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18日.桜色
「散っちゃったね」
「そうだね」
「なんだか切ないわ」
「そうかい?」
「だってもう見られないのよ。散ってしまった花びらたちは、もう咲くことはできないのよ」
「でも来年も咲くだろう?」
「同じ花が咲くことはないわ」
「別に、桜の花が主役ではないよ? 今は新芽が成長するし、夏には葉が茂る」
「そうね。でも私は春が好きだわ」
「じゃ、来年も二人で春を眺めていたいね」
「その時までにはもう少し素敵な人になっていてね」
「はい」
この話は、すとむみずみ氏の『カラレス-Coloress- 』で書かせていただいたものを(勝手に)若干リンクさせていただきました。そちらのタイトルは桜色ではありませんが。