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異世界で 友達たくさん できました  ~気づいた時には 人脈チート~  作者: やとり
第五章 切望を 叶えた者と 挑む者

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第79話 奇奇怪怪な魔界

「そんでな。勇者の勧めもあって、人間界との交流が始まったんだ。さっき説明したからわかると思うが、魔界と人間界とではあまりにも違いすぎてな。最初は驚きよりも困惑が先に来たくらいだ。他の魔皇も同じような感じだったぜ」


「そうだったね。……ハクト君。前に、魔道具の存在を知って衝撃を受けたって話をしたのは覚えているかな? そんな魔道具を見た後は、すぐにでも魔界でもそれを生産したい、普及させたいって考えたんだ。けれどね、その時の魔界の状況では無理なことにすぐ気づいたんだ。……それを生産する技術も、理解できる魔族も、そしてなによりそれを歓迎する魔族がほとんどいない、ってことにね」


「それは、そうかもしれないな。魔族を従える側は必要性を感じていないだろうし、従う側からしても自分の役割を脅かすことになるだろうからな」


 ……それと、魔界の話を聞いた限りでは、魔界では技術の発展とかがほとんど望めない環境だったと思う。

 だから、仮に魔道具が受け入れられたとしても、生産するのも難しかっただろうな。


「ああ、そうなんだ。……それ以前からも、魔界の状況を変えるために色々していたけれど、そもそも魔界を根本から変えないといけないんだって、強く思ったよ」


 そういえば前にアオイが苦虫を噛み潰したような顔をしていたけど、魔法が発展しないっていう状況に対してだったんだろうな。


「オレも、他の魔皇も、人間界との交流を切っ掛けにアオイと同じように考えたぜ。まあ、理由はそれぞれで違ったけどな。……そうして人間族たちと交流していくうちに、あいつがやらかしたことはかなりまずかった、って気づいたんだ」


「……もしかして、家族が亡くなった人とか、怪我が原因で働けなくなった人がいた、とかか?」


「ああいや。幸い誰も死ぬことはなかったし、ケガ人も治癒魔法によってすぐに治ったぜ。……けどな。あいつは勇者に負けるまで、人間界で一度も負けなかったんだ。その中には城の兵士や冒険者もいて、そいつらはかなりの強者だったらしい。……つまりな。魔族が急に暴れたとしても、それを止められる存在がほとんどいないと思わせちまったんだ」


 ……そういえば、漫画とかでそういった話を見た気がするな。

 つまり、魔族が恐怖の対象になってしまったんじゃないか、ってことか。


「しかもあいつは、勝ったら俺に従え! って言いまわりながら、あちこちに転移で移動しつつ、勝負を挑んていたんだ。……つまり、魔族が突然目の前に現れて、強制的に従わせられるかもしれないって不安にさせちまったんだ。けど、実際はな……」


 ホムラの説明によると、転移の魔法は限られた魔族しか使えないみたいだった。

 俺も前に聞いたが、かなりの練習が必要みたいだからな。


 弱者を無理やり従えるって魔族はそういった練習が嫌いらしく、誰も使えなかったらしい。


「幸い、直接会話できた国のトップたちには色々と説明する機会があったし、誤解を解くこともできた。けど、流石に人間界全体となると、な。……交流が始まってしばらくした時、ハヤテが自分の正体を隠して一般の人と話をしたんだ。魔族についてどう思ってるか、ってな。……そしたらな。いい人もいるんだろうけど、もしも街中で見かけたら怖いかも、って言われちまってな」


 ハヤテの方を見ると、少し悲しそうな顔をして頷いた。


「オレたちはそれを聞いて、まずは魔界の状況を改善しようって決めたんだ。そして、そうなった魔界へ実際に人間族を招待して、ほとんどの魔族は誰かを襲わない、って思ってもらおうってな。それに、人間族の中では魔界ってのはかなり奇怪な場所って印象らしいからな、本当は人間界とそこまで大きく変わらない、ってのも知ってもらいたいぜ」


