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異世界で 友達たくさん できました  ~気づいた時には 人脈チート~  作者: やとり
第二章 魔道具と 魔族とけいきの いい話

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第28話 魔界と商会

 イズレと一緒に奥から出ていくと


「あっ、ハクトもいたのね。ちょうど良かったわ! ああ、でも先に仕事の話をしておかないと」


 と、アキナはさっそくイズレに依頼について説明していた。


 それが終わると、


「待たせたわね。それで、もうちょっと話がまとまってから連絡しようかな、と思っていたのだけど、実はチェスの駒について待ったがかかったの」


 と言われた。


 何日か前に商品化の方向で進展した、って言っていたけれど、どうしたんだろう?


「あの駒は大分見た目が変わったとはいえ、元はゴブリンじゃない? その本人たちが見た時に、勝手に見た目を改変したり、そもそも駒にしたのが問題になるんじゃないか、って話になったの。前に売り場に出した駒も、許可を取らなかったのはまずかったかもしれない、と反省したわ……」


「あれ? そもそも駒を作る切っ掛けが、ゴブリンの物語が流行ったからじゃなかったっけ? そういうことなら、本が出回って大丈夫だったのか?」


「それは大丈夫よ! あの本はね、魔界で書かれてた原稿を、魔法によって翻訳して出版した本なの。それとね、原稿と一緒に紙に描かれた絵を渡されたみたいなの。その絵は、作中に登場しているゴブリンを描いたものだ、って説明されたみたいよ。それと、その絵は自由に使ってかまわないと言われたそうで、表紙の絵にしたみたいなのよね」


 本は元々魔界で書かれたものだったのか。それで、それを翻訳して販売していると。


「そして、その表紙に描かれていたゴブリンを、いい感じにイズレに立体化してもらったの」


 絵をあんなにリアルに立体化したのか。

 イズレ、すごいな。


「なるほど。……でも、その原稿の出どころとかは大丈夫だったのか? 魔界で書かれたって言っても、魔族が適当に書いた、とかはまずそうな気がするけど」


「あ、えっとね。その原稿を持ち込んだのは魔皇(まこう)の一人で、受け取ったのはうちの商会なの」


「えっ、魔皇!?」


 もしかして、俺の知っている誰かだろうか?


「もしかして知っている? 異世界から来たから、魔皇の存在について説明しないとかな、って思ったけれど」


 とっても知ってる。

 何なら、そのうちの三人には会ったことがあるし、一人は昨日も会ったよ。


 ……けど、それを言うとややこしくなるよな。


「あ、うん。この世界とか国の常識については教会で教えてもらったんだ」


 そう答えることにした。うん、嘘は言っていない。


「あ、そもそもなんで魔皇、というか魔界と繋がりがあるかって言うとね、うちの商会が魔界との貿易を行っているからなの。最初は魔皇からこの国に対して、魔道具を魔界に輸入したい、って打診があったみたいなの。それで選ばれたのが、当時から大手だったうちの商会、ってことみたい。それをきっかけに、今ではお互いに多くの商品をやりとりしているわ」


 提案した魔皇はアオイだろうな。昨日、リンフォンは魔界で製造しているって聞いたけど、そのルートでこの国に輸入されているのかも。


「それでね、今輸入している魔道具には、ハクトも買ったリンフォンがあるの! しかもね。なんと、それを開発したのは地魔皇(ちまこう)なのよ! すごいわよね!」


 あ、えっと、ごめん。 

 作った本人から先に色々聞いちゃってるし、何なら他にも色々聞いてる。


 ……とりあえず、話を合わせておこう。


「す、すごいな!」

 

「そうなの! ……それで、話を戻すとね。まずはそのルートを通じて、原稿を持ってきた魔皇とわたしたち、つまり娯楽用品の部門とで話がしたい、ってことになったのよ」


 なるほど。

 ということは、アキナの商会とアオイは交流があるってことなのかな?


「ただ、原稿を持ち込んだのは風魔皇(ふうまこう)みたいなのよね。地魔皇なら、定期的に貿易の担当者と商会長、つまりわたしの父親と簡単な会議をする予定があって、そこで風魔皇と連絡を取りたい、ってお願いしてもらう予定なの」


 原稿を持ち込んだのはハヤテだった!

