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異世界で 友達たくさん できました  ~気づいた時には 人脈チート~  作者: やとり
第三章 要するに この章ほとんど デートかい

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第44話 おごれることは久しからず

 焼くぞ! と気合をいれたものの……


「ハクト。この肉は丁度火が通ったみたいだぜ」


「今だ! ……よし! うまくひっくり返せたな。焼き加減も完璧だ!」


 なんて、焼くのは全部ホムラにお任せだった。というのも


「オレは火魔皇《えんまこう》だからな! 火がどのくらい通ったかは、見てるだけでわかるぜ」


 ということで、お好み焼きもステーキも、ホムラが絶妙な火加減で焼き上げてくれた。

 後、火加減に火魔皇は関係ないと思う。……ないよね?


 お好み焼きはもちろんおいしかったが、やっぱり今日のメインはワイバーンのステーキだろう。

 ホムラの焼き加減も相まって絶品だった。

 やわらかくてジューシー、でも脂がしつこくなくて、分厚かったステーキなのにペロリと食べてしまった。


 ちなみに、ステーキは焼くのが難しいので、頼めばお店の人が焼いてくれるらしい。

 それなら、何かいいことがあった時とかに、また食べに来ようかな?


◇


 食事が終わり、会計をすることになったけど、


「今日はオレが行きたい店だったし、オレの奢りだな!」


 とホムラが宣言した。

 ……前までの俺なら、反論を思いつかなかったかもしれない。

 けど、今日は違う。俺には、アオイの時に奢ることができたという実績があるんだ!


「でも、ハヤテが言うには今日はデートなんでしょ? 俺のいた世界では、デートと言えば男が奢らないと駄目なんだ。俺が食べたくて、高いステーキも頼んだしな」


 ……ちょっと、いや、かなり誇張《こちょう》した。

 奢るかどうかは、時と場合でかなり変わるしな。


 まあでも、異世界の文化はホムラは知らないだろうし、前回はこれでゴリ押しできたし大丈夫だろう。


「そうなのか? ……けど、今日は謝罪の意味も込めてオレが払うぜ。それに考えてみたら、ここはハクトのいた世界じゃないしな!」


 ぐっ! 反論できない……。


 こうして結局、奢られることになってしまった……。無念。

  

◇


「そういえば、ホムラみたいに火属性の魔族は、焼き加減を見るのが得意なの?」


 食事が終わった後、とりあえず腹ごなしでもしよう、と街をぶらつくことになった。

 歩きながら、さっきちょっと気になったことを聞いてみた。


「うーん。オレは魔物を狩った後で、その場で肉を調理してたら自然とわかるようになったな。元々火属性ってことで火の強さは感覚でわかるんだが、それに経験が加わったからかもな」


「なるほど。……そういえば、ホムラも料理ができたんだね」


「あー。まあ、切ったり焼いたりするくらいはな。……でも、焼く時以外が雑すぎる! って言われるから、手伝うとかはしてないぜ」


 ……狩りをしてその場で調理ってかなりワイルドだし、その感じで普通の料理を手伝ったとしたら、確かに雑って言われそうかも。

 肉を焼くだけとかなら、上手に焼けました! って感じにできるだろうけど。


「火属性と言えば、魔道具では火属性の魔法陣では温めるだけじゃなくて冷やしたりできるけど、火魔法って氷とかも作れるの?」


「あー。そういや前に魔法について教えた時は基本的な部分だけだったな。……よし! オレの土地に行って色々やってみるか? 前に、また教えるって言ったしな」


「確かに、あれから色々と聞きたいことができたな。うーん、それもいいかも?」


 でも、一応デートっていう名目だし、それでいいんだろうか?


「んじゃ、行くか!」


 と、いつもの如く魔界にあるホムラの土地に転移させられた。


 ……俺がまだ悩んでいる途中でしょうが! 異世界から 夏。


◇


「とりあえず、六属性のうち火、水、風、土の属性は組み合わせて使うこともあるんだ。例えばな……」


 ホムラの土地に転移すると、さっそく魔法についての説明が始まった。

 ホムラによると、火・水で氷、風・水で霧、火・風で雷を発生させたり等々、工夫次第で色々なことができるみたいだった。


「それとな、魔族によっては複数の属性を持ってるやつもいるんだ。基本的に複数の属性持ちは、魔法の制御が難しく、あまり強い魔族はいないんだ。けど、さらに稀にその属性が融合した特殊な魔族もいるんだ」


