第14話 笑顔
すると委員長は質問には答えず、代わりに満面の笑顔を見せてくれた。どういう意味だろう、はじめてみるぞそんな表情。
「クロネコくん、どんな構成にするか決まった?」
「ああ、ごめん、いろいろ考えたんだけど、委員長と二人で考えたほうがバランスも良さそうかなって結論になって……」
そういってごまかすと、委員長はうんうんとうなずく。おかしいな、今回は委員長って言ったのに怒られないぞ。
「そうだよねー、わたしもクロネコくん次第だけど、できればアーチャーかプリーストあたりを選びたいなって思ってるの」
「んー、正直に言っちゃうとさ、俺、弓も魔法も自信ないんだよね。委員長がそのどちらか選ぶのなら俺はありがたくファイターを選ばせてもらおうかな。そうすれば二人のバランスも良さそうだし、俺も分かりやすくて助かるし、委員長も好きなものを選べるし」
状況がちょっと複雑になってきたので、つい俺は本音をもらしてしまった。さっきのちびっ子のことが頭から離れず、考えていたことがそのまま頭の中からこぼれ落ちる。それにしても難度が高いと噂のアーチャーを候補にあげてくるとは思わなかった。
「ひょっとして気を使ってる? いいのよ好きなの選んで」
「いや、それが俺の本心だ。委員長こそ遠慮しないでいいよ」
「そう? じゃあわたしはプリーストで行くね」
「うん、その組み合わせでいこう」
そのまま少しの間が空く。なんだろう。ちょっと怖い。
沈黙に耐えられず、俺は話を振ってみた。
「そういえばカード引き換え券が二枚あるんだよね。何かお勧めある?」
「えーと、そうねー。『移動速度上昇』のカードくらいかな。こういうゲームだと足の速さって重要なことが多いのよね。運営もそれを見越してか、脚力系のカードはフリースロットに装備できないよう設定してるしね。まだ言い切れないけど、運搬力上昇は地雷の可能性が高いって噂よ」
「そうなのか。じゃあご忠告どおり一枚はそれにしよう。もう一枚はどうしようかな。あれ、補助系のスロットだけ埋まらないことになるのか」
「盾か隠密の二択ね」
もし隠密を選んだら、俺が攻撃を受けにくくなる分、委員長が攻撃にさらされることになるような気がした。盾を選ぶことにする。
「その二つなら盾かな?」
「それで構成は決まったわね。私ももう決まってるから、早速カード交換してきましょう」
委員長が急かすので、それに従い俺たちは再度カードショップに入店した。ちびっこたちと委員長の関係も気になったが、委員長が話したくないのなら聞かないでおこう。変な空気になるよりはこのままの方がいい。
俺は予定通りファイターセットと移動速度上昇、そして盾カードと交換する。それらを組み合わせ、構成は次のようになった。
成長スロット
基礎 空き:0/1
『基礎:体力 レベル 01/20』
脚力 空き:0/1
『脚力:移動速度上昇 レベル 01/20』
武術 空き:0/1
『武術:剣術 レベル 01/20』
魔法 空き:0/1
『魔法:強化魔法 レベル 01/20』
補助 空き:0/1
『補助:盾 レベル 01/20』
感知 空き:0/1
『感知:自己感知 レベル 02/20』
製作 空き:0/1
『製作:建設 レベル 01/20』
フリースロット 空き:0/3
『感知:敵位置探知 レベル 01/20 範囲+10%』
『感知:敵情報感知 レベル 01/20』
『補助:カード操作 特殊』【ロック】
保存スロット 空き:0/3
『武術:斧術 レベル 01/20』
『脚力:運搬力上昇 レベル 01/20』
『基礎:知力 レベル 01/20』
スロットはちょうど全部埋まった。一言で表現するなら軽戦士という感じになった。
委員長もスキルをセットし終わったようだ。そういえばプリーストを選んだようだけど、細かいところは聞いていなかった。どんな感じになっているのか気になる。
「なあ、委員長はどんな構成にしたんだ。見せ合わないか」
「見たいの? 見せたいの!? クロネコくんてエッチだね……」
「なんでだよ! 確認しておきたいだけだよ」
「……そんなに興味があるの? 仕方ないなあ」
委員長はぶつぶつ言っていたが、結局スキル構成を見せてくれた。




