4-4 夕食にて
食事を終えると、父ちゃんは、自家製の酒を、注ぎ始めた。 それは、まるで、オレたちの心を、麻痺させようとしているかのようだった。
「さあ、みんな、酒を飲もうか。今日は、特別に、たらふく飲んで、ゆっくり休むんや」
父親は、そう言って、酒を注ぎ始めた。そして、その笑顔は、まるで、悪魔のように、誘惑的だった。
「ええんですか? お義父さん、明日も、仕事やのに…」
クリスは、少しだけ、遠慮がちに、言った
「ああ、かまへん。今日は、特別や。それに、酒は、いくら飲んでも、無くならへんからな」
父親は、そう言って、笑った
(酒だけは、たくさんあるんやな。この家…、それに、父ちゃんも、酒飲む時だけは、やけに、嬉しそうや…)
オレは、心の中で、そう思った。
「せやな、お父さん。今日は、特別や。飲もう飲もう」
母親も、そう言って、酒を飲み始めた。
オレと、クリスも、父親に勧められ、酒を飲んだ。その酒は、アルコール度数が高く、すぐに、酔いが回ってきた。
それは、まるで、オレの理性を、麻痺させていくかのように、危険だった。
「さあ、みんな、もっと飲もう! 今日は、とことん、飲むんや!」
父親は、そう言って、大声で笑った。