誓守
霧の森の中、意識を失った恋の横で、理子と結城が二人で立ちはだかる。
その時、頭上から無数の葉が舞い降りてきた。
「え.....!?な、に......この葉は!?」
理子も結城も、思わず上を見上げる。風に乗って舞い落ちる葉の量は尋常ではなく、視界を覆うほどだ。
その瞬間一ー
「僕の大切な人に、何してるの?」
葉の向こう、霧と木漏れ日の間から静かに現れたのは、心斗だった。
恋の横に立ち、守るべき者を前にした彼の眼差しは揺るぎなく、凛としていた。
手には光を帯びた魔力の痕跡が走り、森の霧を切り裂くように迫力を放つ。
理子の銃構築の動作も、結城の繊維魔法の指先も、一瞬止まった。
森の中に、緊張と静寂が張り詰める。
「さあ......ここまでにしてもらうよ」
葉が舞う森の中、心斗は恋のそばを離れず、守る姿勢を崩さない。
理子と結城の二人は、目の前に現れた"守る者”の圧倒的な存在感に、戦意を試される。
霧の森の中、意識を失った恋の横に立つ心斗。
普段は目を細めてニコニコと笑っている彼だが、今は違った。
目を見開き、真剣な怒りをたたえた瞳で、理子と結城を見据える。
そして、片手を横に広げた瞬間一ー
その場に舞っていた無数の葉や、木の枝についていた葉までもが、まるで意思を持つかのように彼の片手の先に集まった。
「.......」
葉は一瞬で渦を巻き、風に乗って舞う霧と混ざり合い、森全体を支配するかのような圧迫感を放つ。
理子も結城も、思わず立ち止まり、その異様な光景に息を呑んだ。
「僕の大切な人に手を出すな」
心斗の声が霧を切り裂き、怒りの波動が森の奥まで響き渡る。
普段の柔らかい笑顔は消え、そこにはただ、守るべき者を前にした覚悟と怒りだけがあった。
森の霧も葉の舞いも、彼の魔力によって一瞬にして戦場の中心に引き寄せられるーー。
霧の森の中、葉が渦巻く戦場の中心で、心斗は目を光らせて立っていた。
だが、ふと視線を下ろすとーー目の前で倒れてはずの恋が、そこにはいなかった。
「......ん?」
心斗は微かに笑みを浮かべる。
「この子には、手を出させない」
その言葉と同時に、彼の片手がひらりと動き、一枚の葉を拾い上げた。
その葉は光を帯び、微かに震えている。
「......これで君を守れるよ」
心斗はその葉を見つめながら、恋を魔力で完全に葉へと変換したのだ。
森の霧と混ざる無数の葉の中、恋はひとつの葉となって心斗の魔法に包まれ、安全に保護されていた。
普段の笑顔を取り戻した心斗は、葉となった恋を胸元に軽く抱き、敵に向き直った。
「さあ......残りは、君たちだけだ」
森全体が彼の魔力に支配され、葉が舞う渦の中、理子と結城の二人は戦慄し、次の一手を躊躇うーー。
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理子と結城は、目の前にいる心斗に一気に攻撃を仕掛けた。
「やるっス!凪先輩!」
理子が構築した銃を同時に撃ち、結城も繊維魔法で空中から拘束線を飛ばす。
二人の攻撃は同時に心斗へ向かい、まさに命中するーーその瞬間、
「一ーっ!?」
心斗の体は、突如として無数の葉に変化した。
腕も脚も胴体も、地面に向かってひらひらと舞い落ち、まるで森の一部となったかのようだ。
「な、なんだ.......!?」
理子も結城も、その変化に一瞬息を呑む。攻撃は完全に空を切った。
葉のひとつひとつが、光を帯びて宙に漂い、静かに渦を描く。
その中に、確かに守られているはずの恋の姿も含まれていた。
「.....ふふ、まだまだだね」
葉の中から聞こえる微かな声。心斗はすでに姿を消し、敵の目の前で戦場の支配権を掌握していた。
森の霧と混ざる葉の舞い一一理子と結城は、改めて敵の圧倒的な存在感に震える。
無数の葉が舞い、霧と混ざって視界を奪う森の中。
心斗は葉の魔法を自在に操り、理子と結城を翻弄する。葉が縦横無尽に飛び交い、二人の攻撃はことごとく空を切る。
「どこだ......!」
理子の視線は、ただ一つ一一意識のない恋を捕まえることに集中していた。
葉が渦を巻き、心斗の姿はどこにもない。だが、理子には分かっていた。
この混乱の中、恋を守っているのは一一間違いなくあの男心斗だと。
