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A month  作者: しぃ
3/30

3日.空耳

「私は耳が良いの」


「うさぎみたいだね」


「自信があるの。遠くの音も小さい音も聞き取れるわ」


「じゃあ、僕が何と言ったか聞き取ることはできるかい?」


「ええ、なんなりと」


「じゃあ、いくよ。――――僕はうさぎさんに惚れてしまったみたいだよ」


「あら、生憎あなたがなんと言ったかわからなかったわ。もう一度言ってくれるかしら。大きな声で、意味も添えて」


「ああ、君って本当は、うさぎじゃなくて賢い狐なんじゃないかな?」


風の音すら、愛の告白に。


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