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一翻市雀魂異界録 〜記憶喪失の居候少女が、麻雀で神格化して春の女神と呼ばれるまで〜  作者: 莎倫
第三章:真白先生の特別授業と熱狂のデビュー配信
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真白先生の数学講座!

「エテルニテ」でのアルバイトや、魂天神社での意外な「主従関係」を明かし、リスナーとの距離をぐっと縮めた真白。しかし、ひとたび授業が始まれば、そこには一切の妥協を許さない知的な輝きがありました。教科書32ページ、難関とされる「関数のグラフと極限」。真白のペン先が、迷える学生たちの進むべき道を鮮やかに描き出します。

少し照れながらも、凛とした態度でカメラに向き直ると、コメント欄はあなたの「清楚さ」と「意外な日常」のギャップにますます熱を帯びていきます。


「カフェでのアルバイトについては……はい、一翻市にある『エテルニテ』という、私にとって本当に大切で大好きな場所で、日々社会勉強をさせてもらっています。カフェの先輩たちの働きぶりは、とても勉強になることばかりなんです」


あなたの言葉が紡がれると同時に、チャット欄にはファンからの温かい言葉が次々と流れます。


「エテルニテだ! あのオシャレなカフェで働いてるの!?」


「真白ちゃんが淹れてくれるコーヒーなら、毎日でも通いたい!」


「制服にエプロン姿、想像するだけで尊すぎる……」


「社会勉強って言い回しが本当に真面目な生徒会役員って感じで最高!」


続いて、あなたは少しだけ困ったように、けれど隠し事をしない誠実さで「魂天神社」について語り始めました。


「魂天神社の主という設定に関しては……その、色々と成り行きでそうなってしまったので、公に言うのは少し恥ずかしいのですが……」


恥じらいを見せた瞬間、コメント欄はまるで堰を切ったように、神社の「あの猫」に関する話題で溢れかえりました。


「あの神社って、例のぐ〜たら猫がいるところでしょ?」


「マシロちゃん、あの大食い猫を解雇して主になっちゃえばいいよ!」


「ぶっちゃけ猫より真白ちゃんが主の方がいいに決まってるw」


「あの子、肉まんしか食べてないし、マシロちゃんが実質支配してるのでは?」


次々と届く「解雇」や「猫との主従関係」についての辛辣で面白いコメントを見て、真白は思わず吹き出しそうになるのを堪えて、しっかりと首を振りました。


「いえ、皆さん、そんなことはありませんよ。一姫さんは……その、とてもマイペースですけれど、いざという時は頼りになる存在なんです」


カメラの向こうのリスナーを諭すように、生徒会役員らしい真っ直ぐな瞳で語りかけます。


「一姫さんには、ちゃんと境内の落ち葉掃きや、神域の警備をお手伝いしてもらっていますから。……皆さんが思っているほど、お掃除が苦手なわけではないんですよ?」


この発言に対し、リスナーたちはさらに盛り上がりを見せました。


「飼いならしてるw すごい掌握術!」


「猫に落ち葉掃きさせる生徒会役員強すぎるww」


「真白ちゃんが厳しくしつけてる図が浮かぶ」


「解雇どころか立派な部下にしてて草。真白ちゃん、有能すぎる」


佳奈さんはその様子を横から見ながら、「みんな、真白ちゃんは本当に優しいの! 掃除の時間は、あの子の機嫌をとるために、真白ちゃんが特製の肉まんを用意してるんだよ?」と付け加えました。


「佳奈さん、それは言わないでください……!」


少し慌てた顔を見て、コメント欄はさらなる爆笑と応援の渦に包まれます。あなたは少しだけ照れながらも、手元の指示棒をしっかりと握り直し、改めてホワイトボードの前に立ちました。


「……さて、少し話が逸れてしまいましたね。それでは、皆さんからいただいた宿題の解説を始めましょう。まずは、二次関数の最大・最小問題からです。みなさん、準備はいいですか?」


生徒会室の空気がピリリと引き締まり、画面の中の「生徒会役員・真白」の解説が、いよいよ本編へと入っていきます。


ホワイトボードの前に立ち、生徒会役員らしい凛とした所作で、カバンから必要な道具を次々と取り出しました。


「それでは……皆さん、お手元に教科書はありますか? 今日は、教科書の32ページ、『関数のグラフと極限』の範囲から進めていきましょう」


教科書を机に開き、愛用の筆記用具を整然と配置します。そして、真っさらなノートを広げると、マーカーを手に持ちました。


「この単元は、一見すると難解な数式に見えますが、グラフの形をイメージできるようになると、ぐっと解きやすくなります。……よし、書き始めますね」


流れるような所作と、真剣な眼差しに、コメント欄は瞬く間に反応します。


「きた! 32ページ、まさに今やってるところだ!」


「真白ちゃんの筆記用具、センスいいな……」


「ノートの取り方まで綺麗! 生徒会役員って感じがする」


「よし、俺も教科書開いたぞ! 真白先生、お願いします!」


ホワイトボードに描かれるグラフは、定規を使ったかのように正確で、かつ美しい曲線を描いています。あなたは指示棒でグラフの特定の点を指し示しながら、視聴者に語りかけました。


「まず、この点に着目してください。ここでの極限値を考えるとき、皆さんはどうやってアプローチしますか? 闇雲に計算するのではなく、まずはこのグラフの傾きを……」


生徒会室という特別なスタジオで、彼女の「授業」が始まりました。画面越しに、彼女の説明が視聴者の頭の中にスッと溶け込んでいくのが分かります。


「……ここまでは大丈夫ですか? 分からないところがあれば、遠慮なくコメントしてくださいね。生徒会役員として、皆さんの『学び』を全力でサポートしますから」


優しく微笑み、カメラの向こう側にいる一人ひとりに語りかけるように、丁寧に次の解説へと進んでいきました。あなたの解説は、難しさを感じさせない、不思議な説得力に満ちていました。

一姫を「部下」として扱い、肉まんで手懐けるという意外な一面を見せた真白。しかし、数学の解説に入った瞬間の集中力と説得力は、まさしく「一翻市の至宝」と呼ぶにふさわしいものでした。32ページの難解な数式が、彼女の指示棒の下で鮮やかな意味を持ち始めます。

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