「絶対に......あの葉の中にいるはずだ」
理子は拳を握りしめ、目を凝らす。葉の一枚一枚が光を反射し、微かに揺れる動きが見える。
心斗は葉を操り、森中に散らしながらも、微かに葉を手元に引き寄せる。
理子は拳を握りしめ、目を凝らす。葉の一枚一枚が光を反射し、微かに揺れる動きが見える。
心斗は葉を操り、森中に散らしながらも、微かに葉を手元に引き寄せる。
理子の集中は、恋を見失わないために研ぎ澄まされ、彼女の攻撃は次第に葉の中の"核心"を狙うようになっていく。
「......その女さえ捕まえれたら私らの勝ちっすね」
理子の心の奥で、恋を奪うという決意が、攻撃の精度を高める。
葉の舞う森で、心斗と理子ー一守る者と奪う者の存在が、見えない糸で結ばれたまま、静かに、しかし激しく戦場を支配していた。
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理子は葉の中の恋を狙い、全力で魔法を込めて攻撃を仕掛けた。
鋭い光を帯びた魔力が葉に向かって飛ぶーー
しかし、心斗はわずかに身をかわし、ニヤリと笑った。
「命よりも大切なものって、どこにあれば守れると思う?」
理子が目を見開く中、心斗は素早く葉を操り、彼女の胸元からひとつの葉を取り出した。
「正解は一一相手の急所だよ」
そして、その葉を魔力で刃状に変化させ、掌に握りしめる。
「さようなら」
その瞬間、心斗は葉で作った刀を振るい、理子と結城の二人を同時に切り裂いた。
無数の葉が舞う森の中、二人は防御を試みたものの、心斗の圧倒的な魔力と正確無比な技によって、あっという間に攻撃を防がれ、戦闘の主導権は完全に心斗の手に握られた。
葉の渦の中、守られるべき恋は安全に包まれ、心斗の鋭い眼差しは、まだ戦う敵たちを冷徹に見据えていた。
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地面に降り立った瞬間、心斗の手元で微かに光っていた葉は、ふわりと元の恋の姿に戻った。
「よし、これで安心だ」
無意識に恋をお姫様抱っこするように抱き上げ、心斗は慎重に歩みを進める。
彼女の体はまだ意識が戻っていないが、その柔らかさと温もりを確かめながら、全身で守る覚悟を示していた。
森の霧と舞う葉の中、周囲の敵の動きにも目を光らせながら、心斗は恋を安全な位置まで運ぶため、一歩一歩確実に前進する。
「悪いけど......恋ちゃんだけは、絶対に手を出させないよ」
心斗の低く響く声は、森全体に静かな威圧感を放った。
恋を抱く腕の力が、自然と増していくーー彼にとって、守るべき存在は命よりも大切なのだ。
森の霧に包まれながらも、心斗の視線は常に周囲を巡り、敵の隙を見逃さない。
葉の魔法で一度守られた恋は、今や心斗の腕の中で、完全に安全な存在となった。
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森の中、心斗は恋を抱きながら慎重に歩を進めていた。舞い散る葉と霧の間、彼の目は常に周囲を戒している。
「絶対に、恋ちゃんには手を出させないよ.....」
その時遠く、微かに紫色の光が揺れる。
彩姫だ。
彼女は強い魔力の波動を放ちつつ、ピーターと共に森の中を進む。
「心斗!恋は無事?」
彩姫の声が霧の中に響く。
「大丈夫だよ。彩姫。ピーター......ここからは任せてもいいかな?」
短い言葉の中にも、恋を守り抜く覚悟が込められていた。ピーターは微笑み、彩姫に小さく合図を送る。
「よし、このまま全員で森を抜けるんだ」
まだ寧音と天祢は合流していないーーそれでも、今ここにいるのは、戦力の半分だけ。
心斗は恋をしっかり抱き、仲間たちとともに森を進むことで、未だ霧の奥に潜む敵から恋を守り抜く。
彩姫は恋の姿を確認し、静かに微笑む。
「はぁ......無事でよかった」
森を抜ければ、残る仲間とも再び合流できる。だが今は、恋を抱く心斗と、彩姫、ピーターーーこの三人の力で生き延びるしかない。
霧に包まれた森の中、音は足元の葉や枝を踏みしめながら慎重に進む。
どこを歩いても同じ景色が続き、迷い込んだような感覚が胸を締め付ける。
「......ここ、なんだか変…」




