精霊王に転生したので全ての魔術師の魔法を封印してやった結果
掲載日:2026/02/22
「お、やってるな。紛争真っ只中じゃねーか」
精霊王として転生した俺は、雲の上から下界を見下ろしていた。
地上の魔術師たちが、互いに高位魔法を放とうと詠唱を始めている。
……よし、ここで「全魔力封印」を起動してやろう。
「くらえ。……さて、どうなるか楽しみだぜ」
俺が指先で世界の魔力の蛇口を閉めた、その瞬間。
「おい、おい! はっはっはっはっは!!」
視界の先で、大賢者と呼ばれた男が、光り輝くはずの両手杖を振り回していた。
放たれるはずの爆炎は出ず、男は困惑した挙句、杖をただの棍棒のように握り直して敵に殴りかかっている。
「杖を棍棒と間違えてるぞー! 似合ってるぜ、ジジイ!」
さらにあっちの集団はどうだ。
強力な結界を信じ切っていた魔術師たちが、何も発動しないことにパニックを起こしている。驚いている間に、敵の歩兵に次々と斬り殺されていく。
「おう、おう、ざまぁねぇぜ! 無敵だと思ってた魔法が、ただの不発弾になっちまったな!」
阿鼻叫喚の戦場を、俺は笑い飛ばす。
悔しがることも、嘆くことも許さない。なぜなら、この世界の精霊はすべて俺の支配下にある。
「魔法は俺だけの特権だ。誰にも、一滴も渡さねぇよ」
(完)




