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始まりの終わり  作者: 素巴(モトドモエ)キリマ
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EP1-1 千野華(ちやか)カガリ テロリストを討て

主役は一話ごとに毎回変わります。

 オレの名は千野華チヤカカガリ。AMPの隊員である。そして、今テロリスト十数名が日本状況テレビ本社を占拠しているのである。オレは今そのテレビ本社の前に停められた警察車両の中にいる。

 その前に今の時代について説明しておこう。二十一世紀の中盤ごろから世界はテロと感染症と国際ブラック企業の台頭等のせいで半鎖国(完全に国を閉ざしているわけではない、人や物資の行き来が制限されただけで株や投資、インターネット越しの交流は可能)がブームに、日本はというと一時は諸外国に依存していた食料や資源が消えるか否かで騒ぎになったものの国際企業に尻尾を振って無事鎖国。

 それで一時は落ち着いたものの九十年代頃に「メタ」と呼ばれる超能力者が出現。メディアも市民も大騒ぎ。今となっては収容所やリプレッサーチップのおかげで少しは落ち着いたもののメタへの差別やヘイトクライム(人種、民族、宗教ETCにかかわる特定の属性を有する個人や集団に対する偏見や憎悪が元で引き起こされる犯罪のこと、読者諸君はかかわるなよ)はいまだに続いている。 そんな社会に不安を持つメタの起こす犯罪や破壊活動を阻止するのがAMPの仕事というわけだ。

 というわけで本編に戻るとするか。テロリストたちが日本状況テレビを占拠したといっても実際に占拠しているのは一部のフロアだけである。人数が少ないうえに人質の面倒も見なくてはならないからな。

 敵が少数で荷物が多いとしてもこっちが有利にことを進められるわけではない。敵はメタである。今から十五分前にAMPとは別の組織である対テロ機動隊が突入を試みたものの失敗。逆に隊員の数人が捕虜になった。メタは数で攻めてどうにかなるものではない。

 おそらく上は今回の事件を世間の目を気にしてAMPの力を借りずに片付けようと考えているようだな。怖いのは次の選挙か?国際世論か?だがこれ以上をコトを「事なかれ主義者」どもに任せていたら事態は悪化の一途だな。オレは班長の判チョウに連絡をする。さて行動を起こすとするか。

 約十五分後にAMP参班はテロ現場の指揮権をすべて手の中に収める。トリックは実に簡単だ。判がオレが手に入れた機動隊の指揮官の一人の未成年売春の証拠写真と彼に近い国会議員の汚職の証拠を上層部に送りつけてやったってわけだ。というわけではじめるとするか。

 『シヲリ始めるぞ。準備はいいか?』(『』は通信やテレパシーによる会話を示す)

 『ハイ喜んで~』

 『オーヴァーロードさん入り口のほうは?』

 『三十二分以内なら保障する。ところで敵さんが犯行声明を出したぞ。テレビを見るんだ。』

 『ああ。』ピ

 『われわれはエディアカラの園です。日本全国の皆さん見ましたか?人質が大勢いる中にいるにもかかわらず警察は機動隊をわれわれに差し向けたのです。これが警察や政府のやり方です。次に機動隊に襲われるのはテレビの前の皆さんです。日本中の皆さん目を覚ましてください。我々はエディアカラの園です。我々は決して皆さんの敵ではありません。みんなと一緒に素敵な未来を作って以降じゃありませんか。偽りの「平和」を破り真の「平和」を手に入れようじゃありませんか。そして警察と政府にしっかりと痛い目にあってもらいます。殺人丸用意。ハイここにいるのは日本経済テレビをマスメディアの使命を放棄して現政府の広報役に堕とした犬下という男です。この男を今粛清します。殺人丸!』ズバッ!!

 フムフム最後のところだけいい気味だ権力の犬めが。ってオレもか。さて、機動隊の第二波を送ってと・・・

 三分後、オレは部下のシヲリと共に匍匐前進をしながらテレビ局に近づくと資材投入口から進入するとショットガン(通常のものよりは長さ短め)を構えイヤホンでオペレーターの指示を聞きながら敵のいるフロアを目指す。

 一方でシヲリはオレよりも薄い防弾チョッキを着ている以外はほぼ丸腰である。まあ、オレの班はめったに人を殺さないしカヲリも格闘戦向きだからな。

 (オペレーター)『カガリその階段を上ったところで敵と遭遇するぞ。』

 『通信をモールス(オン・オフ等二つのパターンを使って通信をする手段、AMP参班には独自の暗号がある)に切り替えてください。』「カヲリ、ダイブ(メタの力で他人の頭の中をのぞくこと)だ。オレの後ろにつけ。」

