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境界を歩く者たち  作者: 星渚歌唄
第3章 暴走と赦しの狭間

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夜叉隊 有麻理子

霧の森の中、恋は構えを取り、拳に魔力を集中させた。


「......あなたが、今回の相手ね」


冷静に敵を見据える恋に対し、目の前の彼女は唇の端を歪め、鋭い目で睨みつける。


「あたしは夜叉隊有麻(ありま)理子(まさこ)

ふん、覚悟しろ!!私は晋祐先輩に恩がある!!

だからてめぇみたいな奴は邪魔ッス!」


その言葉には怒りと敵意が濃く混じり、口元の笑みは鋭い刃のように冷たい。

一瞬で森の中に銀色の銃が5丁、魔法の力で構築され、彼女の手元で正確に整列する。


「構築魔法っす!......絶対倒してやる!」


恋は一瞬眉をひそめ、拳を握り直す。


「.....なるほど、敵意丸出しね。ならこちらも全力でやってやるわ」


理子は銃を前に構え、森の霧に銀色の光を反射させながら、全力で恋を狙う。


「逃げる暇なんて与えないッス!」


霧の森に、銃と魔力の気配がぶつかり合う戦場の緊張が漂う。

恋と理子、二人の戦い一一好戦的な理子の怒りが、戦闘の火ぶたを切る瞬間だった。

霧の森の中、恋は拳に魔力を集中させ、前方の有麻理子を見据える。


「.....ふん、やるなら来なさい。私は逃げないから」


だが次の瞬間、空中に銀色の銃が次々と構築され、森の霧に光を反射しながら一斉に放たれる。


「くらえ!」


弾丸の雨が、光を帯びて迫る。恋は反射的に魔力を纏わせて受け止めようとするが、構築のスピードが圧倒的すぎる。


「ぐっ......!こんな.......!」


1丁、2丁.....次々と迫る銃弾。恋の拳や足場に魔力を流して防ごうとするが、構築の精度と速度で徐々に追い詰められる。


「私の方が......遅い.....!」


理子は鋭い目で恋を見据え、にこやかに笑う。


「逃がさないからな!......絶対に邪魔はさせない!」


恋は攻撃を受け、地面に飛び退きながらも構築を試みる。

だが理子の銃の速さと連続攻撃の前では、追いつくことはできず、霧の中で身をかわすのが精一杯だった。


「くっ......!......でも、まだ......ここで負けるわけには......!」


森に反響する銃声と魔力の衝撃。恋は一歩ずつ後退しながらも、必死に立ち上がろうとしていたーー。

霧に包まれた森の中、恋は後退しながらも必死に構築魔法を展開する。

理子の銀色の銃が光を反射し、雨のように迫る。


「くっ.....このままじゃ.......!」


しかし、恋はわずかな間合いの差を瞬時に判断し、拳に魔力を集中させながら、構築魔法の精度を極限まで高める。

単純な速度では理子に劣る。しかし、恋の手元から生み出される武器は、全て理子の銃弾を計算した位置に正確に展開される一一盾となり、壁となり、時には逆襲の刃となる。


「これなら.......どう?」


恋が地面に一撃を加えると、魔力で生成された構築物が瞬時に地形を変え、理子の銃弾の軌道を逸らす。

次の瞬間、恋の拳と足場に繋がった魔法が連鎖し、理子の周囲に狭い空間を形成。


「なっ......!?」


理子は銃を構築し直そうとするが、恋の精密な技術で次々に妨害され、攻撃のタイミングが狂う。

恋は光を帯びた構築の刃を振り下ろし、理子の銃を一斉に破壊。


「これで.......終わりっ!」


森に鋭い衝撃音が響く。理子は驚きの表情を浮かべ、構えを崩すしかできなかった。


「ま、まさか.......構築の技術で......!」


恋は冷静に息を整え、拳を握り直す。


「速度じゃなく、精密さと戦術......これが私の戦い方よ」


森の霧の中で、銀色の銃は粉々に砕け散り、恋の反撃は完全に成功したーー。

しかし、恋は拳を下ろすと同時に、全身から力が抜けていくのを感じた。

構築魔法の連続使用、理子の高速攻撃に対応するための集中ーー戦闘中ずっと魔力を極限まで使っていた体は、限界を迎えていた。


「く.............」


膝がガクッと折れ、地面に倒れ込む恋。霧の森の冷気が肌を刺す。

恋は目を閉じ、深い呼吸を繰り返す間もなく、そのまま意識を失い、静かに気絶した。

森の霧の中、銀色の銃は砕け、戦場は一瞬の静寂に包まれる。

そして、恋の体を覆う魔力の残滓だけが、彼女の戦いの痕跡として淡く光っていたーー。

___________________________

霧の森の静寂の中、倒れた恋はまだ意識を取り戻せず、地面に伏せたままだった。

その傍らでーー


「ふふっ、まだ終わりじゃないッス!」


有麻理子がゆっくりと立ち上がる。膝の震えは見えず、瞳には不敵な光が宿っている。森の冷気が理子の周囲で微かに揺れる。

さらにその背後一ー


「失礼しますね......」


先程ピーターに倒されたはずの結城凪が、静かに姿を現す。にこやかな笑顔を浮かべるが、その目は冷たく鋭い。戦場全体を見渡すかのような、威圧感のある存在感だ。

霧に包まれた森で、意識を失った恋を前に、理子と結城の二人が立ちはだかる。

森の霧はさらに濃く、視界を遮るように漂う。


「......さて、片付けさせてもらいやすよ」


理子の声が森に響く。

結城も微笑みながら、静かに構えを取った。

霧の森の中、意識を失った恋の横で、理子と結城が二人で立ちはだかる。

その時、頭上から無数の葉が舞い降りてきた。


「え.....!?な、なんだ......この葉は!?」


理子も結城も、思わず上を見上げる。風に乗って舞い落ちる葉の量は尋常ではなく、視界を覆うほどだ。

その瞬間一ー


「僕の大切な人に、何してるの?」

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