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23日.夢の風景
「夢にあなたが出てきたわ」
「それはうれしいね。僕は何か言っていたかい?」
「笑っていたわ」
「そうかい」
「あなたらしくなかった」
「それを僕に言われてもね」
「でも、夢のあなたのほうが素敵だったわ」
「嫉妬するよ?」
「だってそう思ったんだもの」
「いったい僕は何をしたんだい」
「優しく頭を撫でてくれた」
「うん」
「大丈夫だよって言ってくれたわ」
「それから?」
「そっと口づけしてくれた」
「じゃあ、正夢にしてあげるよ」
夢の世界へ逃避行