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4-2 夕食にて
父ちゃんは、黙々とスープを飲んでいた。 それは、まるで、何も考えていないかのようだ。
母ちゃんも、同じように、黙々とスープを飲んでいた。 それは、まるで、人形のように。母ちゃんはいつもこうだ。まあいつものことやけど、キラキラの斧に、女神様に、今日のオレの話は食いついてくれないとかなり寂しい。
こんな特盛エピソードを披露できる日はまたくるのだろうか、いや絶対に来ない、なんか反応せえや母ちゃん!
クリスも、黙って、スープを飲んでいた。 しかし、その目は、時々、オレを、チラチラと見ていた。
それは、まるで、オレの嘘を、見破ろうとしているかのようだった。
(この食事、ほんまに、味気ないな。毎日、同じもんやし。話も全然盛り上がれへんし。たまには、肉とか、食べたいな。いや、そんなことより、女神様のことを考えろ、ショージ! でも、女神様のこと、思い出すと、また、股間のアレが…)
オレは、心の中で、葛藤していた。そして、その時、初めて、オレの心が、欲望に支配されつつあることを、自覚した。