青と黄
ああああ…鼓膜がビリビリする久しぶりにこんな大声を聞いたかもしれない
近隣に家がなくてよかった。
あったら確実に苦情の嵐だ
『静かにしてくれ』
夜中と朝方の中間だぞ!ガタガタと震える背に声をかけると先程までにこにこしていた男とは思えない眼光で私を睨み付けてきた。
「っ何よこの部屋!!塵だらけだし、服が脱ぎ散らかしっぱなしで足の踏み場もないじゃないの!」
「あり得ないわ…」ぼそりと呟くと入りたくなさげにじりじりと後退りする男の肩を叩き『この部屋が一番綺麗なんだ。不満ならリビングで寝ても良いからな』慰めるよう肩を叩き『と言うことで解散おやすみだ』手を振り早々に自分の部屋に戻ろうとすると
後ろから伸びてきた手に首根っこを捕まれた
『何をする「掃除するわよ!」ぴしゃりと言い放った。
『えっ?』
いやいや寝るって言ってるのが分からないのか?
「何か文句があるの?」
『滅相もないです。』
般若のような顔をしたオカマ相手に一人でやれと言えるほどの度胸は今の私にはなかった
これはまさかの朝まで眠れないパターンだろうか?
「じゃあこれね」
渡された雑巾片手に日頃の自分のだらしなさを今日ばかりは恨んだ。