 ……これは、何かのいたずらって可能性もある気がしてきたな。 


「ただ、商談の場でそれとは関係ない話をして大丈夫なのか? って意見も出てきてね。……わたしは、父親に同席する形で何度か地魔皇に会ったことがあるの。会議の場だったから、そんなに会話はしていないけれど、そういったことで怒る人ではないと思うわ。それにわたしの父親も、世間の魔族のイメージとは全く違う、って日頃から言っているわ」


「うん。少なくとも魔皇は、人間たちとも仲良くしたいと思っているよ。……あっ! 話を聞いた限りね」


 聞いたのは、本人たちからだけど。


「ハクトもそう思うわよね! 最初にハクトと会った時、魔族に苦手意識とがないって聞いて嬉しかったの。今はイメージが先行しちゃって、人間と魔族の関係はうまくいっていないけれど、もっと仲良くなれると思うの!」


「もしかして、魔族の駒を作ろうって考えたのも、その切っ掛けとして?」


「そうよ! 何でもいいから、魔族に興味を持ってもらって、そこからもっと知りたい、実際に交流してみたい、みたいな流れになっていくといいなって」


 アキナは本気で、魔族との仲を何とかしてみたいと考えているみたいだ。

 ……さっきは誤魔化しちゃってたけど、本人たちに会ったことがある事、ちゃんとアキナに教えよう。


「……アキナ、実は俺、魔皇に会ったことがあるんだ。それも全員に」


「急に冗談なんて言ってどうしたの、ハクト。……え、もしかして冗談じゃない?」


「ああ。しかも、地魔皇と火魔皇(えんまこう)とは、リンフォンで連絡が取れるようにしたよ」


「ほ、本当に!? 確かハクトって、異世界から来たばっかりじゃなかった? しかもリンフォンを買ったのもつい最近よね!? 異世界から来た人って、こんなにすごいのかしら? ……いや、ハクトがおかしいのね!」


 おかしい人にされてしまった……。


「なんだと……」


 そして、お茶を持ってきていたイズレも驚いていた。

 さっき一度奥に引っ込んだなーと思ったけど、お茶を用意してくれてたのね。



 まずは一旦、イズレの用意してくれたお茶を飲んで落ち着こう、ということになった。


「ふぅ。……改めて、本当に驚いたわね。けど、そういうことなら今回の件、ハクトに連絡をお願いして大丈夫かしら?」


「ああ、とりあえず連絡を取ってみるよ」


 リンフォンを取り出し、今回の件の相談をアオイに送信した。


「これでよしっと」


 簡単にだけど、ゴブリンの件とハヤテの件、両方について送っておいた。

 

「ふむ。ハクト、私からも頼みがある。急ぎではないが、一度魔皇の誰かに会うことは可能だろうか? 魔族には多くの種族がいて、変わった姿形や文化を持つ者もいると聞いたことがある。何度か魔界に行ったことがあるのだが、限定された場所しか行けなかったのだ。だから、魔界に詳しい人に色々と聞いたり、可能であれば様々な所属や文化に触れたいと思っている」


「わかった。今度会った時に聞いてみるよ」


「よろしくたのむ」


 イズレは一時期、各地を旅していたみたいだけど、魔界は許可が必要だから、あちこちは行けなかったか。

 忘れないように覚えておこう。


「あっ、そうだ! 焼き菓子のお土産を持っていたんだ。お茶といっしょにどうぞ」


 と、今日渡した焼き菓子の残りを取り出した。

 今日は何人教会に来ているか分からなかったから、多めに分けておいたんだよな。


「あら、いただくわね。……。ハクト、これ、もしかして王城で渡されたものじゃない?」


「ん? そうだけど、それがどうした?」


「これ、パーティのお土産とか、賓客に対して渡される物なのよ。わたしも父親に貰って食べたことがあるわ。ハクト、一応聞いておきたいんだけど、この国の王族とも連絡が取れたりはしないよね?」


「あ、えっと、確か第二王女だったかな、クレアって人となら連絡が取れるよ」


「……ハクト、うちの商会ので雇われない? 好待遇を約束するわ!」


「あー。嬉しいけど、半年で帰ることになるから……」


「それは残念ね。 ……もし気が変わって帰らないことになったら、いつでも声をかけてね!」


 アキナにスカウトされてしまった。


 ……魔族やこの国のトップクラスの人たちと連絡を取り合える人物。

 確かに、俺が雇う側だったら絶対スカウトだろうな。

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