別解
ちょっとだけカッコつけてみたり
結論から言うと、
仲間が増え、武者ギルドは解散、パン屋さんギルドが新しく作られました。
真面目を絵に描いたような超阻壁さんもキノトグリスの血を吐くような叫び(説得失敗の暁には雨雨さんが物理的に吐かせる予定でした。)によって承諾しました。
雨雨さん鬼畜・・・。
そして今取り敢えずお客様に皆様お帰りしていただいて部屋を片づけている。
「でもなんで解散させなかったんです?皆さんをみてると正直このギルドに超阻壁さんを呼びたかったワケでもないと思うんですが?」
自分の片づけは一段落したので一足先に皿洗いを終えてぼーっとしていた桁桁さんに話しかける。
「ん?あー、まぁぶっちゃけ戦力は十分だもんね♪」
「はい、というかこのギルドワザと人を加入させなかったでしょう。」
「あ~ははは♪つくつくちゃんほんっと頭良いねぇ?そう、その通り♪」
そう、そもそもいくら作る物が可笑しくて、生産職ですらない者達が生産している変人ギルドとは言え、巨大なギルドホームが持てるほどの資金、イベント上位に食い込む実力者を併せ持つこのギルドに加入申請者が集中しないはずがないのだ。
「じゃあさ♪何でだと思う?」
なんで?なんで加入者を拒否っていたのか?
変人限定です、とか? 何故俺入れたし。
実績重視で、一見さんお断り。 だから何故俺入れたし。
リア友限定で。 この世界から出れないのに?リアルを重視する様な常識人がこんなゲームやるか?あ、そもそもココ変人しかいねぇんだっけ。
ん~?
「分かんないですね。」
「いやまぁギルメンの推薦が有れば入れるよって話なんだけどね?」
「え、」
なにそれ普通。
「実際に杢杢は雨雨の推薦だしさ?」
「あ、それは何となく分かります。」
うん、ちょくちょく敬語だし、なんだかんだまだまともな方だし。
「ふふふ♪俺達はギルド戦に殆ど興味はなくて、友達も少なかった、と。それだけさ♪」
何で今こんな話をするのか。
えっとつまり
「友達がほしかったんですか」
「え、ちょ?語弊があるよ!?そしてなぜか視線が痛い?そんなコミュ障みたいな言い方しないでよ♪まぁ行き先ないなら拾ってあげてもいいか、てね♪」
ああ、そうか。
俺もそういえば行き先はなかった。
あのままだと一人でつまらない余生を過ごしていたかもしれない。
ここに入団していなければダンジョン作りなんて生き甲斐もなければ、変人だが愉快なギルメンとダンジョン運営することもなかったのだ。
陽陽もそうだろう。
世間の『彼女』達への風当たりはまだキツい。
じっさいこの世界に来て彼女は容姿を女に変えた。
「陽太くん」から「陽陽ちゃん」へと。
自己申告しなければ女にしか見えないように。
それはつまり、そういうことだろう。
杢杢さんもきっとそうだ。
あそこまでミリタリーに固執するのは何かから逃げているから、いや、いわゆるオタクであるが故に現実逃避気味にのめり込んだのか。
なんであれ、この世界へと『逃げてきて』さらにミリタリーへとのめりこみ『逃げ続け』ているならそれもまた、そういうことだろう。
このギルドは
そう言うものなのかもしれない
少数派の職人気質。
少数が故に理解されず虐げられる人々。
それらの人々の居場所を少しでも作る。
そんなギルドなのだろうか。
もしかしたら彼ら自身もまた逃げているのかもしれない
桁桁さんのチャラい姿から垣間見える真面目な言動。
雨雨さんの他人を騙し、何かをひた隠しにする姿勢。
きっとその仮面によって何かから自分を守っているのかもしれない。
現実では出来ない完全な自己中心的な生活のできる仮想空間。
そんなゲームの世界で、人を救おうとする変人ギルド。
そんな変人なら俺もなっても良いかもしれない。
改めてこのギルドに入って良かったと思えた。
1割、いや5分くらいだけだが。
いや全部想像だしな?
カッコつけてみようかと思ったんですが
そんな真面目な話じゃないよね(笑)




