閑話 バレンタイン特別編
別サイトにてキャンペーンに参加するため、バレンタインの日に掲載していたお話です
「ハクトさん。異世界にはバレンタインデーという文化があるそうですが、何故チョコレートを贈るのでしょうか?」
それは、いつものようにソフィアの手伝いをしていた時の事だった。
「確か、チョコレートを作っている会社がその日はチョコレートを贈ろう、みたいな宣伝をしたから、だったかな? 所説あるみたいだけどな」
「そうなのですね。……こちらの漫画では、買ってきたチョコレートを一度溶かし、型にはめて再び固めていますが、味は劣化しないのでしょうか?」
「え?」
……言われてみれば確かに。
溶かして再度固めるってだけだと、そうなりそうな気がして来た。
「……味はどうなるかわからないけど、ほら、愛情とか心がこめられているからさ。心のこもった食べ物って、なんとなく食べると心がホッとしたりするし」
「そうなのですね。……ですが、このチョコレートは義理チョコだと言って渡していますね。もしかして彼女はチョコレート作りに自信があるのでしょうか?」
そうしてそうなった。
とりあえず、この漫画の流れ的に彼女は照れ隠しで言っていること、貰う側も味よりもこの日にチョコレートを貰うということが嬉しい、なんて説明をした。
「そうですか。私はいつチョコレートを貰っても嬉しいですね」
……あれ? 遠回しにチョコレートを催促されてる?
いや、いつものソフィアってだけだろうな。
なんて思っていると、
「……私も、チョコレートを貰えると、嬉しい」
と、いつも通りよく来ているメイが話しかけてきた。
それを聞いたソフィアは
「なるほど。……でしたら、本日はチョコレートを使ったデザートを作りましょうか」
「……大賛成」
……貰えると嬉しい、じゃなくて、食べたいってだけだな。
まあ、二人らしいけど。
というわけで、今日のデザートにガトーショコラを作った。
参考にしたレシピがよかったのか、生チョコみたいに濃厚で、すごくおいしかった。
それにしても、今日は大量にガトーショコラを作ったな。
二人は、それだけチョコレードが食べたかったのだろうか?
なんて思っていると、
「では、皆さんに配りに行きましょうか」
「……モニカにも、食べてもらう」
と、ガトーショコラを小分けにした。
ああ、そうか。
自分が貰って嬉しいから、皆にもその嬉しさをおすそ分けしよう、ってことなのか。
教会の皆はもちろん喜んでくれて、モニカも
「え!? 今日は何かの記念日ですか!?」
なんて嬉しそうに(?)していた。
……この時俺は忘れていた。
ホワイトデーというものが存在することを。
(たぶん続かない)