 随分(ずいぶん)と気の長い計画だと思ったけど、そもそもこの世界は寿命が長い人や種族がいっぱいいるんだったな。


「それで今では、力の強いやつが無理やり弱者を従えるってのはほとんどなくなったぜ。とはいえ、問題が起きれば戦って解決することが多いし、力が強い奴が偉いっていうのは、今でも変わってないがな」


 だから、魔界に許可なく誰でも来れるというのは難しい、だったな。


「んで、そうした問題にもこれから色々と対応していく予定、って感じだな。……かなり長くなっちまったし、話があっちこっちにいっちまったが、ハクトに話したかった魔界の話はこんなとこだな」


「……正直、色々な情報がありすぎて整理するのに困ってるけど、五百年前に魔界で何があったかと、それによって魔界がどう変わっていこうとしたかわかったよ。それで、俺が旅行に行きたいってタイミングで説明をしたのには、理由があるんだよな?」


「ああ、もちろんだ。……ハクトに許可証を渡した時は、魔界についてそんなに知らない状態で旅行をしてもらうつもりだったんだ。外から来た人間から見て、魔界がどうだったかっていうのを聞かせてもらいたくてな。そんで、このタイミングになったのは試練が切っ掛けではあるんだが、ハクトには魔界について色々と知っておいてもらいたかったんだ。……今後も、ずっと仲良く過ごしていく上でな」


 ホムラは、隠し事がかなり嫌いみたいだからな。

 だから、魔界についても俺に話しておきたかったんだろう。


「そっか。……ホムラ、色々と教えてくれてありがとうな。それでちょっと気になったんだけど、人間界と交流が始まって魔道具とかはどういった感じで普及していったんだ? それと、どんな感じで魔道具を作るようになったのかも気になるな」


 多分、魔界の状況を改善していくうちに普及していったんだろうけど、その過程が気になった。


「魔道具に関しては、まずは私の元に集まってくれた魔族から広めていったよ。それ以前から、魔法に関して色々と実験を手伝ってもらっていたし、そんなに抵抗なく受け入れてもらえたね。それで、手先が器用だったり、魔法のコントロールが上手い魔族に実際にこれを作ってみない? って提案した、っていうのが魔道具作りの始まりだね」


 なるほどな。

 アオイは、魔道具を知る前から魔法の研究をしていたみたいだけど、周りの魔族にも手伝いをお願いしてたのか。

 それなら、他人に何かを教えたり、逆に何かを教わるっていうのにはあんまり抵抗がないだろうな。


 なんて思っていたら、


「アオイの周囲が何だか便利そうになって、ボクも頑張って魔道具を広めたんだよ~。それとね、人間界で見たボードゲームとかのおもちゃを皆で遊びたくて、それもいっぱい広めたんだ~。おかげで、今では魔界では色んな遊びが生まれてきてるんだよ!」


「それなら、私は武具がそうかしら? 見込みがありそうな魔族に武具を渡して、それを扱う技術を磨いてもらったわ。そうしたら、今まで倒せなかった強い魔物を倒すことができたわね」


「……人間界で面白かった本を、翻訳して広めてみた。……そしたら、今までよりも色んな種類の本が書かれるようになった。……それと、本を読む魔族も増えた。……うれしかった」


 と、皆から矢継ぎ早に自分が何を広めたか、っていうのが出てきた。


 なるほど。

 レイの武具好きは、人間界との交流が始まってからなんだな。


 ……というか、人間界と交流が始まる前は、皆が何をしていたかっていうのも気になってきた。

 皆が魔皇、当時の魔王になるまでの経緯と相まって、色々聞いてみようかな?


 ……いや、流石に今日はやめておこう。

 ただでさえ色んな情報が出てきたのに、さらに色々と聞いてしまったら頭がパンクしてしまいそうだしな。

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