 「リョーカイ。」(某巨大ヒーロー等でもよく使われる「了解」、本当は目上の人に使ってはいけない)

 オレは小走りで階段を上って二人の敵を発見すると迷いもなく二回引き金を引いてサイトを引っ張る。敵二人は撃たれた衝撃で後ろに飛ばされる。だが二人とも血を流さない。なぜならオレが使った弾はゴムスタン弾(非殺傷用の弾)だったからである。二人は気絶する。こんな派手なことをして大丈夫かだって?まあ大丈夫だろう。機動隊に第二回突入をやらせてオトリになってもらっている。ついでに隊員たちにはとにかく派手に暴れて自分の命だけは守るように言っておいた。

 だからオレは今のところ好きに暴れまわることが可能である。とりあえず先ほどの二人に手錠をかける。

 「シヲリ入れ。」

 シヲリは倒れた敵の一人の頭に手を当てて目を閉じる。シヲリはメタの力を使っているのである。それは人の頭の中をのぞいたりハッキングする力である。まあヘマを侵すと自分の頭を他人にハッキングされるというリスクがあるが・・・おやっシヲリの様子がおかしい。

 「おい、どうした?」

 「この人たちメタじゃない。」

「操り人形(メタに頭をハッキングされて操られた人のこと)か?」

 「それも違うみたい。ハッキングの痕跡がないわ。自分の意思で入ったみたいね。「エディアカラの園」に。」

 「どうやら「エディアカラの園」はただのテロ組織ではないようだな。何か情報を持ってなかったか?」

 「今回のテロの目的は世間に「エディアカラの園」の存在を知らしめること。」

 「わかった今は制圧を優先だな。」

 オレはモールスでオペレーターと交信し安全な道を選びながら上のフロアを目指す。しかし、案の定敵と遭遇することになる。まあいくら機動隊の相手をしているといえども防御が0になるわけではない。やはりオレはショットガンの引き金を引く。しかし、すべての弾は敵の目の前で弾かれる。こいつはメタか。敵は右手をこちらに向けてくる。次の瞬間青い光の玉がこちらに飛んでくる。マズイッ!!死っ?

 しかし、シヲリはオレの足に自分の足を引っ掛けて転ばせて光弾の命中を阻止する。オレは受身を取って地面に倒れこむともう一度ショットガンを撃つ。敵は再び弾を弾くと手榴弾を投げつけてから逃げ出す。オレとシヲリは物陰に隠れて爆風をやり過ごす。

 「オイッ!シヲリバリア(メタの能力の一つ、力の弱いシヲリの場合は5m先のピストルの弾を防ぐことができない)で守れよ!」

 「私のことをもう少し女として見ていただければ・・・」

 「その話はいいから急ぐぞ。今のでオレたちの存在は向こうにバレたはずだ。」

 メタはテレパシー能力に秀でたやつが多い。個人差はあるがシヲリは知り合いでオレのような非メタ相手だと500mほど先でも話が通じる。一km先になると複雑な会話は不可能になるが。

 オレたちが進んでいると先ほど戦ったメタが仲間を一人連れてくる。二人とも銃やナイフを持っていないところからメタの力にそれなりの自信があると見た。オレは敵に向かって銃を撃つ。もちろん一人がメタの力で弾く。だが、これは計算どおりの動きである。二人が弾に気を取られている隙にシヲリが横から回りこんでとび蹴りをお見舞いする。するともう片方の敵がオレから目を離す。

 オレはその隙にショットガンを投げ捨てるとホルダーから愛銃(外見はグロックに近い、最大の特徴はバレルと弾以外はセラミックス製であること)を取り出しこれの銃身を握って敵の顔面を殴る。もちろん敵は一発KO。目が覚める前に手錠をかけて首筋にマイクロマシンを注射する。

 一方のシヲリも巴投げで敵を圧倒するとメタの力で右手で大気中の窒素を振動させメスのように敵のアキレス腱を切断する。もちろんこいつにも手錠をかけて首筋にマイクロマシンを注入する。オレは機動隊に連絡をする。

 『・・・はっ了解。』「表は陽動かよ・・・」

 「かがりさん・・・誰かが覚醒(要はメタの力が目覚めたってこと)しました。すごいパワーです。」

 「・・・メタは感染するってやつか。とにかく全員を確保する。人数はどうだ?」

 「間全体三名不完全体(メタの力が発生しただけで安定しない人のこと、歳が高い人ほど精神に以上をきたす可能性が高い)四名。しかし、近くに人が多すぎて正確な数はちょっと。」

 「わかった。敵は3+Xか。機動隊には無駄足を踏んでもらうか。」


 つづく・・・

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