってはクロマティーの脳を乗っ取って・・・いや相手はプロだ。だめかな?とりあえず質問。
「先輩が戦うべき相手は自分ですか?」『国ですか?オレ思うんです。国は俺たちを守ってくれているんじゃないかって。』
「違うさ。」『俺たち「エディアカラの園」が戦うべき相手は支配層と呼ばれる存在さ。この国のポリティシャン(政治家を馬鹿にした言い方、またも名言い方はステートマン)はみんな口をそろえてこの国を守ると公言する。だけどそれはこの国の誰かを守るかだって?自分に票を入れる人や献金してくれる人たちだけさ。今にわかる・・・違う、みんなもっと昔に理解すべきであった。』
「世の中ってそんなにいい加減なんですか?」
「もちろんそんな嫌な空気から逃れようって動きはあった。しかし、それらはことごとく潰されたり自滅したりだ。」『ところがな「エディアカラの園」は違う。なぜなら・・・中止!枝をつけられた!』
そういえばちょっと前からテレパシーに軽いノイズがかかっていたような。へぇ割り込めるんだ。スゲー・・・じゃなくてよく考えたれやばいじゃんかボク。テロリストと絡んでたとかケーサツに知られたら・・・ボク未成年だけどメタじゃ人間扱いされないじゃん!
「先輩どこに逃げます?どうやってケーサツから身を守るんです!?」
『バカッ!声がデカイ!ほら見ろ店員がこっち見てるぞ!いいか、命と将来が惜しかったら俺について来い。。それとホウレンソウを忘れるな!』
「ハイッ!」
『バカッ!テレパシーで返事しろ!とりあえず金払ったらここを出るぞ。』
クロマを会計を済ますと店の外に出ようとするがいきなり前に転ぶ。いや転ばされた。店の入り口には刺客が立っていたのだ。ウソだろ?何?このマンガかラノベ(ラノベですこの話し、ついでに作者は本は読むけどラノベは読まない人)みたいな展開。
刺客はところどころに小さな穴の開いたシャツを着て頭の襟足を三つ編みにした大学生ぐらいの男であった。もしかしてこの人警察じゃなくてヤクザ?どっちにしろ人生終わりだ。おっとクロマが頭を上げると刺客は口を開く。
「警察だ。おとなしくお縄を頂戴しろ。」
「オレは信じないぜあんたが警察だということを証拠出せよ。」
クロマに言いがかりをつけられた刺客は懐に手を突っ込んで警察手帳のようなものを取り出す。刺客は一瞬ドヤ顔をするものの二秒で崩れる。クロマはメタの力で彼の手帳を弾き飛ばすと立ち上がってから蹴りを入れる。
「今度こそ逃げるぞ!囲まれたら終わりだ!
『ハイッ!敵は何人ですか?それとテレパシー。』
『まだ分からん!とりあえず敵をまくぞ!』
クロマは僕の手を引いて走り出す。町は人ごみが少なく僕たちは少し目立つ。けどここから50mも走ればスラム街(いわゆる貧乏人の村、2017年現在の日本にはない)にはいることができる。まあそこまで行けば逃げ切れるかな?
ビシュッ!ピチャッバタッ
クロマは再び転ぶ。よく転ぶなこの人・・・ん?肩から血が・・・
「動くな・・・次は頭だ!」
刺客は右手にベアリングを持っていた。どうやらこれを飛び道具として使ったようだ。クロマは僕の背中を押すと同時に頭の中に地図のイメージを送ってくる。僕だけ逃げろと?それから彼は刺客に立ち向かっていったものの二発目のベアリングを足に食らった後みぞおちキックでKOされる。なぜ?メタって銃弾防げるはずなのに。(レンジの誤解、メディアのせい、カヲリのような力の強いメタなら3m先から撃たれたピストルを正面から防ぐことができるもののシヲリのような弱いメタにはこのような芸当はできない、ついでにクロマが刺客の撃ったベアリングを避けることのできなかった理由は刺客が撃ったベアリングを空中で方向転換させて一時的にクロマの集中力を削いだため)マズイ次の間とは僕だ。逃げないと。
「そこの少年、そこでおとなしくするんだ。抵抗すると罪が重くなるぞ。」
刺客はクロマに手錠をかけながら僕に警告してくる。やだっ警察はヤダ・・・次の瞬間僕は近くにいた野次馬や通行人の脳みそをのっとると刺客を襲わせた。
つづく