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3日.空耳
「私は耳が良いの」
「うさぎみたいだね」
「自信があるの。遠くの音も小さい音も聞き取れるわ」
「じゃあ、僕が何と言ったか聞き取ることはできるかい?」
「ええ、なんなりと」
「じゃあ、いくよ。――――僕はうさぎさんに惚れてしまったみたいだよ」
「あら、生憎あなたがなんと言ったかわからなかったわ。もう一度言ってくれるかしら。大きな声で、意味も添えて」
「ああ、君って本当は、うさぎじゃなくて賢い狐なんじゃないかな?」
風の音すら、愛の告白に。
「私は耳が良いの」
「うさぎみたいだね」
「自信があるの。遠くの音も小さい音も聞き取れるわ」
「じゃあ、僕が何と言ったか聞き取ることはできるかい?」
「ええ、なんなりと」
「じゃあ、いくよ。――――僕はうさぎさんに惚れてしまったみたいだよ」
「あら、生憎あなたがなんと言ったかわからなかったわ。もう一度言ってくれるかしら。大きな声で、意味も添えて」
「ああ、君って本当は、うさぎじゃなくて賢い狐なんじゃないかな?」
風の音すら、愛の告白に。
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