 特殊固体! なんかすごそうな響きだな。


「例えば、火と水を組み合わせて氷を発生させられるって言ったよな。けど特殊固体は、最初から氷を生み出すことができるんだ」


「最初から? 前に聞いた魔族の説明を考えると氷属性の魔族、みたいにも聞こえるけど、そうだったりする?」


「うーん。まあ、そんな感じだと思っておけばいいかもな。昔、色々とアオイが調べてたみたいだけど、結局わからなかったみたいだぜ」


「そうなのね」


 アオイが調べてもわからなかったのか。

 それじゃ、俺が色々考えてもわからなさそうだな。


「んじゃ、試しに属性を組み合わせた魔法を使ってみるから、ハクトはそれを真似してみてくれ」


 ということで、二つの属性を組み合わせた魔法の練習をやってみることになった。

 ちなみに、属性を持つ魔族にとって複数の属性を使うのは、制御が難しいみたいだ。


 魔皇であるホムラでも、


「片方が火属性ならなんとか使えるが、そうじゃないなら戦闘では使い物にならねぇな。制御に集中すれば一応使える、って感じだな」


 ということだった。でも、集中すれば使えるっていうのはすごい気がする。


◇


 練習していくうちに、比較的簡単な魔法を使えるようになった。

 

 例えば氷塊や球状の雷を撃ちだしたり、水と土の魔法で泥を生成してみる、みたいな感じだ。


 ちなみに片手に火属性、もう片方に氷の魔法を準備して例の魔法ができないかチャレンジしてみたが、ちょっと冷たい水ができただけだった。

 魔法の説明を聞いた感じ、無理そうだとは思ったけど、やっぱり試したくなる。


 ……ホムラ、その残念そうな目で見るのをやめてくれ。あの漫画を読めば、気持ちが分かるはずだ。

 

 あっ、漫画と言えば


「そういえば、武器とかに魔法を纏《まと》わせたりすることってできるの? 俺のいた世界だと物語とかでそういった描写があるんだ」


 炎とか雷とかを武器に纏わせたり、それを飛ばしたりしてたもんな。


「そっちの世界のやつは面白い事考えるな。うーん、やったことはないが下手な武器だと武器が壊れそうだな。それに……」


 ホムラは右手に炎を生み出すと、棒状に変化させた。


「こんな感じで炎を操れるから、やる意味がないって感じかもな。あ、ハクトがこれを真似するなら、持ち手を結界魔法で覆《おお》わないとやけどするぜ」


 ……そっかぁ、残念。

 まあ、ロマン! って感じでやるのはいいけど、毎回武器を壊してまでやるのもあれだな。


 まてよ? ホムラがやったみたいに魔法の形状を固定して持てるってことは……。


「おお……。できた!」


 振る度にぶぉん、とかふぉん、みたいに効果音を付けたくなる、例の光の剣ができた!

 イメージで青やら赤やら色も変えられるな。


「ん? 光魔法で棒を作ったのか。……光魔法だから、当たってもすり抜けそうだな」


「まあそうなんだけどさ。……あ、でも、遊びで使うには怪我をしなくていいかも?」


「あー。まあ、そうかもな」


 ……戦闘には使えなさそうだからか、あんまりいい反応じゃないな。

 

 それなら、漫画にあった色んな魔法とかを再現してみるか!


◇


「つ、疲れた」


 調子にのって魔法を使い過ぎたみたいだ。

 漫画で出てきた、色んな魔法とかを再現するのが楽しかった、ってのもあるけど


「けど、すっごく楽しかったな! なんだか魔法の新しい使い方が色々思いついたぜ」


 と、ホムラと一緒になってはしゃいだからな。


「それに、すっかり暗くなっちゃったな。お腹も空いたし」


 昼は結構食べたはずなのに、かなりの空腹を感じるな。


「んじゃ、今日の締めに夕飯を食べに行くか! 昼はオレが行きたいとこだったし、夜はハクトが行きたいとこにいこうぜ!」


「それじゃ、決めさせてもらおうかな。今日案内してくれた中で、気になった店がいくつかあるんだ」


「よし! んじゃ、戻るか」


 ということで、転移で街に戻った。


◇


「この店だね。確かパスタとかピザが食べれるお店だったよね?」

 

 俺のいた世界でいうイタリアンのお店っぽい感じのお店だ。

 

 俺が行ってみたくて、ホムラも満足できそうな店ってことでこの店を選んだ。

 ホムラが案内してくれた時に、この店は大盛のパスタとかもあっておすすめだぜ、って言っていたしな。


「そうだな。他にも色々メニューがあるから、前にハヤテと来た時は色々と分けながら食べたぜ。んじゃ、腹も減ってるし入ろうぜ!」


 ということで、自分が食べたい物を頼んだり、ホムラが注文した中で気になった物を分けてもらったりした。

 

 え? ホムラには分けないのかって?

 ホムラは、「お、それもうまそうだな」と言うと、追加で注文してたからな。


 ちなみに会計は、魔法を教えてくれたお礼ってことで俺が払えた。やったぜ!

 ……何かがおかしい気がするけど、まあいいや。


◇


 食事が終わり解散する前に、


「それにしても、あの時ハクトに声をかけて本当によかったぜ。ハクトのおかげで、ゴーレムやら今日の魔法やら新しい発見もあったし、何より一緒にいて楽しいからな!」


「それはこっちもだよ。これからもよろしく、だな!」


「おう、もちろんだ! これからもよろしくな!」


 なんてやりとりをした。


 ……この異世界で楽しく過ごせるのも、出会った皆のおかげだもんな。

 これからも、ホムラも含め皆と仲良くしていけるといいな。

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