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境界を歩く者たち  作者: 星渚歌唄
第3章 暴走と赦しの狭間

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夜叉隊 水瀬奏羽

霧の森に、紫の髪が揺れる。

彩姫は警戒を解かず、前方の少女を見据えた。


「.....あなたが、私の相手?」


彩姫は手をかざし、光の魔力を準備する。

少女はにこりと微笑み、バイオリンを抱えたまま小さくお辞儀する。


「ええ、そうですわ。私は水瀬(みなせ)奏羽(かなは)一一弦を操る魔法使いですの」


彩姫は眉をひそめる。


「弦…....?」


奏羽は頷き、バイオリンの弓をゆっくりと弾く。


「この弦で、斬ることも拘束することもできますの。振動と魔力を組み合わせて、いろいろな戦い方ができるんですわ」


その声はおっとりして柔らかいが、目は鋭く光っている。


「ふふっ......面白そうね、戦い方も、性格も」


彩姫は笑みを返し、覚悟を固める。

奏羽は少し頬を赤らめて、小さく息を吐いた。


「でも......私は、戦うときは本気ですわよ?あなたも覚悟してくださいね」


霧の中で二人はにらみ合う。

紫魔女と弦使い一一異なる魔法の力が、やがてぶつかり合う瞬間が迫っていた。

___________________________

突然、空間に細い弦が走り、霧の中で鋭利な光を帯びる。


「音律刃......!」


彩姫は反射的に魔力を集中させ、振動を感知。弦の刃が彼女の周囲をかすめて切断線を描く。


「くっ......!」


奏羽は微笑みながら弓を引くように手を動かし、弦の刃を次々と生み出す。

その速度は圧倒的で、距離を取りつつも、彩姫の動きを封じるように張り巡らされる。

彩姫は咄嗟に魔力を掌に集め、光の障壁を瞬間的に展開。弦の刃を防ぎつつ、周囲の霧を巻き上げ、視界を隠す。


戦場は霧と魔法の光、そして鋭い弦の振動が混ざり合い、互いの技量が火花を散らすー。

彩姫は光の魔法を操りながら、仲間のことを考え、敵を封じ込める最善の動きを探っていた。

___________________________

霧の中、鋭い弦の刃が次々と彩姫を襲う。


「くっ......!」


奏羽はバイオリンを弾くたびに、空間に弦を張り巡らせ、彩姫の動きを封じようとする。


「共鳴の檻......これで動けないはずですわ!」


だが彩姫は光の魔力を集中させ、霧と弦を一瞬で焼き切る。


「これくらい......なんてことない!」


奏羽の目が一瞬見開かれる。


「なっ......!?」


彩姫は光を刃状に変え、霧ごと弦の結界を斬り裂く。

弦の振動を感じながらも、彼女は動きを止めず、精密に敵の動線を読んで距離を詰める。


「あんたの魔法......面白いけど、私には通用しない!」


彩姫が手を前に突き出すと、光の波動が森の霧を切り裂き、奏羽の周囲に渦巻く弦を一掃。


弦の刃が砕け、奏羽は思わず後退する。


「まだ......終わらない......」


奏羽は弓のように手を動かすが、彩姫はその動きを完全に読んでいた。

光の刃が一閃一一弦の刃をはじき飛ばし、奏羽を背後の霧へ押し戻す。


「これでどう?」


彩姫の瞳が鋭く光り、圧倒的な力を見せつける。

奏羽は必死にバイオリンを守るように抱え込むしかなかった。

戦場に静寂が訪れる。

霧の中で、紫の髪が揺れ、光が森を照らす。

圧倒的な実力差を前に、奏羽は動きを封じられ、彩姫の反撃は完全に成功したーー。

「思った以上に手応えなかったな…」


彩姫は気絶している水瀬をそのままにして、はぐれた仲間を再び探しに向かった。

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