墜ちても聖職者
次はこの人!
「・・・。脆すぎますよ。」
そう呟く雨雨の足下にはしなもんろーるが転がっていた。
「・・・いや?案外そうでもねぇぜ?」
ぺぱろにぴっつぁが声を出すと
「オラァ!!」
しなもんが倒れたまま槍を雨雨に叩きつける
しなもんの槍[ヨロイドオシ]は突くための物で、横なぎに叩き付けても意味はない。
だが、
[しゅん][シュン][シュゥン]
そこに速度を変えて同時に当たるようにしたぺぱろにの矢が飛来する。
「[火鏡]。[風法 舞]」
雨雨の眼前に円形に生まれた炎の盾が巻き起こる風を受けて大きく燃え上がり木製の矢を燃やし尽くす。
「[あくあすぴあ]!」
[ジュバ]
しなもんの槍が水のオーラを纏って炎の盾を消火しさらに雨雨の胸めがけて伸びる。
「ほう。なかなか。」
呟きながら雨雨は槍をギリギリ半身になってかわす
胸をぬらすもダメージは通らない。
「[エレアロウ]!」
雷の矢が飛来する。
しなもんの槍目掛けて。
「ふむ。[みずたて]。」
少し雨雨から離れたところへ水の盾を生み出し、
「失礼。」
しなもんを蹴りつける。
[バシャア]
[アゥアゥアゥアゥ]
雷気をまとった盾にシナモンがぶち当たり感電した。
「しなもん!」
[シュゥン]
ぺぱろにが援護射撃を行うが
「風雷よ土煙を、水火よ露霧を、土霧よ結界を。[結界、土]。」
雨雨の周囲が円形に陥没し、土煙が立ち込める
[ガツ][ガツ][ガツ]
飛んでくる矢は全てその円の中へはいると泥に絡め取られ地に落ちる。
「来ないのですか?」
「・・・ジーさんアンタいくつ魔法系スキル持ってるんだよ?」
すでに火、土、水だ。プリーストだから多分光もだろう。
さらには[魔法]以外にも[結界術]、[呪術]、[術]、[陰陽道]、[法術]、[妖術]などの小分けされているのだが、その内の[魔法]、[結界術]、[術]、[法術]、[陰陽術]を見せている。
「さて?かぞえておりませんね。来ないのですね。では、[幻惑ノ声]。」
「・・・おいおい。冗談キツいぜ。」
[幻惑ノ音]は[幻術]スキルの上位魔法だ。
コレにより魔術の起動ワードの発したものと聞こえるものを変化させるという技だ。
声は[火球]と聞こえたのに[アスクエーク]が発動したりする。
声は魔術に対する大きなアドバンテージである。
敵の呪文を目で見てから避けるのは難しい。
基本的に相手の声に反応して相手の呪文を事前に予測して回避するのだ。
ちなみに[詠唱破棄]や[無言詠唱]は技の威力が落ちる上にいくつかのスキルを取得しないと出現しないレアスキルだ。
よって魔術戦において敵の属性魔法に弱点属性で吸収して倍返しにするという行為が有効打であるかぎり
「今の状況は私が圧倒的に有利ですよね。」
だが、それだけでは終わらない。
「ですが古今東西、英雄というものは逆境に立ち向かってきました。あなたがたも精一杯足掻いて下さいませ?」
どっちが主人公サイドなのやら・・・(笑)




